属性
この世界では、生き物は皆属性を有しており、全部で“六つの属性”がある。
四つの元素である【火】、【風】、【土】、【水】から世界は構成されていると云われており
基本的にはその四つの何れかとされている。
火の属性を極めた者は、爆ぜる力を扱えるようになり
風の属性を極めた者は、雷の力も身に宿す
土の属性を極めた者は、草木の力を借りられるようになり
水の属性を極めた者は、凍てつく力も授かる
とされている。
そして、それらに属さない二つの属性が【聖】と【闇】だ。
聖の属性は稀で、傷を癒す力と闇を滅する力をもっている。
その属性を持つ者は、聖職者になることが自然な流れになっているが、逆に聖の属性を持たないものが聖職者になることは出来ない。
何より凄いとされているのが、危機を予知出来るというもの
村にも聖の属性を有する者は数人いるが、中でも聖の属性を極めた者だけが、予知能力も得ることが出来るのだ。
そんな聖職者が、謝肉祭で中枢の役割を担い、村人の代弁者として、神様に感謝と祈りを捧げている。
闇の属性は、生き物が有する属性にしては異端で、アンデッドと呼ばれる。
生き物は死んだ後に、何かが作用して偶に魔物化することがあり
それらは通常の攻撃で倒すことは出来ない。
身体を打ち砕かれようと構わず襲ってくるし、何より防御をせず捨て身で攻撃してくるので、とても強くて、最も危険な存在だ。
そんなアンデッドは、聖職者でないと完全に倒すことは出来ない。
と、属性についてはクラース族の族長であり、私の兄でもあるアゲット兄様が教えてくれた。
そんな属性には相性もあり、何かの属性に対して、有利と不利も存在している
四つの属性については、【火】→【風】→【土】→【水】→【火】という力の方向性があって
火属性は風属性に強く、煽られて力を増す
風属性は土属性に強く、岩を風化し、土を拐っていく
土属性は水属性に強く、水を吸収し、凍てつきもものともしない
水属性は火属性に強く、その勢いを消してしまう
と、これも兄様が教えてくれた。
二つの属性については、【聖】→【闇】という力の方向性があり、闇属性は底知れぬ強さと恐ろしさを持つが、聖属性に一方的に弱いという特徴がある。
(あとは⋯)
⋯あとは、おとぎ話の中でしか登場しない【光】
この属性は有している者を見たことがないし、伝承にしか残っていないので、今では伝説上の存在になっており、その為属性は六つしかないと云われている。
おとぎ話の中では、聖属性以上の癒しの力を持つとされ、力を解放せずとも瘴気を浄化し、闇を救う力もあるとされる。
そんなおとぎ話の凄い力の存在を密かに信じ、憧れを持つ私に対して、村の人達には笑われてしまうけど⋯
『あ、もうそろそろだ!』
そう兄様の教えを振り返っている内に、クラース村の入口に着いていた。
クラース村に近付くと、良い天気の日でも周辺には忽ち霧が発生し
村に近付けば近付くほど、その霧は濃くなって方向感覚を失う
これは、クラース族のご先祖様が遠い国から、この土地に移り住む際に、クラース族と村を守る為に施した護りの魔法なのだという。
クラース村の後ろには、雲を突き抜けそうな位に大きな霊木があり、その霊木を魔法の媒体にしているとのこと。
術者亡き後にも魔法は途切れず、今もこうして村を隠し護ってくださっている。
そんな深い霧の中でも、クラース族だけが方向感覚を失わず、村に入ることが出来るのだ。
私達が住んでいるアウラ島の隣、パトリア大陸では、今イーオン帝国という国が勢力を伸ばしており、どんどん拠点を広げているのだそう
前に兄様がこの島唯一の港であるアーク港で、イーオン帝国軍の船を見たと言い、その後に村の外で軍と何回か衝突した事もあるけれど
クラース族は常に勝利してきたし、村はこの霊木と魔法で護られている。
もしもクラース村に攻め込んできても、この加護の力がある限りきっと大丈夫だろう。




