表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女と呪石とほどほど人外  作者: 宮居/四葩
第3章
52/80

051 在処

担当:宮居

「さて……予想通りなわけだけどこれどうしようか?」

「うーん……フェアリーたちは?」

「反応無し。とりあえず周辺探ってみる?」

「そうしよう。フェアリーたちが見つかればいいんだけど……」

「反応見ながら歩いてみるね」

「お願い」

大きな穴の脇を歩いて、さらに奥の道へ進む。

あ、薬草も探さないと。

滑らかな斜面を上に進む。この上には確かに小屋があったはずだけど……

「小屋の方から声がするね……」

「行ってみよう」

フェアリーたちだけとも限らないので慎重に進む。

声が大きくなってきた。

「メアー……起きてよ~」

「泣くなよミミリィ……」

「だって……うぅ……いつになったら起きるの……?」

小屋の前まで来た。反応はフェアリーたちだけみたいだ。仲良かった子の名前が聞こえるし、多分大丈夫。

扉をノックする。多分彼らも気づいているけど。

「……エル、とアム、かな?」

フェアリーの力で扉はビクともしない。

「そうだよ。助けに来た」

勢いよく自分ら側に扉が開いた。ぶつかりそうになるのを避ける。

「エールーっっっ」

泣きながら、森のフェアリーのミミリィが飛んでくる。

それを胸で受け止めた。小屋の中を見ると他にもフェアリーがいる。泉のフェアリーと森のフェアリーたち。

「そいえば帰ってきたんだってね!久々だねぇエル。まぁ、再開を喜ぶ暇はそんなにないんだけどさ」

森のフェアリー、アンナが言う。

森のフェアリーは全部で3人。

アンナ、ミミリィ、ルーシャだ。

泉のフェアリーは4人。

メア、コルト、クリィ、ルワ。

ミミリィとクリィは双子みたいにそっくりな見た目をしている。

名前の音が同じだと容姿も似やすいらしい。

お城にいると噂の虹のフェアリー以外はみんな女性の、可愛らしい見た目をしている。

「泉の水が枯れちゃって、みんな起きないんだ」

フェアリーは空中に力無く浮かんでいる。

洋服の色も、元気だった頃とは違い色褪せている。羽根もだ。灰色。透明感がない。

「何があったかわかる……?」

「地震があったんだ。大きな地震。ドラゴンが飛んで来て」

「そのあとみんなこんな感じ……特にドラゴンがなにかをしたって訳じゃないんだけど……泉が枯れて、フェアリーたちも力を無くした」

「うーん……。泉に水を蘇らせても、フェアリーが元に戻ってくれないとまたすぐ枯れちゃうよね……」

「そうなんだ。多分、魔法水がないと……」

魔法水は蒸発もしない不思議な水。魔力も持っていて、生き物を回復させる力がある。

しかし残念ながら、この島ではそれが湧き出る場所はない。

フェアリーたちを回復させる量あればいいのだけど……。

アンジェたちに、頼めるかしら……?

「魔法水、確証はないけど、フェアリーたちを回復させる分くらいは用意できるかも……」

「ほんと!?」

「知り合いが……うーん……とりあえず連絡とってみるから待って……」

教えて貰った魔法、左手首を指で2度叩く。




『……聞こえるか?』

かなり声は遠いが、一応成功したみたいだ。

ルイの声。この国にいても繋がることが分かってよかった。

『うん、あの、お願いがあるんだけど』

『ちょっとオレじゃあすぐには聞けないから、シナの方に言っくれ』

『あ、うん、わかった』

ルイもルイで忙しいのかな……?

