5話 見知らぬ土地で
気に食わない感じだったので修正してます
修正おかわり(4月11日済)
「んぁ………っ!?」
エルナは陽の光で飛び起きる、辺りを見回すとここはいつも皆と遊んでいた村の広場だった
「私、なんでこんな所で寝て……」
立ち上がり伸びをすると後ろから聞きなれた友人の声がする
「おーいエルナー、なんでこんな所で寝てんだよ」
「アイカじゃないんだからダメよ?こんな所で」
「まるでアタシがバカみたいに言うなよ!」
その光景を見てエルナは呆然とし、涙が溢れる
「アイカ…ミリア…?」
「んぁ?どうしたんだ急に泣き出して!」
「どうしたの!?」
「い、いやなんでも!なんでもないの…」
泣いているとアイカがポケットからチーズを混ぜた大きなパンを出してくる
「ほら、これ食って元気だせ!食ったら話聞いてやるからよ!」
「そのポケットにどうやってそんな大きなパン入れてたのよ…ていうかとりあえず食べる前に涙を拭く所からでしょ、ほらハンカチ」
「ありがとう、2人とも…ずびっ」
優しくしてくれる2人を見て、何時もと変わらないな
───────
そう思った瞬間、意識が途切れた
──────────────
エルナは陽の光で目を覚ます、転送の影響で石の上で意識を失っていた様で身体中が痛い、立ち上がり辺りを見回すとどうやらここは山の中だという事は理解出来た
「そうだ、アイカ…」
夢で見たようにアイカの声が聞こえる事はなかった、足元を見ると既に息をしていないアイカの姿があった
エルナはそれを見てその場にへたり込む
「…………ぁ」
目から涙が溢れ出る
「…………ひぐっ…うわぁぁぁん!!」
エルナはその場で大粒の涙を流し叫んだ、もしかしたら魔物が近くにいるかもしれない、そんな危険など考える事も出来ずにただ叫ぶ───────
しばらく泣いて泣いて、泣き疲れたエルナはアイカを抱いてうずくまっていた
(まだ少し暖かい、さっきまで生きてたんだ、でも私が、私が倒れてなんていたから…)
そう考えた瞬間、また涙が零れてくる
何とかエルナが涙を堪えて立ち上がった瞬間、視界の端で何かが動いた気がしてその方向を注視する
「だ、だれか、いるの…?」
返事は無い、警戒し、エルナが後ずさりするとその何かが飛び出してくる!
「グルルゥア!!」
「ひっ」
5頭の狼型の魔物が勢い良くエルナを取り囲む
エルナは恐怖でその場にへたり込むが、何とか剣を手に取り、魔物達に剣を向ける
「いやだっ来ないで!!」
近づいて来る魔物達に剣を振るが魔物達はその行動を嘲笑う様に少しずつエルナの元に迫ってくる
「グルルル……」
そして5頭の内1頭がアイカの首に噛みつき、持ちさろうとする、エルナはその行為に焦り剣を振り回す
「やめてっ!!アイカに触らないで!!」
しかしその行動が命取りになった
「ウォォォーン!!」
1頭の合図で魔物達は一斉にエルナに飛びかかる、エルナは剣を振り回すが抵抗虚しく魔物達に組み敷かれ、牙を突き立てられる
「痛っ!痛い!!あぁっ!!?」
何とか抜け出そうともがくが脚に噛み付かれた際の激痛で抵抗する力が一気に削がれ、首元にも牙が迫る
(嫌だっ……死にたくない……!!)
