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  作者: OBOn


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28/37

〜番外編おまけ④ 中1 2月7日 僕は野村が好き〜

・西田義隆。

中一。

元ぼっち。

身長151cm。

主人公。

精通は夢精。哀れ。

頻度は週八。怖い。たまに十。

最後に致したのは十三時間前。

野村が好き。


・野村由紀。

中一。

不思議ちゃん。

身長166cm。

西田ってわりとむっつりなのではないかと最近気づき始めている。

それでもそんな西田が好き。

西田と二月一日から付き合っている。

ピロン♪

友達の一人、北村からLIMEだ。

「バカデカチンポイチモーツ四世ー」

「やめろそのあだ名」

昨日の帰りの会の時間に負けたやつが三日間「バカデカチンポイチモーツ四世」というあだ名をつけられるというじゃんけんに僕は負けたのだ…。

昨日が金曜日でよかった。

学校でそんなあだ名で呼ばれているところを野村に聞かれた状況を考えただけでとゾッとする。

というかほぼいじめだろ。コレ…。

「今からカラオケ行こうぜー。名倉も誘った」

カラオケの中であだ名のこといじるつもりだな…。まぁ、良いけども…。

「おっけー」

と、またピロン♪とLIMEが来た。

北村からではない。野村からだ。

「お料理してたら、指切った。ちょい血が出てきた」

「え大丈夫?」

「だいじょばない。今家にお父さんもお母さんもいなくて、私はお昼作ってる途中だから、できれば絆創膏買ってきて欲し。代金は後で立て替える」

ひーん。とか言って泣いている野村が目に浮かんできて心配になってきた。

確か1603号室だったよな…。

ピロン♪

「ごめん。北村、やっぱり今日は行けない」

「おー、いいぜー。いきなりな話だしなーしゃーない。また遊ぼーぜー」

「ありがとう」

僕は近くの薬局へと走り、絆創膏を買った後、野村のもとへ向かった。



「お~ありがと~西田ぁ。あ、お茶出すよ。待っててぇ~」

「…お構いなく」

なんかめっちゃ元気そうだ。

「構うよぅ。西田が来てくれたんだもん」

「なんか…会いたかっただけでは?」

「ばれてしまったか…」

えへへ。ごめんね。と謝る野村。

「指見せて。絆創膏貼るから」

「いいよ、自分でこれくらいやるよ」


ぺたっ。ぐるぐるまきまき。


「去年のハロウィンのお返し」

野村の言い分を聞かず、とりあえず僕は野村の右親指に絆創膏を貼った。

「…ありがとう」

「いや別にこれくらい…」

「好きなところまた増えた」

「それは僕もそう」

と野村はいきなりぶわっと涙をこぼし始めた。

「え、いや、ど…どした…」

僕はどうしていいかわからずおろおろと困惑して何もできない。

こういう時に何もできない自分がすごく情けない。

「私は西田に幸せをいっぱいもらっているのに、私は西田に返せてないなぁ…って…」

「なんでそんなこと言うの」

「だってぇ……ってダメダメ‼︎ダメだぁっ‼︎今の私めちゃくちゃに面倒くさいっ‼︎良くないっ‼︎」

ダメだー。えへへー。とか言って、右手の人差し指を丸め、第二関節の部分で擦るように涙を拭う野村。

自分のことを面倒くさいと評価する野村。

でも僕はそんな野村の好きなところがたくさんある。そんな野村だから好きになったんだ。

野村が自分でも気づいてないような素敵なところまで僕は知っている自信がある。

だから僕は野村をぎゅうぅっと抱きしめて伝えた。

「僕をちゃんと頼ってくれるところ。野村の好きなところの一つ」

「そんなの屁理屈だよぅ…」

「そうかな」

それでも僕は本当に幸せなのに。好きでいてくれているって伝わるから。

「ありがとう…」

そう言って僕のことを強く抱きしめ返した途端、野村はさっきと同じく弱さが溢れ出し、ちゃんと泣くことができたようだった。

あぁ…やっぱりどこまでいっても不安なんて完全には消えない。

それはもうずっとそうなんだろう。僕たち二人が生きていく限りずっと抱え続けてしまう不安。

「好き」

野村はつぶやいた。

でも、野村のこの言葉は不安が原因じゃなくて安心したからこそ溢れ出た言葉なんだろう。そんな気がした。

なんだか分かる気がする。

だって僕は。

「…僕はさ、少し前まで自分のこともっと強いと思ってた。僕の心なんて僕のものなんだし、変わらない、人に左右されるようなもんじゃないんだって…でも違ったんだね。僕は自分が思っていたよりもずっと弱くて、脆くて、カッコ悪かった。こうやって率直に気持ちをぶつけられたら…」

あぁ…ダメだ。僕も自分で言ってて改めてやっぱり僕は恵まれすぎていて怖いと感じるくらいには幸せだ。

そうか、これが野村が抱く不安の正体。

同じ気持ちが僕にもあった。

それに気づけた幸せを噛み締めて、いつのまにか目からぽろぽろ涙を流していた。きっと安心したからなんだろう。不安を感じて安心するなんて変な話だ。

「…やっぱダメだね…僕は…嬉しくて泣けてきちゃうくらいには弱いし、そんな自分がたまらなく好きで、野村のことはもっと好きだ」

きっと僕が自分の強さを勘違いしていたのは僕がずっと独りだったから。それで生きていけたから。

ぼっちで人と関わることがなかったから。

野村と出逢って、恋をして。好きになったのが野村だったからこそ見つけられた弱くなることの幸せ。

「じゃあ私とおそろいだ」

そう言って涙をためて優しく微笑む野村はとても綺麗で。

「僕は野村を好きになって、好きになってくれて本当に良かった。だからありがとう」

僕は自分の服の袖で、野村の目尻にたまった涙を拭った。

僕は野村が好きだ。

お読みいただきありがとうございます…✨

西田は野村の彼氏です…✨

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