表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒猫勇者と怠惰の宰相 〜引きこもりの俺、安眠のためにリモートワークで異世界を改革する〜   作者: 香箱
第1章:怠惰の聖域

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/35

第18話:ポイント爆増は正義

 --- 一ヶ月後。


 俺はソファに寝転がりながら、いつものようにルミナショッピングを開いた。最近は特に変わったこともなく、平和そのものだ。


(まあ、外が静かすぎる気はするけど……静かなのはいいことだよな)


 画面をスクロールしながら、いつもの“日用品”カテゴリを眺める。洗剤、ティッシュ、カップ麺、コーラ箱買い……。うん、いつも通り――


「……ん?」


 画面右上の“現在のLポイント”を見た瞬間、俺は息を飲んだ。


【所持ポイント:80,004,250L】


「……は?」


(え、ちょ……八千万? 桁、間違ってない? 昨日まで三千とか五千とかだったよな? なんで八千万? 宝くじ? 俺なんか当てた?)


 たまが足元で「ナァ」と鳴いた。


「……たま、見ろよこれ! 八千万だぞ八千万! 俺、働いてないのに!」


「ナァ(働いてないからよ……)」


「すげぇ……! これ、人生勝っただろ……!」


 いや、もう人生勝ってるけど……さらに勝ったなこれ。


 俺は震える指で“ポイント履歴”を開いた。


【フェルゼン防衛体制の改善:+80,000,000L】


「……は? フェルゼン? 防衛? 改善? 俺、何もしてないけど?」


 いや、紙に落書きしただけだよな? あれで八千万? コスパ良すぎない?


 さらにスクロールすると、見慣れないカテゴリが追加されていた。


【精神:精神力アップ 20,000,000L】

【怠惰:あなたの怠惰を守ります 20,000,000L】

【魔導冷蔵庫:鮮度そのまま 10,000,000L】

【翻訳プリンタ:全部翻訳します 5,000,000L】


「……なんだこれ!? めっちゃ便利そうじゃん!!」(精神力アップ? 怠惰を守ります? いや、怠惰守ってくれるの最高じゃん……! 魔導冷蔵庫とか絶対欲しい!)


 たまが「ナァァ」と鳴いた。


「……たま、これ買っていいよな? ポイント余ってるし!」


「ナァ(やめなさいってば!!)」


「よーし、まずは“怠惰を守ります”だな。名前がもう最高だし」

(これさえあれば……俺の怠惰ライフがさらに強化される……! 世界よ、もっと俺にポイントを捧げろ……!)


 その時、画面の下に“新着メッセージ”が表示された。


【ルミナショッピング運営より】

《ゼクト様、いつもご利用ありがとうございます。フェルゼン領の安定化に伴い、世界の“負荷”が大幅に軽減されました。その功績により、特別ポイントを付与いたします。今後とも、どうぞ“動かずに”世界をお導きください。》


「……動かずに導くって……俺のことじゃん!」

(いや、俺の生き方、世界に評価されてる!? 最高かよ……!)


 俺は満面の笑みでポイント画面を見つめた。


(……なんかよく分からんけど……とりあえず、ポイントが増えるのは正義だよな)


 「よし、“怠惰を守ります”購入っと」


【購入完了:怠惰】


(名前が最高すぎる……俺のためにあるアイテムじゃん)


 続けて“精神力アップ”もタップした。


【購入完了:精神】


 両方グレーアウトして選べなくなった。


「……おお、なんか“コンプリートした感”あるな」


 さらに“翻訳プリンタ”も購入。


【購入完了:翻訳プリンタ】


 勢いのまま“魔導冷蔵庫”も購入。


【購入完了:魔導冷蔵庫】


 その瞬間、画面が光り、新しいカテゴリが追加された。


【怠惰強化】【精神・加護】【生活魔導具】【結界・防衛】


「……増えた!? なんで!?」


 スクロールすると、魅力的すぎる商品が並んでいた。


【怠惰の玉座:怠惰が安定 50,000,000L】

【魔導ベッド:素晴らしい寝心地 60,000,000L】

【遠隔:遠くても大丈夫 80,000,000L】


「……なんだかわかんない商品だな。でも全部欲しいな」


 しかし、右上のポイントは――


【所持ポイント:25,004,250L】


「……足りない」


(八千万あったのに……俺、そんなに買った……? いや、買ったな……)


 たまが「ナァ……」と呆れた声を出した。


「……くそ……“怠惰の玉座”欲しい……!絶対欲しい……!あれに座ってダラダラしたい……!」


 その時、画面に小さく表示が出た。


【※世界の安定度に応じてポイントは随時付与されます】


「……世界、もっと安定しろ……!」


(いや、待てよ……世界が安定すればポイントが増える……?)


 俺はゆっくりと画面を閉じた。


(……フェルゼン改革すれば……ポイント増えるんじゃね?)


「……よし。やるか、フェルゼン改革」


 たまが「ナァァ!?」と叫んだ。


(いや、違うんだよたま……俺はただ……“怠惰の玉座”が欲しいだけなんだ……)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