その時だった、突然炎を拳に宿した少年が飛び出し、魔物を殴り飛ばした
「ブレイズ・インパクトォ!!!」
「ぐぁぎァ!?」
吹き飛ばされた魔物は岩壁に叩きつけられ絶命した、それを見て残りの魔物は激昂し、少年へと向かっていく
「夕食前の腹拵えだ、かかって来やがれ!!」
少年は飛びかかってきた魔物の攻撃をひらりと躱し、踵落としで頭を蹴り潰した、続いて2頭突っ込んで来るが少年は2頭に突っ込み、両の拳に先程の炎を灯し、殴り飛ばして絶命させた
「おら最後はてめえだ、さっさと来いよ」
少年が魔物を挑発するが魔物は応じず、踵を返して走り去って行った
「はっ!腰抜けヤローが…って!?お前大丈夫か!?」
少年はエルナに気づいた様で慌てて駆け寄る
「うわひっでえ怪我…おい!お前!意識あるか!?おい!!」
「……ぁ」
エルナは何とか声を振り絞るが掠れた声しか出ず、そのまま意識を手放した
──────────────
「…………っ!?」
「お、目ぇ覚ましたか?ちょっと待ってろ、飯持って来るから…って、今食えるか?」
「……ぁ」
エルナが頷くと少年はドタバタと部屋を後にする
(ここは……あの子の家かな、部屋の作りからして結構大きそう…)
エルナが部屋を眺めながら待っているとまたドタバタと部屋の外から聞こえてくる、扉が開かれると少年だけではなく、3人増えていた
「お、これが例の怪我人か…割と顔が良いな」
「ほぉら言ったでしょ!確かめもせずにブスとか言いやがってこのオッサン!」
「うるせぇなてめぇら邪魔だ!メシ持ってけねぇだろうが!!」
「……ごめんね、五月蝿くって」
「……ぁ… 」
突然の事でエルナは呆然としていた
──────────────
「…ごちそうさまでした」
「おう!お粗末様!」
「オッサンが作ったワケじゃないでしょうが」
色黒で大柄な和服の男性がそう言うと緑色の綺麗な髪の女の子がそれを訂正する
「作ったのはオレだかんな!!」
「静かにしなさいよ…」
意識を失う前に私を助けてくれた黒髪で赤い目の少年が怒りを露わにすると猫耳で眼帯をした女の人がそれを諌める
「すいません、助けてくれた上にこんなご飯まで頂いちゃって…」
「良いんだよ、ガキがそんな事気にするもんじゃねぇ、まだ腹が減ってたら遠慮なく言えよ」
「あ、ありがとうございます」
エルナが礼を言うと思い出した様に黒髪の少年が手を叩く
「そういや自己紹介がまだだったな、俺はムー・レヴィアンテって言うんだ、よろしく!」
「あー!ずるい私が先言おうとしたのに…私はフィリア・アスティール!フィリアちゃんで良いわよ!」
2人が自己紹介すると和服の男性が立ち上がって自信満々に名乗る
「そしてこの俺が【剣聖】、ヤツヒコ・ミナギ様だ!よろしくな!」
「私はミーニャ・ミナギ、この人の妻よ、よろしくね」
「こーんな謙虚だがうちの嫁さんは【龍狩りの英雄】とか呼ばれてる凄いヤツなんだぜ!」
笑顔で自慢をするヤツヒコにミーニャは辟易する
「この人はほっておいて、貴女の名前は?」
「エルナ・グランフォードです、よろしくお願いします」
「グランフォード?もしやお前二ムスさんの娘か?」
ヤツヒコが反応するとエルナが問う
「お父さんと知り合いなんですか?」
「あぁ、昔海を渡ったばかりの頃に世話になってな!いやー懐かしい…ってそうだお前なんであんな山の中にいたんだ?しかも女二人で」
「それは…」
エルナが訳を話すと重い空気が流れる
「そうか…二ムスさんはお前を守って逝ったんだな」
「はい…」
「うぅぅ…」
エルナの話を聞いて涙ぐんだフィリアはエルナに抱きつく
「うわぁ!?」
「だいへんだっだのね゛ぇ゛ぇ゛う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん゛」
