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五十一話

 神が創ったダンジョン内だけで無く、外ででも規格外に体格の大きい生物には魔石が内部に有ったりするのだが。


 それからは力を得られない。何故かと言えば、ソレはその生物が長年生きて魔力を体内に溜め込んだ結果、集積して固まった只の天然物だからだ。


 そこに神の力の残滓やら「何たるか」などは含まれていないのだ。


 これらを吸収しても魔力だけ吸収する事になり、別段「力が上がる」などと言った事にはならない。


 だからこうして沢山の魔道具に利用したと言う訳だ。


 メーニャは万能だ。この様な物を作れる上に色々な知識を教えてくれもする。


 他にも僕のサポートに回って魔法の補助等も出来るし優秀過ぎる。


「ねえメーニャ?僕らの事をミーチェは父親に話したりしたかな?」


「いえ、その可能性は非常に低いと思われます。」


「それは何故?」


「魔族に助けられ、しかも保護されていたなどと言う話が広まるのは得策ではないからです。ソレがもし不特定多数、或いは幾ら親と言えども知られたりすれば、魔族からの密偵じゃ無いかと疑われるからです。洗脳、脅迫、恫喝、そう言った手段で操り人形にされているのではないか?その様な話が広がれば人族の社会の中で生きて行く事は非常に困難となるでしょう。それこそ、そんな話が世間の知る所となれば「狩り」が始まり、町は誰にも制御でき無い恐怖と嫌悪と疑心によって混沌の渦に沈むでしょう。ソレを察しない娘ではありません。」


「コワ・・・そこまでなっちゃう?でも、なるほど、そっか。そこまでは僕も気が回っていなかった。ちょっと悪い事をしちゃったかな?いや、でも、命が助かっただけでも儲け物なんだから感謝して貰いたい部分だね。黙っているだけで昔の生活を出来るんだからそのまま口を閉じていて欲しい所だ。」


 僕はブレッツ商会、その店が破壊されて行く映像を見ながらそんな会話をメーニャと交わす。


 そしてまだまだ疑問があったのでメーニャに聞いてみた。


「ねえ、ケルカムはコレのせいで捕まったりしないの?だってこれ、一方的にブレッツ商会を潰しに行ってるし?これ、法律的にバッチリ犯罪じゃない?」


「いえ、その点は解決している模様です。わたくしが活動している間に中央からどうやら役人を呼び寄せていた様です。その役人の下、許可を得て、或いは協力者としてのこの行動と言った形になっているのでしょう。」


「そいう所はしっかりと手回しはし終えてるのか。流石に私的な襲撃とはしなかった訳だね。直情的、感情的と見せかけて腹の中では結構冷静だったんだなぁ。」


 もしもミーチェが無事に戻って来なければ、ケルカムはそう言った下準備をせずに感情で突っ込んでいたんだろう。


 けれども僕らが関わった事で、そしてミーチェが無事に戻って来た事で頭も冷えて、徹底的にやれるだけの事をやった上でのこのカチコミであると。


「それにしてもこの人数、あれから雇った者たちを別に契約解除したりしていた訳じゃ無いみたいだね。先の事をちゃんと考えてたのかな?」


 ミーチェを帰したあの日、ケルカムは言っていたのだ。雇っていた「暴力を振るう役目」の者たちの契約を解除しなくちゃいけないとか何とか。


 だけども今見ている映像の分で判断するならばソレはされていない。


 だってブレッツ商会の店を武器を持った大勢の者たちが囲って「誰も逃がさない」と言わんばかりの包囲網が敷かれていたのだから。


 さて、店をこれだけ派手に壊されているのだからソレを阻止しようとするブレッツ商会側の兵がやって来てもおかしくはないハズであるが。


 ソレらはメーニャが既に綺麗サッパリ片づけてしまっているので店の中に居るのは普通の従業員ばかり。


 そんな者たちが怒りに荒れ狂っている店の破壊をしている職人たちを抑えられるはずも無い。


 破壊活動はまだまだ序盤、始まったばかりで「ここからが本番だ!」と言わんばかりな怒り狂う職人たちはその鬱憤を晴らしを止める気配は皆無だった。

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