繋がりやすいのがルイだったからとりあえずルイに繋いだのだが……シナにも繋がるかな。




『エル?』

同じく声は遠いが聞こえる。シナにもちゃんと繋がったみたいだ。

『そう。あの、お願いがあるんだけど』

『なぁに?薬草はまだ見つかってないのよね?』

『うん、その前に解決しないといけないことがあって……魔法水、作れたりしないかなって』

『……なるほど?魔法水ね……作れるけどどうやって届けたらいい?』

『船を作ってもらったところまで行く』

『うーん……そうすると早くても明日の午後になってしまうわね……いいわ。こっちでなんとかしてあげる。早くて夕刻には送れると思うわ』

『どうするの……?』

『エルは受信も得意よね……?準備が出来たら、また繋げるから。その間に探せるなら薬草を探しておいて』

『わかった。ありがとう』

じゃああとで、と言って通信が切れた。

不思議な感覚が抜ける。頭を横に少し振って、フェアリーたちの方を見た。

「なんとかなるかも」

「ほんとに!」

フェアリーたちが喜ぶ。くるくると頭上を飛んでいる。

「魔法水が送られてくるまで、薬草を探さないといけないの。協力してくれない……?」

「もちろん!探してるのはなに?」

「ブルーファリア」

「?そんなもの何に使うの?」

フェアリーたちにとってはとても価値の低い薬草なのだ。病気や怪我なんかも治せないし、フェアリーは呪いにかからないし。

呪いというとのから彼らは知らないのだ。そんな概念が存在しない。

だから……説明もしない。

「仲間が欲しがっててね」

「まぁオッケー任せてよ。ミミリィは念の為残って……アムもみんなを見ててくれる?」

「いいよ。薬草類は苦手だから」

アムは薬草の見分けが下手なのだ。

「それじゃあお願い。じゃあ行こう!」

アンナとルーシャと共に、山道を歩く。

この辺はまだ歩きやすい。もう少し上がると山頂で、そこに行くまでの道が荒れに荒れてるのだ。フェアリーたちには関係ないけど、歩く方は辛い。

「そろそろだね。先に上だけ確認してくるね!」

そう言ってアンナは飛んでいった。

フェアリーには大きい薬草だから、どちらにしろ登らなきゃいけないんだけど、見つけてくれたら嬉しいな。

「あたしはもう少しエルのそばで探すよ」

ルーシャは傍を飛び回っている。

「ありがと」

1人できつい道歩くよりいいよね。

そう言えばフェアリーたちが荒れてるって話を国王から聞いていたけど、全然そんなことないし、山も普通に登れたな……?どういうことだろ。

「ねぇ、ルーシャ、国王様からフェアリーたちが荒れてて山登れないって聞いてたんだけど」

「あれ、アムから聞かなかったかい?」

私が寝ている時に話をつけていてくれたのか。

「国王様の手を煩わせたくないから、許可したものしか通さないことにしたって、小さな噂を流したのさ。アムに話を聞けば助けに来てくれたって言うから。信憑性を持たせるために遊びに来た子どもたちは帰してたけどね」

なるほど。






「あ!来た来た!あったよエル!これでしょ!!」

アンナの姿が見えると、すぐさまこちらに飛んで来て、薬草を指さした。

確かに見た目はあれだ。

「水かけてみないと確証はないよ」

全く同じ見た目の薬草が別にあるのだ。

ただの水をちょろっとかけてみる。

色が変わった。これだ。

本来なら水に浸すと青く発光するのだが、今はあいにく必要な量の水を持っていない。だけどこの薬草は水をかけるだけでも反応する。こうして見分けるしかないのだ。

「いくつあればいいんだろ……」

「ここらじゃ使わないし、生えてるの全部持ってっても構わないよ?」

アンナは言う。だけどこれいちいち調べるのもめんどくさい。数は多くないけど……

「足りなくなったら困るし……全部確かめるか……」

あまり水も持っていないのだけど、仕方ない。

ほんとに少しずつ、それぞれの葉っぱに水をかけ、薬草を確認していく。

10あったうち、6が目的に薬草だった。

回収して、ポシェットにしまう。

あとはシナからの連絡を待つだけだ。

3人で山道を降りる。小屋へ戻る。


「お疲れ様~どう?あった?」

「あったよ。アム、ここまでありがとう」

「どいたまだよ~まだ終わってないけど」

シナから魔法水を受け取ってフェアリーたちと泉を元に戻して、薬草を持ってルイたちのとこへ帰る。

もう少しで、またお別れだ。

「またすぐ、別れが来ても、また会えるよ。帰ってくるでしょ?」

「勿論。私の故郷はここだから」

「また少し寂しい日々が続くけど、大丈夫。また戻ってきてくれるの待ってるよ」

「ありがとう」

向かい合って笑い合う。



さて、シナからの連絡はいつ来るか。

フェアリーの名前なんかは覚えなくて大丈夫です!!担当者もちゃんとは覚えてません!w


別サイド書いててリレーっぽさ(?)が無くなるのが嫌でこうなりました()


そろそろこの章も終盤かな!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