「鼻水垂らして抱きつくなフィリア!」
ムーがフィリアを引き剥がすとミーニャが服を拭いてくれる
「本当に騒がしくってごめんね、怪我もしてるのに…」
「い、いえ!大丈夫です!」
そう返した所である事を思い出す、アイカの行方だ
「あの…私が倒れていた時に一緒にいた女の子は…」
「あぁ、あの子はこの階の突き当たりの部屋で寝ているよ」
「そっか…やっぱり寝て…寝て?」
ミーニャの答えにエルナは驚く、あの時確認した限りではアイカは死んでいたからだ
「アイカ!生きてるんですか!?」
「あ、あぁ、生きているよ…というか急に身体を動かして大丈夫?」
「うっ!?いてて…」
その様子を見てガハハとヤツヒコは笑う
「んな喜んで貰えるんなら助けた甲斐もあったもんだ!まだ目を覚まさないが、直に目を覚ますさ」
「よ、良かった…」
「どうする?今すぐ会うか?」
ヤツヒコの提案にエルナは元気よく答える
「はい!」
エルナはヤツヒコの手を取りながらふらふらと立ち上がり、4人と部屋を後にする
廊下はとても綺麗に清掃されていてとてもぴかぴかだ
「おぉ……」
「綺麗っしょー?今日は私が掃除当番やってっからね!ふふん」
フィリアは自慢げに鼻を鳴らす
「凄いですね!結構広そうなのに一人でこんなに…」
「オマエだけじゃねぇだろ、オレも掃除やってっから綺麗なの!...っと着いたぜ」
そうして突き当たりにあるアイカの部屋へと到着する
「…よし」
息を整えてから扉を開ける、そこには眠っているアイカの姿があった
「…アイカ!」
私はふらふらとアイカに駆け寄り、ベッドにもたれかかった
「アイカ!私だよ!エルナだよ!」
「……」
ヤツヒコの話の通り、アイカは私の声に反応すること無く目を閉じている
「……アイカ、起きてよ」
涙が溢れそうになるがグッと堪える
「友達が来れば起きる…って簡単に行くわけないか、でも大丈夫だよ、命に別状はないからさ」
ミーニャの言葉にエルナは先程疑問に思っていた事を尋ねてみる
「そういえば、アイカの事はミーニャさんが治療してくれた…って事で合ってますか?」
「ん、あぁそうだね」
「私があの山でアイカに触れた時、アイカは息をしてなくてどう見ても死んでしまっていて、でも今は生きてて…一体どうやってアイカの事を助けたんですか?」
動揺するエルナにミーニャは
「んーそうだね…エルナちゃん、君は世界樹の霊薬って知ってるかな?」
「せかいじゅのれいやく…?」
「別名【蘇りの薬】、世界樹の葉を摘み、すり潰し、そして不死蝶っていう世界樹の根付近に生息する蝶の鱗粉と清潔な水を混ぜる…ってまぁ信仰の対象から素材を拝借するちょっとバチ当たりな霊薬なの」
ミーニャは胸ポケットから小さな小瓶を取り出す
「これを死後7時間以内に1滴投与出来れば蘇生出来るんだ、この子はギリギリその時間に間に合ったから投与したって訳…でもやっぱりすぐに全快って事にはならないみたいでまだ眠ってるって感じだね」
「まぁ確実な事は医師にでも診て貰わんと俺等じゃあ分からんのだが…ちと問題があってな」
「問題…ですか?」
「あぁ、ここはアグナ村っていうフルクレアって大都市の領地なんだがな」
ヤツヒコはカーテンで締めている窓へと向かう
(そういえば私の部屋や廊下、このアイカの部屋まで全部カーテンで締め切ってたな...なんでだろ?)
そしてヤツヒコが手をかけカーテンを引く、そこには衝撃的な景色が広がっていた
「なに...これ...」
エルナはその景色に絶望の表情を浮かべていた
魔法や武器の解説
ブレイズ・インパクト
ムーが放った魔法
拳に炎を纏わせ、接触と同時に爆発させる、接近戦での素早い発動を目的に考案され、魔法名を唱えるだけで発動できる




