〜身体を動かすぞー〜
~主な登場人物~
・野村由紀
不思議ちゃん
中一
身長165センチ
星座はインフルエンザ
血液型はクワガタ
好きな食べ物はない。甘ければなんでもいい
不思議すぎて、一人でいることは多い
・西田義隆
主人公
中一
身長145センチ
星座は水瓶座
血液型はA型
ただ単にコミュ障
虫苦手だが、触れられなくはない
ただ、虫触ると、つぶしそうなので、掴めない、触るのはできる、手のひらに載せるのも、手に這わせるのもできる
精通は小四
もうすぐ体育祭か…体育祭だ…体育祭なのだ。
つまる、つまらないで言ったら死ぬほどつまらない体育祭なのだ。
なぜか、この十二月中頃の冬のクソ寒い中、行われる体育祭。
この学校の校長を本当に恨み倒したくなる。
男女混合リレー、男子リレー、女子リレー、スウェーデンリレー、パン食い競走、借り物競走、綱引き、大縄跳び、玉入れの中から一人につき出る種目を二種目、補欠種目を二種目それぞれ選ばないといけないらしく、僕はもちろんメインに玉入れと大縄跳びを選択し、補欠に渋々綱引きと、ジャンケンに負けたので、スウェーデンリレーを選ぶことになった。
◇
ピロン♪
野村からのLIMEだ。
「ねぇ、明日の体育祭誰かと行かないよね⁇」
明日は体育祭があるのだ。
(なーんか僕がぼっちみたいな言い方でじんわりとムカつくなぁ…いや、まぁ、そうなんだけども…)
ピロン♪
「別に一緒に行く人くらいいるし」
「そっかぁ…お友達できたみたいでよかったね‼︎」
しまった…こーゆーところで僕は素直になれない。あぁ。ばかばか。僕のばか。見栄なんて張るな。
いや、しかし、でも………………………いや…………はぁああああ………………もおおお…!
「でも、僕は野村と行きたい」
死だな。死ね。もう死ね。僕なんて消えろ死ね消えろ死ね消えろ死ね消えr…
ピロン♪
「お友達と行かなくて良いの⁇」
(いるわけないだろそんなの…)
「僕に友達は一人もいない。さっきのは嘘」
「じゃあ、私は⁇」
「友達ではない…のか(?)」
「へぇー」
「でも、ただの知り合いでもないと思ってる」
僕が送ったそのLIMEはすぐ既読がついた。
いつもなら既読後にすぐに返信が返ってくるのに、今回は十分も返ってこなくて、既読スルーされたな…まぁ…なんか、キモかったかもしれんもんなぁ…と思い悩んでいる中、野村から電話がかかってきた。
「もしもしぃ〜⁇明日朝八時に栄駅しゅ〜ご〜ねぇ〜よろしく‼︎」
それだけを言って、野村は電話を切った。
ピロン♪
「ありがとう‼︎」
なんか、もうやっぱり僕は野村には色々勝てない気がする。
しかし、さっきの野村の電話の声はいつもより気持ち少し機嫌の良さそうな野村の声だったので、僕は安心した。
ピロン♪
「もし、僕が、他の人と本当に行くなら、どうしたんだよ」
ピロン♪
「西田のことを許さない。ただそれだけ」
「…なんだよ…それ」
僕は思わず、そう呟いてしまっていた。
ピロン♪
「あと、返信遅いからできれば早めに返してね⁇」
「はい」
「通話も三コール以内に出て」
「ごめんなさい」
僕は負けるのだ。
◇
体育祭当日。
「やっ‼︎に~しだっ‼︎」
僕は野村と集合場所で合流した。
「あぁ…どうもぉ…」
「ふふん」
野村は、謎に鼻を鳴らす。
「ねぇ、これから一緒に学校行こうよ。一緒に行く人いないんでしょ⁇」
「ありがとう」
他に言える言葉を探したが、それしか出ては来なかった。
◇
運が悪いのは知っていたが、まぁ、補欠でスウェーデンリレーに出ることになった。
メンドイ、ヒジョーにメンドイ。
大縄跳びと玉入れはテキトーに済ませて、確かうちのクラスが五クラス中2位か3位でまあまあ悪くはない成績に終わり、僕が足を引っ張ることもなかったが、リレーとなると話が違う。
僕は足が遅くも早くもない本当にビミョーな程度の足の速さなのだ。
しかもよりにもよって、欠席したのがアンカーで、陸上部の足が恐ろしく早いクラス一の強面イケメンで物静かな名倉将司だった。
(休んだ名倉が悪いんだからな…本当に…僕が足を引っ張っても恨むなよ!)
