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八十三話

 至って平和だ。何もする事が無いので当たり前だ。


 一応はメーニャにこの山の周辺の調査をお願いしてあるけれども。ソレも二日程度で終わった。


 かなりの範囲を調べてくれたらしいが、ソレでもそんな広範囲をたったの二日でやってしまうのだからメーニャは凄い。


 その結論としては周囲に人の住んでいる形跡は無し。この山へと入って来る様な者も見かけられ無いとの事。


 山へと繋がる道なども無いと言う事でここにやって来る様な人族は居ないだろうとの結論が出た。


 ここに来た理由はあの調査官から確実に離れる為だ。


 人が来ない場所、ソレを目指してこの様な何も無い辺鄙な所までやって来たのだから当然と言えば当然なのだが。


 いや、何も無い訳では無かった。この山の中には例の「魔神教会」が埋まっていた。


 見た目が教会っぽい、そしてその外観装飾の彫刻が禍々しいと言う事で便宜上ソレを「魔神」を崇める教会なのだろうと言う事でその呼び方をしているけれども。


 それは埋め直して無かった事にしている。だって厄ネタでしか無いと感じるから。


 なので今大事なのは僕らがこの山へと避難する元になった存在の事だ。


「あの調査官のその後の動きはどうなったんだろうね?王都に帰還の途中に立ち寄っただけって言うなら、今頃はバークの町から出て行ってるかな?」


「もしも呼ばれて町へと来ていたのだとすれば、まだ今暫く滞在すると思われます。」


「あの調査官が抗争の解決に首を突っ込んでればそうなるね。どっちなのかを探る事もせずにこっちに来ちゃったから何とも言え無いねぇ。さっさと王都に向かって戻ってくれていたら、その後ろを僕らはゆっくりと行くだけで済むんだけど。」


 あの調査官とは絶対に絡みたくない。そんな気持ちだ。


 もし僕らの事が見つかってしまった場合、物凄く面倒になる予感しかしないのだから。


 なので僕は先へ進む考えを止めてこうして隠れる事を選択した。


「あー、暇に殺されそうだ。隠れ続けるならここは物凄く良い場所なんだろうけど。何も無さ過ぎて時間を潰せる事案が何も無い。魔神教会の中には入りたくないし。」


 既に扉の位置も、その開閉スイッチの部分も把握している。


 なので気が変わって中に入ろうと思えば最小限で扉の前には行ける。


 その気になればいつでも、そう言った状況なのだ。


 だけども僕にはあの中へと入る気はサラサラ起きなかった。今も。


 幾ら愚痴で「暇に殺される」などと漏らしていてもだ。


「あれ絶対に罠か何かが仕掛けられてるよねぇ。何も無い、そんなの有り得ないって程に違和感しか感じなかったし。」


 入った瞬間に扉が自動で閉まって閉じ込められる。そんな事になったら脱出する方法を探さなくちゃいけなくなる。


 ソレにもしも、出る為の方法が一切無く、監禁、などとなる様な罠であったなら?


「何が待ち受けているのか全く分からないからねぇ。以前に入ったあのダンジョンの時とは状況も、何もかもが違う訳だし。」


 ダンジョンを攻略して自身を強化すると言った事も目標としてはアリだと以前に一考していたけれども。


 今回のこの「魔神教会」は謎が多過ぎるし、一切何も解明できていないのだ。


 そんな状態で安易に踏み込んで良い案件では無かった。


 メーニャも「何も分からない」と言っていたのだ。ならば危険を冒してまで調べ無くても良い。


 そもそも「ヤバそう」と思っているだけで、安全なのかも、危険なのかも判断が付かない現状だ。


 ならば放置、後回し、見て見ぬフリ、無かった事にしてしまうのが一番心の安寧を得られると言うモノ。


「あー、僕は後、何日耐えられるだろうか?」

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