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九十話

 手遅れになるのが一番の問題なのだ。ならば触ら無いでいればソレが起こる事も無いハズだ。


 だからこの中途半端に残されていた魔道具には関知しない事にした。


 したけれども。


「メーニャの行動できる範囲が狭まっちゃうね。とは言え、ここでどんな風に動こうとかは具体的には考えて無かったのだけれど。」


 そう、ここに戻って来たのはあの調査官がこちらにはやって来る事は無いだろうとの希望的予想からである。


 絶対に戻って来ない、などと言った保証は無いが、限りなく低いと言う結論で僕はこのマルートに戻って来た訳だ。


 バークの町へとあの調査官が来たと言う事はだ。


 このマルートで発生した商会同士の抗争は解決していると言う事なはず。


「ミーチェの様子をこっそりと確認してくるだけに今日は留めておこうか。今後の事はソレの後にゆっくりと考えよう。」


 こうしてマルートに戻って来た初日は様子見をする事になった。


 とは言ってもケルカム商会とブレッツ商会の争いが僕らが去った後にどの様な決着になったのかを知りたかったと言った点があった。


 なので僕は慎重に動く様にメーニャに伝えて早速町へと出かけて貰った。ミーチェとの接触をして貰う為だ。


 この抗争の中心人物の一人に話を聞くのが一番手っ取り早いから。


 とは言え、そこには危険も生じる。メーニャの存在がミーチェの父親、ケルカムにバレたらどうなるか、だ。


 こうなると向こうがどんな動きをして来るかが全く以って予想が出来ない。


 これまでに毎度の事にメーニャには無理しないで危ないと感じたら即座に戻って来る様に言っているのだが。


(どれ位の、どの様な危険をメーニャが不味いと判断するのかは分からないんだよなぁ。メーニャってば凄く優秀過ぎるからねぇ)


 ケルカム商会の会長の娘であるミーチェだ。そんな人物との面会などと言ったら、人族として正面から真っ当な手続きをすれば数日は待たされる事となるだろう。


 下手すりゃ取り次いでもくれはしないのでは無いだろうか。


 だけども僕らにはそんな事は関係無い。正々堂々と裏側からミーチェとの接触をするのである。


『魔王様、音声通信を始めます。』


 メーニャの優秀さを少しだけ不安に思っているその時に突然の声。どうやら新しく作っておいた音声通信用の魔道具をメーニャが使用したらしく、僕へと音声のみの連絡が入って来る。


「あーあー、聞こえているよ。ミーチェとの接触に成功したんだね。」


 映像と音声を両方繋げる事が出来る魔道具は今回使わずにおく事にしている。


 そしてやろうと思えば魔法で相手の頭の中へと直接に声を届ける事が出来る魔法も使えるのだけれども。魔法は便利過ぎる。


 あの調査官の事を意識して万が一を想定して「新しく」魔道具を作ってこうして対応しているのだ。


 怯え過ぎと言われてしまえばそれまでだが、あの調査官の底が全く分からない。


 なので今ここで新しくメーニャが作った魔道具になら「罠」を張り様が無いと言う事でこの様な事になっている。


(魔法を使用した残滓なんかを辿られて尻尾を掴まれる、なーんて、想像するだけで恐ろしいからねぇ。あぁ、背中が冷えるよ)


 こんなにもあの調査官を恐れるのであれば、ソレを解消する為にも積極的に動いて相手を知ろうとすれば良いのだが。


 ソレもソレで怖いのでしないのだ。無闇にこちらが動いたせいで相手に目を付けられるなどとなるのは御免だから。


 そんな事を考えていたら。


「お久しぶりで御座います。本日はどの様なご用件でコチラに?・・・できれば事前にお知らせを頂きたかったのですが。いえ、助けられた身で生意気な事を口にしてしまいました。申し訳ありません。」

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