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 「お前って面白いんだな!」

「もっと喧嘩ばっかで怖いのかと思ってたよ!」

 え、だから何?!怖いんだけど?また…笑夢が何かした?もしかして記憶とかいじっちゃった?笑夢と俺は何故か輪の中心に居る。笑夢、後で何したか教えてもらえるかな?笑夢は俺の顔を見て頷いた。

「二人は仲がいいの?」

「良いですよ、とてもとても!」

「う~ん?そうなのかな?」

「ひどいじゃないですか!あんまりですよ!」

 でもさ、良く考えてみてよ?何回でも言うよ?昨日今日知り合った仲だよ?まだまだだと思うんだけどなぁ…。クラスメイトは漫才でも見ているかのように笑っている。確かにね、笑夢様様ではあるけど。

「二人の事なんて呼べばいいかな?」

「肇と笑夢でいいですよ?」

 え、俺も?なんか転校生みたいな扱いになってる!!元々居たのに!いや、名前を覚えようとしてくれるだけ有難いか。谷古宇の名前はきっと悪い意味で一人歩きしているだろうし。

 始業のチャイムが鳴り、教師が教団に立って声を張り上げる。笑夢は急ごしらえだから教科書とか持ってないよな。俺は席をくっつけて笑夢にさりげなく教科書を見せる。笑夢はにっこりしながら頭を下げて「ありがとうございます」と呟いた。

 放課後になり、笑夢は部活動の見学に連れていかれる。何故か、俺もセットで。お子様ランチに付いてくるおもちゃみたいな感覚なんだろうな。色々な部活動を見て回るが、なかなかしっくりこない。

「う~ん…」

「ダメですかね?友達を作るチャンスではありますよ?」

「これがやりたいって感じじゃないからね、迷惑かな?って」

 笑夢は口元に手をやって考えている。部活動が一番手っ取り早いのかな?どうも部活動に対してのイメージは青春の汗を流す!という感じがする。う~ん、難しいな。

「帰ってじっくり考えようか?」

「それもそうですね!夕飯の支度をしないとです、あ!明日からお弁当を作りましょう!」

「え?そんなに負担してくれて大丈夫なの?」

「はい!死なないので!」

「ブラックジョーク…?!」

「そうでしょうか?」

 嫌じゃん、過労死とか騒がれてる世の中だよ?死なないから無茶するとかはできるだけやらないでほしいな。でも…何かしてくれるって本当に嬉しいんだよな…。笑夢の方を見ると首を傾げていた。

「ならいいじゃないですか?」

「うん…?いいのかな?」

「はい!肇さんを好きじゃないとやらないので!」

「う…うん。」

 照れるな…。面と向かってしっかり告白されるのは…。俺も帰って準備を整えないと…デートは週末に行くとして…何処がいいだろうか。高校生のデート…?遊園地、映画館、ショッピング…水族館。そんなに案が出ないや。

 笑夢と一緒に駅まで歩いていく。駅は閑散としていて、誰もいる気配がない。別に田舎って訳じゃないと思うんだけど。笑夢は「性別替えてきます」と言ってトイレの方へ行った。パワーワードが聞こえたような気がしたけど。待ち時間にスマホを使ってデートについて調べていた。

「万物を知る者に喜んでもらえるデート…?」

 無理じゃない?映画はネタバレされ放題、水族館は全ての生き物を知っているし、ショッピングってもはやいつも通りだし、笑夢は姿を自由に変えられるし。遊園地…か?テーマパークでもいいかもしれない。

「お待たせしました、悩んでますね!」

「うん…想像以上に難しいよ…」

「良いですよ、テーマパーク!人込みは大丈夫ですか?」

「まぁ大丈夫だよ、笑夢が居れば」

「あら!嬉しいですね!ずっと隣に居ますよ!」

「その言葉は流石にまだ重たいよ~。」

「でも、天界に来てくれるって言ったじゃないですか?」

「そう…だね?」

 確かに…言った。ノリと勢いなんて言うつもりはない。少なくとも俺には魅力的に思えた。人間と話すよりも、最初から好意を持ってくれる天使の方がいいし。でもまだ、気持ちの整理がつかないよ。

「どう?伝わったよね?」

「はい、そうかもしれないですね!多少なりとも気持ちは動いてくれている、と。」

「かもしれないね」

 目の前に来たガラガラの電車に乗り込む。家の方に帰る頃には少しだけ暗くなっていた。隣を歩いていた笑夢は途中で「あ、そうですよ」と言うと俺の方を向く。

「買い物しないと!」

「え、ああ、じゃあ行こうか」

「はい!」

 笑夢は女性姿で制服のままスーパーに寄って、食材を調達する。スーパーに到着して中に入ると、何やら噂になっていたようで店長が挨拶に来た。昨日の笑夢の行動で、売れ残りが減って喜んでいたらしい。

「それは良かったです!捨てられる食材なんて、本来はあるはずないのですから」

「そうですな、耳が痛い話です。良ければまたしていただけますかな?」

「ええ、いいでしょう!」

 胸を張る笑夢。店長はニコニコ笑顔で俺らに「貴方たちの事は従業員に話しますので、会計を割引いたしますぞ」と言ってくれた。恐るべし、天使効果。良い事をすると、返ってくるんだな。

 笑夢と買い物を終える。またしても、俺らの後はレジが混雑していた。多分…従業員にとっては厳しい事になるだろうな。

「そうはならないですよ?」

「え?!な、なんで?」

「従業員は自給アップだそうです」

「はぇ…笑夢効果は凄いね」

「そんな、褒めても何も出ませんよ?」

 色々出てるよ?買い物は安くなるし、学校での好感度は上がるし、家事もしてくれる。本当に、ありがとう。

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