039 外域
担当:宮居
いつもの雰囲気、というか、慣れ親しんだ雰囲気というか。固っ苦しいところから解放された気分のあたしたちは足取り軽くフヨンについていく。
「とりあえず、部屋を取りましょうか。なにか希望はございますか?」
「狭くなければなんでも」
「そうですね……わかりました」
そうして着いたのがこの宿だ。
ほかの建物とは違った雰囲気の……というか、周りには合っていない外見の建物。白い壁。とんがった屋根。どちらかと言うと、あたしがいた国にはよく似合いそうな、どこか城っぽさのある建物だ。
「まぁ……わかりやすくて良いんじゃない?」
「このような建築をしているのは、外の域のここだけですね」
とりあえず中に入る。
1部屋1部屋はあまり広くない。しかし狭くもない、と言った感じのようだ。
「2部屋取った方が良さそうね」
「丁度、お隣同士の部屋が空いてますよ」
「じゃあそこで」
話を聞いていた受付の人にそう教えられ、鍵を2本受け取る。
470と471。
「……部屋の番号はどうやって決めてるんだ?」
「オーナーの好きな数字が、好きな順に並んでいます。そちらのお部屋は4階の1番奥になります」
階段で4階まで上がる。
420、435、482、467と来て隣が470、471だ。バラバラにも程がある。
「どう分かれるかは聞くまでもないわね。どっちの部屋がいい?」
「470」
とシナが答える。
「りょーかい。じゃあたしたちが奥ね。エル」
そう言ってシナに鍵を渡し、エルと共に471に入る。
「荷物置いたらここ集合な」
「わかったわ」
「私はここで待っていますね」
頷き、それぞれの部屋に入っていく。
「はー疲れた」
部屋に入って、荷物を置いて、ベットに倒れる。
「ふかふかで気持ちいいわこれ。エルも来たら?」
「……寝てしまいそう」
小さく呟きながらもこちらに来る。
「ほんとだ」
エルは元奴隷だ。こういうベットはあまり使ったことないんじゃないか。
……奴隷の中でも特別待遇を受けていたけど、部屋にベットはなかったし、今までの国のよりここのはもっと…なんというかな高そうな……。
「まぁいいわ」
お金のことはとりあえず置いておく。
「もうちょっとゆっくりしたら行きましょうか」
と伸びをする。
エルは起き上がって、椅子に座った。
「椅子もふわふわしてる……」
何度か座り直してそれを楽しんでいる。
……可愛いとこあるじゃないの。
「んふふ。昔とは大違いね……」
エルには聞こえないように呟いた。
道中、エルはあまり喋らない。フードを深く被って、下を向いて、あたしたちについてくる。
エルフだってバレないようにそうしてるのもあるだろうけど、ルイやシナを、他の国の住民達を、警戒しているようにもみえる。
……あたしは一応、信頼されてるのかしら?
そう思うと少し嬉しい。
「そう言えばエル、船ではどこにいたの?会わなかったけど」
あのどこから仕入れたかわからない船。
大きくはない船で、エルの姿は1度も見なかった。
「えっと……シナに頼んで、海の見える部屋を貰って……ずっとそこにいたの」
「そんな部屋があったの?」
「うん、その部屋なら途中、他の船に会っても姿が見られることはないだろうって」
ルイとシナがなにか手を打っていたみたいね。呪いか魔法かなにかで隠すとかかしら。あたしにはその部屋教えてくれなかったし……それどころか、案内されたのは倉庫だったし。キッチン付きの。
「そうだったのね」
コンコンっとノックがする。
もう1度伸びをして立ち上がった。
エルはフードを再び被り、あたしの後ろについてくる。
扉を開けるとルイが立っていた。
「準備は出来たか?」
「もうちょっとゆっくりしたい気分でもあるけどね」
「まぁそれはオレらも同じだ……」
ルイもそれなりに疲れているようだ。
「でもま、とりあえずは王に会いたいわよね」
「そうだな。まずは"師"とやらに会わなければだが」
頷き、部屋を出る。
「お待たせ。案内してくれる?」
「喜んで」
こうしてまた、歩き出す。
呪石は誰が持っているのかしらね。
呪石探しつつ、人の変化、成長なんかも書けたらなんて思ってます。
サブタイトル考えるの難しい




