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ひたすらにジャブ

ジャブ!ジャブジャブ!


ーーーーーーーーーーー

「おまえは人生ジャブだな」





ジャブ!ジャブ!からのジャブ!!ひたすらにジャブ!ジャブジャブ!



俺の人生、俺の夏。一体!

ジャブジャブ!ジャブ!ジャブジャブ!


ジャブ!はいここでジャブ!ジャブ!


ジャブ!右ストレート?いいや、ジャブ!ひたすらにジャブ!





高二の頃、惚れてた二組の高倉舞に「剛裕君はジャブばっか。何考えてるか分からないし気持ち悪い」って避けられたっけ。





ーーーーーーーーーーー


高三の夏。灼熱の太陽の下、何がそんなにお前らを熱くするのだろう野球部の声と、天井から微かに聴こえる吹奏楽部の、ウマいんだかヘタなんだか分かりにくい音楽。出っ歯で背丈が小学生くらいの国語教師の、まるで呪いような漢文講座。二十一世紀もそこそこ経過したのにもかかわらず、クーラーの一つもない古い教室。


木の床の乾いた匂い。前の席のやつのわけの分からん制汗剤の匂い。右隣にいるデブの脂っこい汗の匂い。

色んな物が混ざった匂いは、俺の思う「教室の夏」そのものだった。





「タケ、おまえだけだよ。申し込み用紙出してねえの」



このザマ。最近まで一緒にジャブやってた村木まで夏期講習の申し込み用紙の締め切りを俺に迫る始末。


なんだかなあ。まあ、ジャブ。軽く、二三回ジャブ。これで分かれっつうの村木。俺は受験勉強なんてこれっぽっちもやりたくないんだよ。ジャブジャブ。



汚い放送機からチャイムが鳴る。俺は伏せ目のジャブを二回。村木は俺の左ジャブを静かに右手で静止させた。呆れ顔で、でもどこか「おまえはおまえらしいよ」って。そんな笑みを浮かべて席に戻っていった。



クソみたいにつまらない高三の夏が始まる。




「ジャブジャブ!」


俺はおれに言い聞かすように、村木がいなくなった前の席のそこにシャープなジャブを二度打った。

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