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 「なるほどね。で?お前はどうしたいんだよ?」

 智一が俺の隣のブランコに乗ってぶらぶらし始める。どうしたい…それを決めかねているというか…なんというか。

 「正直言葉に出来ない思いがあった、多分…友達と言う存在が大きいんだと思う。」

 「友達…?彼女じゃなくてか?」

 「そう、彼女もでかい。でも、今すぐじゃなくてもいいなら…もう少し居てもいいんじゃないか?って。」

 そう、今すぐじゃなくていいなら。もう少し待ってくれるなら。友達と共有する時間を長く持ちたい。そう、考えてしまったんだ。きっと天界に行ったら、もう会えないと思うから。笑夢から直接聞いたわけじゃないけど、そうだと思う。

 「う~ん…彼女を優先した方がいいと思うんだけどな?」

 「なんで?友達もじゃないか?」

 「いやな?あれだけ尽くしてくれるいい彼女をお前はまだ待たせるのか?」

 まだってなんだよ。俺は皆ともっと一緒に居たいからそう思っているだけなのに…。そんなことを言われる筋合いはないだろ!

 「顔に出てるから!すっごいよ今?何人か覇気で人が倒れるぞ?」

 「え、そんなに顔に出てた?」

 「うん、思ってる以上に出てるからな?」

 「そっか…」

 「俺らだって一緒に居れるならそれがいいんだ。だけどな、一生会えないわけじゃないかもしれない。」

 「いや…一生会えないかもしれない」

 智一は一瞬首を傾げて困った顔をした。当然か、もう会えないかもしれないなんて、言われることはないから。

 「それならよ?どっちなのかもう決まってるんじゃないのか?」

 「決まってないよね…?」

 「だってよ?会えないかもとか、向こうに行ったら、とか。言葉の節々に感じるぜ?」

 「そりゃ…そうだよ?」

 「彼女の方を選ぶ選択肢を無意識に選んでるじゃん?」

 そう…なのか?別にそんなことないと思うけど…?無意識に引っ張られてるって事?でもそうか…この状況、環境を作るのを手伝ってくれたのは笑夢だ。いつもサポートしてくれたのは笑夢だ。

 「そうかも…しれない。」

 「だろ?じゃあ、もう決まってるじゃんか?」

 「本当にいいの?」

 智一は首を縦に振りながら、腕を組んでいる。なんか貫禄出してるんだけど…同い年なはずだよな?ちょっとだけ、年上に見えてきた。

 「友達の事を応援しない友達は友達じゃない。」

 「智一…かっこよすぎないか?」

 「あはは、そうか?かっこいいだろ?俺、モテないんだぜ。」

 「いや、きっと女の子を呼ぶよ…こっちに。」

 天使は行き来できるはずだから。俺は特例で向こうに行くからきっと行き来は出来ないだろうけど。天使に智一はかっこいい奴だ、と言おう。ハーレム作ったら神がお怒りになるから、一人だけ…ね。

 「じゃあ、やっぱり来れるのか?」

 「さぁ?俺も良く分からないんだよね。」

 「なんだよ、それ。」

 「どうなんだろうね。」

 決まった、笑夢と一緒に行こう。どんな時も一緒に居てくれた笑夢だからこそ、一緒に生活できるし、長い間ずっと一緒に居たいと思ったから。どうせ、やりたい事なんて笑夢と生活するか、友達と一緒に遊ぶか、しかなかったし。あれ、これって俺…結構やばい事言ってないか?

 「ありがとう、智一!」

 「おう、またな!」

 智一の存在は本当にありがたい。自分で考えて答えが出ない所を、カバーしてくれる。言葉が出ないのに、相手の事を思いやってくれている。お母さんがいい人だったもんね。

 家に帰り、笑夢を呼ぶ。きっともう俺の心の中を読んでいるだろうけど。口で伝えよう、本当に大事な事だから。

 「卒業したら、天界に行くよ」

 「っ、いいんですか?」

 「うん、さっき話して来た。すっきりしたよ」

 「そうですか…ところで天界に行ってもこっちに来れますよ?」

 「天使だけ…でしょ?」

 「いえ、肇さんも」

 「……はぁぁぁぁ?!」

 嘘だよな?!俺、あんなに真剣に相談したんだよ?いや、これは喜ぶべきか?嘘じゃない方がいいか…?どうすればいいんだ?!

 「そんなに身構えなくても…。」

 「それだったら別に今すぐにでも行っても良くない?」

 「え?そうだったんですか?」

 そりゃ…そうだよね?もう帰ってこれないと思って悩んでたし、友達もせっかく出来たのに、とかあれやこれや考えてた。全部無駄だったの?!じゃあ、最初から笑夢に相談すれば良かったじゃん。

 「ふふ、前にもこんな事ありましたね?」

 「そうだったね。前とは状況が逆だけど…。」

 前回は笑夢に相談して欲しかった。今回は笑夢に相談すれば良かった。逆転の現象。うん、似た者同士って事なんだろうね。

 「似た者同士はうまく行かないって…こういう事なのかね?」

 「どうなんでしょう?でも、私達は喧嘩はしないですから」

 「笑夢が怒らないで居てくれるからじゃない?」

 「どうでしょう?肇さんも寛容なのでは?」

 「う~ん…笑夢がしたことなら大抵は許せるし、そうかもね!」

 二人で笑いあう。あぁ…なんだ、安心したよ。天界から来ることが出来るなら。残りの学校生活を満喫しよう。

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