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最終話 友達の輪

 「肇さん?起きてください!」

 「うん…?」

 「朝ですよ?」

 「そっか…おはよう」

 学校に行こう、ふと、カレンダーを見る。今日は三月の第三週、要するに…卒業式の日。色々あったけど、楽しかったと思う。最初はこんなに楽しめるとは思わなかった。それもこれも、全部笑夢が隣に居てくれたおかげだと思う。

 「笑夢、ありがとう」

 「何を言いますか!肇さんが頑張ったからじゃないですか?」

 「そうかな?」

 「はい!だって、頑張っている人にしか、私たちは微笑みませんよ?」

 「そういうものなのか」

 智一もひいひい言いながら受験勉強をしていた。ルトは顔色一つ変えていなかったけど、見えない所で頑張っていたと思う。だから、二人して大学に受かったんだろうな。

 「俺はさ、このままでいいのかな?」

 「どういう事ですか?」

 「大学にも行かず、普通に過ごしてていいのかな?」

 「どんな生活を望んでいるんですか?」

 「笑夢が居ればそれでいいんだけど」

 「だったらなるようになります!」

 「でもさ?怠惰な生活を送ってしまうんじゃないか?と怖くて」

 「怠惰な生活にはなりませんよ?向こうの仕事を手伝ってもらいます!」

 「ああ、そうなの?なら良かった」

 笑夢は首を傾げて不思議そうにしている。どういう反応が正解だったのかな?面倒くさそうにしてほしいって事?仕事をすることに嫌だ、とか言う感情は持ってないしなぁ…。

 「強いていうなら…怖がられないで済むからいいかな?」

 「なるほど…面白い答えですね」

 「じゃあ、行こうか」

 制服を着るのも今日で最後。家を出て、通いなれた道を進んでいく。桜が舞っていてとてもきれいだ……?後ろに気配が!!

 「おはよう」

 「おはよう…ございます、先輩…。」

 元気がないな…?何かあったのかな?美香が何かしたのか?可愛い後輩に何かしたなら許さないぞ!!

 「わたくしがそのような事をするわけがないですわよ?」

 「わぁ?」

 「なんです?その覇気のない驚きは…」

 溜息交じりに言われる。う~ん…そんなこと言ったって。どうせ居るのは分かっていたし。驚け!と言われる方が無理だ?

 「友達部がなくなる危機ですわよ?」

 「あ~…」

 「そうですね、どうしましょうか?」

 結君のみなんだよね、俺らが卒業すると。さて…どうしたものか。かといって、卒業式だから、時すでに遅し。

 「うちに遊びに来てもいいよ、全然」

 「え?!いいんですか?!」

 「うん?多分…ルトとか智一も来るよ」

 友達が出来れば別だけど。きっと会う頻度は今より減ってしまうとは思う。それでも、俺の事を忘れないでほしいな、と思う。

 「そんなに薄情な奴だと思ってたのか?俺の事」

 「うわ?!居たの?」

 「居るに決まってるだろ?な、ルト!」

 「そうだよ!うちも毎日来るよ?迷惑じゃ無ければ…」

 それはそれで問題じゃないか?!友達要らない宣言、今する?!嬉しいような、心配なような…複雑な感情だ。

 「遅刻しそうだから、急ごうか?」

 学校の門をくぐって、卒業式に参加する。卒業式は案外サラッと終わって、結局皆で家に集まる。

 「本当に、いつもと変わらないね」

 「大学行っても変わらないだろ?」

 「そうかもね?」

 「そういえば、友達部ってどうした?」

 「ああ、俺が噂を流しておいたぜ?」

 「噂…?」

 「そうだ!そのせいで大変な事が起こったんですよ!!」

 結君が憤っている。なんだ?!何をしたんだ?そんなに怒るような事をするとは思えないけど…?

 「ここに入れば恋人ができるって」

 「余計な事してるじゃん?!」

 「今さ、結が部長だろ?」

 「だから大変なんですよ…智一?」

 「お前…最後まで呼び捨てだな?それのお返しも兼ねている!」

 「うちらは出来てないけど…?」

 「そうなんだけどな?実はカップルだったのか?!ってなってた」

 「えぇ…すっごい被害受けてるじゃん」

 「そんなに嫌そうにする?!」

 卒業式の後だけど、こんなに笑いあえるなら…大丈夫だ。皆、本当にありがとう。これからもよろしくね。

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