プロローグ
俺は子供の頃から他人の目に見えないものが見える。
皆はそんな事があるわけ無いだとか、それは幻覚だとか言うのだが見えてしまうものは仕方がない。
俺の目に見える物、それは世間一般では『霊』だとか名づけられ恐れられているが俺は恐れるような物でもないと思う。
霊の9割方は良い人が多いと思うしいまだかつて凶悪な霊を見たことが無い。小学生の頃一度、肝試しと言う事で友人2人と夜中に近くの墓地に行った事があるが騒がしいことこの上なかった。酒を飲み踊り飽かす人。
その様子を近くで見ている人。また肝試しかと言いたげな眼差しでニヤニヤこちらを見ている中年ぐらいの人、この人は俺達の様子を見ながら茂みに手をかざすとガサガサと言う音を立てた。どういうわけかこっちの草木を触れるような人もいるらしい。
その音を聞いて友人2人は悲鳴を上げて俺だけを残し帰り道を走り抜けていった、その様子を見て中年ぐらいのおっさんはケタケタと笑っていたがその様子をずっと見ていた俺の方に気づくと不思議そうに俺のことを見続けた。
俺は中年のおっさんに見つめられて赤面するほどシャイボーイでもないのでなんとなく敬礼するとおっさんはありえないような物を見たような目で敬礼し返した。
霊とは言えど元は人間なのだ。面白いおっさんもいれば変わった霊もいる。
そんな霊が見える特性を持った俺は中学の頃からこの世を彷徨える霊を返す事を覚えた。
誰に教わったわけでもない。
ただ俺自身がこの特性を何か役に立つことに利用できないかと考えた結果がこれだった。
霊とそうでない人を見分ける方法は意外と簡単でよく目を凝らしてみると少し透けているのだ。
後はその人から話を聞いてこの世にやり残した事を聞いていく。そうして俺のできる範囲でその手伝いをするのだ。そうして手伝い終わると自然にその人は居なくなる。
その人たちが笑顔や感謝の気持ちを伝えてくれるその瞬間がたまらなく好きなのだ。
そうして生きてきた俺にも高校生活がやってきた。
まぁこれといって変わることは何一つ無いのだろうが…
ゆるゆる上げていきたいです。
いつ頃更新などはまったく見当がつかないのですが…