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プロローグ

荒野のはずれにその谷はある。谷といっても切り立った崖があるわけでは無い、何万年もかけて風化していった川の名残が周辺の土地よりも低くなっているだけだ、そこに小さな集落があった。その名は「ホーミーバレー」、雨はめったに降らず、農作物の撮れない不毛の土地にも関わらず彼等その場所にこだわり住み続けていた。


集落には30人ほどの人が入れる教会がある。これでも谷で一番大きな建物だ。夜、太陽が沈み真っ暗な中、その教会には灯りが灯っている。そこには集落のほとんどの人間が集まっていた。人々は歌声を上げ楽しそうに踊りを踊っている。今日は【収穫祭】年に一度のお祭りなのだ


踊りが一通り終わって歓声が上がり、そして手を叩いて喜ぶ。中には踊り疲れて眠っているものもいるがみんな笑顔だった。その満ち足りている時間をぶちこわすように教会の外から怒鳴り声が響いた


「そんな勝手な事させるか!」

「ふざけるな!」


若い連中がケンカでも始めたのかと、大人達は心配して様子を見に行こうとしたその時


パン!


銃声が響いた。間髪入れずに女性の悲鳴が上がる。こんな田舎では銃声なんてめったに聞かない、教会の中の人々はその異常事態に動揺して動けなくなってしまった。女達は身を寄せ合って震えている。やがて教会の正面扉が音を立てて開いた


ギイィィィー


3人の見たことも無い連中が入ってきた。身なりはわりと綺麗で清潔感があるが、その手には銃を持っている。


「おお、みんないるな?大事な話がある、おい、場所あけてくれ」


おそらくリーダーであろう男がそう言うと、残りの2人が「下がれ下がれ」と銃でおどし、人々を奥へ追いやった


谷の中でもひときわ兄貴肌の男が文句を言う


「なんだお前たちは、今日は祭りの日だぞ!」

「うるせー、下がれったら下がれ!」


連中は聞く耳持たない。谷の女たちもしびれを切らして声を上げる。


「祭りに入りたいならもっと礼儀正しくしなよ」

「そうだ!急に入ってきて、なんだ」


パン!


リーダー格の男が天井に向かって発砲した。みんなその音に驚きいっせいに身体を縮める。すかさずその男が叫んだ


「うるせぇぇえ!祭りだ?それは何の祭りだ、言ってみろ」

「そ、……それは、」

「言えねぇなら、俺が言ってやろうか?」


さっきまでお祭り気分で踊っていた全員が下を向き黙る


「この谷で金が取れる、そうだろ?数年前、たまたま金が取れ始めた」


谷の人々の顔には焦りの表情が読み取れた。いったいどこからどうやって漏れたのか?そんな気持ちで一杯だった。そんな人々をの様子を見て下っ端の男が銃を向けてあおってくる


「たまたま取れたんだろ!?」


リーダー格の男は続ける


「金がな、そして今日は、そのお祝いの日だ」


リーダー格の男は鞄から巻物状になった羊皮を取り出すと高らかと読み上げた


「この土地は、今日からタートルヘッド様のものになった。借用人であるお前たちに選択肢をやる。直ちに返済してこの土地を出ていくか、さもなくば労働力の提供だ。選べ」


谷の人々はくってかかる


「そんな馬鹿な事があるかい!」

「むちゃくちゃだ!」

「ふざけんな!」


すぐに部下の二人が人々銃を向け黙らせると、リーダー格の男が文書に書かれていなかった提案をする


「3つ目の選択肢は死だ、これは俺としても避けたいところだが」


教会の中は静まり返り、谷の人々は絶望の中でうつむくしかできなかった。

そのとき教会の正面扉から老人がと子供が入ってくる。身なりをきちんと整えたいかにも裕福な印象の2人だった


「銃を下しなさい、おびえているじゃありませんか」



老人がそう言うと、リーダー格の男は「おい」と指示を出す


「ちなみにたまたま取れた金の採掘場所はどのあたりにあるんですか?教えなければひとりづつ殺しますよ」


それを聞いて女が一人立ち上がり、前に出る


「あんた、何も知らないで来たのか?」


老人は丁寧な口調で応答する


「たまたま取れた事は知ってます。でも知らない事は人に聞くようにしてまして」

「金は、谷に沿って東だ、行けばすぐわかる」

「どうもありがとう」


女はその場から下がらずさらに続けた


「場所はわかったんだから、あとはアンタたちで勝手にやてくんな、ここの人たちは解放してくれよ」


老人は少し驚いたような顔をしたが、すぐに笑顔に戻り話す


「採掘は今まで通り皆さんでやるんです。死にたくなければね。」


後ろの方で谷の男が声を漏らした


「そんなひでぇ」


老人は少し困ったような顔をして話し続ける


「見せしめに一人くらい殺しておきますか?こういう時は子供が一番なんですが」

「この谷に子供はいない」


女がくい気味にそう答える。老人はその顔をじっと見つめるとやがて納得したように頷いた


「そうですか、それは残念です。それじゃ今日のところは帰ります。お祭り楽しんで。


そう言うと老人達は教会から去って行った。





これがあの「攻めてる7人」と言われた事件の始まりである。

ガンマンジルの続編スタートです


とりあえずプロローグだけ早めにアップしようと思いまして。このあと少し時間がかかってしまうと思われますがご容赦下さい

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