036 岐路
担当:四葩
見慣れた竜がいた
「あぁ逝ってしまわれたのね……」
王がいなければ、もうすぐ魔法が使えなくなる
「私も殺すのかしら」
いまなお屋敷の破片を、王を踏みつける竜に問う。
「言われたのは王だけだけど……あんたも殺ったほうが良さそうだね」
踏み潰されたい?それとも喰い殺されたい?
少し楽しげに竜が問い返してきた。
「出来れば生きていたいのだけど……それは選択肢にはないのかしら」
「ないよ。ここで貴女には死んでいただく」
問いには別の声が応えた。
聞き慣れた青年の声だった。
「この国は生まれ変わるんだ……竜の国へ。だから人間はいらない」
「あら……そう……残念だわ」
剣を持ちながら段々とウルは近付いてくる。
そこに怒りはなかった……唯一気になることは
「シイは……貴方が幸せにしてくれるのよね」
「もちろんだ……シイは俺の妹だからな」
切っ先が服に触れる。
「そう……では精進なさい」
亡骸の女に背を向けウルは竜と飛び立つ
シイや皆が待つもとへ
国が崩壊し木だけが残ったのは僥倖だった。
「また、はじめよう……今度こそ失敗しない」
「この国を竜の国にする」
王宮へと向い帰ってきたウルはあたし達、否ルイにそう告げた。
「ふーん……まぁ頑張りな。オレはこの国を出る。シナたちについてくつもり」
はぁ?聞いてないんだけど……シナは頷いてるし
「アンジェ、オレは役に立つ」
「もうどうでもいいわ、あたしの邪魔はしないでね」
「了解~」
「じゃあ国を出るのはあたしとシナ、エル、ルイね」
「シイは……どうするの」
エルがシイに訊ねる。……というかエルがシイのこと話し出すなんて驚いた。まあ呪石を持ってた同士だし気にはなるか
「ボクは兄様の手伝いをする……だから行かない」
予想通りの応えが返ってきた。
「よし、メンバーは決まりだな。じゃあアンジェ……眠ってくれ」
……またか、そう半ば諦めつつあたしの意識はフェードアウトしていった
目覚めたら蒼い空ってなんだかテンプレート化してないかしら……今回は地面が揺られてるけど…う~ん船か?
「ぼーっとしてるようだけど起きたな。アンジェおはよう」
あたしの意識を飛ばした張本人が暢気に言う
「はぁ、おはよ。でここは何処なわけ……いや言わなくていいわ。船でしょここ」
木で出来た部屋は揺れていて且つ潮の匂いがする
「ご明察だなアンジェ」
「でこの船はどの国に行けるの」
「ジウアロ国さ。後一晩越せば着くはず」
「ふーん。なら時間は十分あるわね……ルイ」
にっこりと微笑むあたしにルイの顔が引きつる。
「アンジェさん……なんのお時間でしょうか」
「決まってるじゃない……洗いざらい話してもらいましょうか……あの国で聞き逸らされた話……その全てをね」
さぁ長い1日になるわねぇルイ
相方がパス回し上手くて凄く書きやすいです……自分下手くそでごめん…
次回は過去編です。どのくらいの長さになるか、どれ位で書き上がるか不明です(( (宮居)