僕はカッコ悪く心の中で責任転嫁した。
◇
スウェーデンリレーが始まった。
僕らのチームは一走目こそ1位だったが、二走目に2位、三走目に4位と転落していき、僕に回ってくる時には最下位の5位になっていた。
僕は走った。
僕は僕で本気で走っているつもりだった。
しかし4位との間が遠くて、なかなか追いつけない。
(名倉が走っていたら、きっと、この状況でも1位に逆転してしまうんだろうなぁ…)
(何はともあれ、これで、僕が足を引っ張って負けることは無くなったな…)
よかったよかったと思いつつ走っていると、
「西田頑張れ~‼︎」
と僕を応援する一人の声が聞こえてきた。
僕は単純なので頑張ることにした。
限界を超えて、本気の本気で走った。
結果は4位だった。
僕は単純だ。
◇
野村はパン食い競走と借り物競走を選択していたらしい。
野村の出る番になるまで長く、退屈だった。
やっとパン食い競争で野村の出番になったので、僕はあんパンに食らいつこうとする野村をなんとなく眺めていた。
なんか変な気分になってきたので、思わず目をそらしてしまった。
僕はけっこうむっつりなのかもしれない。
◇
次は借り物競走だ。
箱に入ったくじを引いて、その紙に書いてあるお題のものを持っていき、審査員という名の体育委員に審査してもらい合格した順に順位を決めるアレだ。
野村ももちろん出る。
僕は玉入れと大縄跳びとリレーが終わったので、とても眠かった。
(少し寝よう…野村の番は…まだだろうし…)
僕は眠った。
◇
「ねぇ、来てっ‼︎」
「なぅぁ?ふぁ?は?」
僕は目が覚めた。
(えっと、ここは学校?で、体育祭?をやってるんだっけ?…で、僕は西田義隆で、十二歳で…野村…)
「早くっ‼︎」
(なんだ?なんで僕は野村に手を引かれてるんだ?あぁ…あれか…借り物競走か…もう…野村の番だったのか…ってか!手握られてね!?)
僕は色々覚醒した。
「え…あの…の、野村…?なんで、僕は連れてかれてるの…?」
「お題にぴったりだったから」
「それは、ど、どういうお題で…」
(面白い人とか、優しい人とかだったら、僕的には嬉しいのだが…)
「審査員さん‼︎連れてきたよ‼︎」
聞く前に、審査が入ってしまった。
審査員は、足立麗美(確か同じクラス)だった。
「はーい。ありがとう。じゃあお題を見せてくださーい」
「は〜い、これ」
とお題の書いてあるらしい紙を渡す野村。
すると、足立さんの顔が曇った。
「え、いや、うーん…どうだろう、うーん、ちょっと、西田くんかぁ…うーん」
(なんだなんだ!?どういうお題なんだ!?)
「うーん、ごめん、ちょっと不合格で…ほら、西田くんて大人しいし、大器晩成?的なところあると思うし…もっとチャラチャラしてる子とかならわかるんだけど…」
何かわからないが、すごくディスられた気がして僕は少し傷ついた。
その時四着まで決定したアナウンスが入った。
「借り物競走、四着まで決定しました!よって最下位は五組!」
五組というのは僕らのクラスだ。
その後、野村は近くにいた女子を捕まえて、審査員の審査を通り、無事五着になった。
◇
体育祭が終わった。
そういえば僕は野村にお題を聞きそびれている。
まぁ…いいか…別に…。
僕は帰ることにした。
「にーしだっ‼︎お疲れっ。もう帰るの⁇」
「うん…もう、疲れて、眠いから…」
「すごっ‼︎どもらずにしゃべれてるじゃん‼︎」
(確かに、そうだ。でも、眠いから、変に興奮せずにいられてるってのもあるのかな…)
「へへ…うん」
「わぁっ‼︎西田が笑ったぁ‼︎」
「今のは愛想笑いなんだ」
「えぇ〜」
キモい笑い方してなかっただろうか。大丈夫だろうか。
「ねぇ。西田は帰り道こっち⁇」
野村は横断歩道を指さした。
「…………………うん、そっち」
「帰りちょっと一緒にきてよ‼︎」
「い…いよ、僕は」
「やったぁ‼︎こっちこっち」
◇
「ココのお団子おいしいんだぁ…」
野村が連れてきたのは、醤油団子のお店。
僕らは団子の串を一本ずつ買った。
今日の僕なら聞ける、そんな気がした。
だから、
「結局お題はなんだったの⁇」
僕は野村にいつのまにか聞いていた。
野村はしばらく黙ってしまった。
だが、やっと口を開いたと思ったら、その答えは、面白い人でも、優しい人でもなかった。
「クラスメイトの中で一番早く結婚しそうな人」
どくん。
と心臓が跳ねる音がした。
「………なんで僕なの」
「さぁね」
…やっぱり…野村は不思議でわからないのかもしれない…と思う。
野村は僕のどこを不思議だと思ったのだろうか。
僕にとっては、それがまた不思議なのだが…。
「明日もここに来ようよ」
「え?」
「さらうね」
にひひと野村は笑った。
それからは、野村は一緒に帰る人がいないのか、僕をほぼ毎日団子屋に連れていった。
僕は、これからは帰るのが遅くなると、家に連絡しなくてはならない。
なぜなら、僕の帰り道は反対側だったからだ。
お読みいただきありがとうございます…✨
西田も可愛いですね…✨




