025 夢現視
担当:宮居
「じゃあ、ウル、お願い」
部屋を移動した。どこかの空き室。
たまたま入った部屋が空いていたわけない。先に調べておいたのだろうか…?
「あぁ……dream.open」
ウルが魔法を唱える。
「呪識。」
シナが呟くとウルが作った空間の色が変わる。形も、円形のものから扉へ変わった。
「話すより、見てもらった方が早いかと思って」
そう聞くと、あたしは意識を失った。
目が覚めると、そこは広い草原だった。
遠くに木が見える。とても大きな一本の樹。
近づいてみよう……。
ゆっくりと樹に近づく。
…話し声が聞こえてきた。
「この子ここにいて大丈夫なの…?」
「あぁ…大丈夫だ、安心しろ…あぁ、守るよ」
人が2人に……子竜……?
次の瞬間、視界が暗転する。
「あぁ……なるほど」
目を開けると、あたしは空にいた。
「魔法って便利ね……あとは誘導してくれるかしら?」
下に3人の子供たちがいる。場所は先程と同じような場所だ。
一本の大きな樹。
女の子が2人男の子が1人。
「……もう少し、離れようか」
1人の女の子は泣いているようだ。恐らく……こちらがシナ。隣にいるのがルイで、男の子がウルだろう。
よく見るとシナは綺麗な紫色の石を持っている。
ウルはドラゴンを抱いていた。
「行くよ……」
ルイが言う。2人は頷く。
立って、樹に向かって礼をして、3人は歩きだした。
「これだけ離れれば大丈夫かな」
何十分と移動して、あの樹が見えないくらいのところへ来た。
「そうだね……」
そうシナは呟いて、紫色の石を落とす。
辺りが光に包まれるー……
「流石ね」
そこには小さな町が出来た。壁も建っている。
四角い形の小さな町。恐らくこれが、この国の始まりなのだろう。
「お母さん、見つかるといいね」
ウルがドラゴンに話しかける。
バァウとドラゴンは鳴いた。
そこから時は、早送りに進む。
森に迷った人を救ったり。
迷子のドラゴンをまた助けたり。
町を住みやすいようにしたり。
剣の腕を磨いたり。
魔法の練習をしたり。
呪いをうまく扱えるよう特訓したり。
町はいつしか、大きくなっていた。
人も、ドラゴンも増えた。
今の国と同じ大きさだろうか。中央に壁は建っていない。
ドラゴンと人が共存しているー……
3人組だったのが、いつの間にか4人になっていた。あれが誰だかわからない…
見たことあるような……ないような…
遠い昔に、会ったことあるようなー…
視界が暗転する。
国は火の海に包まれていた。
とても大きなドラゴンが暴れている。頭の上に見えるのは……人?
人がドラゴンの頭の上に乗っている…?
見たことある顔だ。この国に来てから……。
コーネリア……?
4人組は逃げている。向かう先はお城のようだ。
ウルが王に話をしている。
王の足元には魔法陣が。
それを囲むように4人は立つ。
目をつぶってーー……
目を開けると辺りは静かになっていた。
外を見る…大きな壁が、国の真ん中に建ったようだ。
「ーー!」
ルイが誰かを呼ぶ。名前はうまく聞き取れなかった。
魔法陣があった場所で、女の子が倒れていた。
ルイが名前を呼んでいるようだが……うまく聞き取れない。何度も、何度も叫んでいる……
「ごめんね、アンジェ」
騒がしい音が聞こえて、目が覚めた。
あたしたちが泊まっていた宿だ……いつの間に?
……外が騒がしい。何があった?
それにエル、ウル、シナはどこに行った?
体を起こす。なにかの紙が落ちた。
拾って見る。シナの字だ。
『ごめんねアンジェ。開始地点は、選べないの。じゃあまた後で。生きて会いましょう』
読み終わった次の瞬間、
「早く逃げてくださーい!建物の外へ!早く!」
声が聞こえた。知らない声だ。
あたしは扉を開ける。
「あっつ…」
「嬢ちゃん!こっちだ!こっちに逃げろ!」
ふっと左を見るとおじさんが手招きしていた。
頷いてそちらへ駆ける。
「嬢ちゃん大丈夫か?なんだってまた……」
「わからない、何もわからないの…」
「……そうか……とりあえずこの建物から出よう」
おじさんの後についていく。
何故かこの人の行く道は火にやられていない。
安全に外へ出ることが出来た。
「アンジェ!」
そう遠くないところからあたしを呼ぶ声が聞こえた。
エルだ。
「エル……」
「大丈夫アンジェ…?」
「えぇ、助けてもらったから……あれ?」
ふっと振り返ると、おじさんはいなくなっていた。
「さっきの人は……」
「どうしたの……?」
エルが不思議そうに、不審そうに、こちらをみてきいてくる。
「……大丈夫、何でもないわ。ところで、シナは?」
「わからないんだ…火が放たれた時には部屋にいなかったから、怪我はしてないと思う」
「あたしはどうやって宿には戻ってきたのかしら…」
呟きをエルが拾う。
「シナとウルが送り届けてくれたんだ。それから2人でどこかへ行ってしまって、帰ってきてない」
「それは何時間前のこと?」
「3時間くらい、かな」
あたしはその時間眠って、彼女達の過去を見ていたのか……。
因縁だかなんだは結局よくわからなかったし、宿は燃えてて危うく死ぬとこだったし、散々だわ。
開始店は選べないって書いてあったけど、もう少しあとの話なのかしら。
まぁでもとりあえず
「……シナとウルを探さなきゃ…」
まだわからないことが、聞きたいことが、沢山ある……。
遅くなって申し訳ない…スランプ?みたいなのに陥ってました。
next→2月19日 20時




