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 雑談を続けていると、呼び鈴が鳴る。結君が到着したようだ。結君を招き入れて、改めて会議を始めた。

 「どうする?どこに行きたい?」

 「滑れればどこでも変わらないと思いますわ?」

 「そうなのかな?」

 「多少雪質によって左右されることはありますけど…アイスバーンの場所はおすすめ出来ないかもしれないですね」

 「アイス…バーン?」

 「必殺技か?!かっこいいな!」

 「必殺技ですか?!いいですね、憧れます!」

 「そんなわけありませんよ、凍った地面の事です」

 「痛いだけ、と言われるのもこれが原因ですわね」

 「じゃあ、常に雪が降ってる地帯がいいのかな?」

 そんな場所、どこに行けばある?今回はかなり遠出しないといけないのかな?財布に優しくあって欲しいけれど…。

 「傾斜が緩くて、コース幅が広くて、雪が多め…。」

 「あそこしかないですわね?」

 「あるんだ?!」

 聞けば電車で一時間程の所にあるらしい。この町はどうにも便利が過ぎる気がする。海も行けて山も行けて。

 「そこでコテージでも借りればいいですわ」

 「そうですね、それがいいでしょう」

 案外ぬるっと決まってしまった。いつもサクサク決まっていくから、あんまり悩まないんだよね。悩んで決めるのがだいご味なような気がしなくもないんだけど。

 手を横にスライドさせたら、何かに手が当たる。あ、お土産か。そういえば…あんなに騒がしくしていたけど、ちゃんと買ってきたんだった。

 「はい、お土産だよ」

 「いいんですか?!肇先輩!」

 「あ、うちもあげる!」

 「わぁ!嬉しいです!」

 「俺は…忘れた!」

 「期待していませんでしたよ、智一」

 「なんで俺には辛辣なんだよ!!お前一応後輩だろ?!」

 「お土産くれない人を先輩とは言わないです!」

 「お土産って…そんなに大事なのかね?」

 智一はとほほと嘆く。お土産くれたら先輩なのは…ちょっと面白い。もし、智一がお土産をあげていたら…先輩に格上げされたんだろうな。

 「うちらであんなに見て回ってたのに…買ってないの?」

 「家族にだけ買ったわ」

 「多少多く買わない?」

 「うん?自分で食った!」

 自分用のお土産多く買う人か…。でも、分からなくないな。食べ物のお土産って買ったら期限ついているから、渡す機会がないと食べちゃうよね。うん。

 「多分関係ないですよ?」

 「そうなの?」

 「え?何が?」

 「期限がついているから自分で食べたわけじゃなくて?」

 「そ、それだ!」

 「あぁ…もう分かった。」

 「そんな残念なものを見る目で俺を見るな!!」

 智一…残念だがこれは庇いきれない。でも、お土産ってそんなに重要なのかな?確かに買って行ったり、来たりするけど。

 「日頃の感謝などを伝えるために渡すものですから…必要ではありますよね?」

 「そっか、それなら渡した方がいいね」

 「ああ…俺の評価が地の底まで落ちていく…」

 「智一は日ごろから誰にも感謝していない、と。」

 「そんなこと…ない…し。」

 「嘘だよ、そんなに真面目に受け取らなくても大丈夫だよ」

 「本当か?!」

 「多分…友達として付き合っていく間はネタとして擦らせてもらうけど」

 「おい!!それ後何十年擦るんだよ!」

 「丸くなるまで擦り続けるよ?」

 「それはそれで怖いが…?分かった、今度から買うから!許して!!!」

 智一は頭を抱えている。そんなに気にしなくてもいいけど、面白い。でもきっと、社会人になったら、こういう気配りが必要になるんだろうな。

 「よし、場所も決まったし、解散にしようか」

 皆“はーい”と言ってそれぞれ帰宅していった。笑夢と二人きりになったら、修学旅行の時の事を思い出して、恥ずかしさを感じる。

 何を喋ればいいのか分からなくなってしまったよ…。今までどんな感じで喋ってたっけ?何を…どう喋れば…。

 “普通に喋ればよかろう?何を悩んでいる?”

 「?!」

 “ははは、いつでもここに居ると思え!”

 意地が悪いな…普通の登場出来ないの?!笑夢もぎこちない動きしてるじゃないか!どうなんだ?神よ…何をどうすればいいんだ?

 “分からん、小僧の好きなようにせよ”

 「使えない神だ…」

 「なんだと?」

 「うわぁ?!」

 「不敬罪だぞ?」

 「神に人間のルールは適応されるのか?」

 「う~む…しないな!」

 「笑夢も何とか言ってやってよ…」

 「な?!なんで私に振るんですか…」

 いつもと違うな…さては久しぶりで緊張しているのか?そうなんだな?

 「小僧が急に話しかけたからだろう?私の所為にするでない!」

 「え?なんで?」

 「さっき自分で言っていたのを忘れたのか?」

 「ああ、あれね?」

 「お前…心が読めるのを忘れていないか?」

 あ~…あ。俺のが移ったか。二人だけって意識すると…なんかね?あるじゃん。キスを思い出すって。

 「二人して顔を真っ赤にしてな?面白いぞ?もっとやれ?」

 「出来るか!!」

 「おお、いいツッコみではないか!」

 このおちゃらけ神様め…。

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