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 昼食を終えて二つ目の場所へ向かう。何やら笑夢と美香はかなり乗り気ではないらしい。何が嫌なんだろうか。なんでも知ってるはずの二人が嫌がる程の何かがあるんだろうな。

 15時頃に到着する。古民家が立ち並んでいて、石畳の道が敷かれている。タイムスリップしたような感覚に襲われる。なんか…感動するな。こういう古い町並みってなんで…美しく感じるのだろうか。

 笑夢と美香は相変わらず着いた段階で警戒している。どういう事…?古都だけにちょこっと警戒…ごめん、無かったことにしてください。

「肇さんつまらないギャグ言ってる場合じゃないんですよ」

「やっぱり聞こえてたじゃん…」

「そうですわよ、ここは怨念が渦巻いていますの」

「え?バトルするの?」

「場合によっては…ですけど」

 うん?ラブコメって聞いたけどな?バトルシーンは苦手なので…手短にお願いします。本当に。

「それは私達には関係ありませんので!」

「あ、言うことを聞いてくれそうですわね」

「何とかなりました」

「なんだ?陰陽師とかに憧れた口か?俺も分かるぞ~」

「うちも分かる!かっこいいよね!陰陽師!」

 二人は何もわかっていないな…。この二人本物だから…あ、別に陰陽師を偽物と言うわけじゃないけど。相当な数見えてるんだろうな…。何やら寒気がする気がしてきた!!わぁ…怖い!

「全然怖がってないですよね?寧ろ…面白がってます?」

「マンネリ対策?」

「もう一度言いますよ?私達には関係ありませんよ?」

「そんなにここは危なかった?」

「そうですわね…数万は居ますわよ?」

「……は?なんて?」

「だから、数万は居ますわよ?」

「この町の住民殆ど…」

「いえ、干渉出来る程の強さを持った者はいませんよ?」

「ただ、結果を知りたかっただけですわね」

「もしかして…戦の?」

「ですわね」

 そうか…それで彷徨っていたんだ。悲しいよな、そりゃ。国のために!って戦争に駆り出されて、人間を切り捨てなきゃいけないなんて。自国のために、己を捨てろって。俺だったら絶対嫌だ。

「現代だとそうかもしれないですね」

「本当になんの話してるんだ?」

「もしかして…本当に居たの?」

 ルトと智一が震えている。笑夢と美香はにやりと笑った。わ、悪い攻撃しようとしてない?

「私達には見えますからね」

「数万程いましたわよ?」

「ひぃぇぇぇぇ!」

「そ、そんなに居たの?!うち…駄目かも。」

「やりすぎ、やりすぎ…って言いたいけど、本当の事なんだよな…」

 ま、俺には見えてないけど。二人が見えているならそうなんだろう。二人は人間とは違う生き物だから…。

「とりあえず一周します?」

「そうですわね」

「わぁ…悪いな~。」

 二人ともガクブルだよ…。これ、歩けるのかな?あ、二人で支えあって歩いてる!いいね、頑張って!

「肇さんも怖がってくださいよ?」

「俺も寄り掛かった方が良かった?」

「そうですわよ、わたくし達で懸命に怖がらせましたのに」

「今男性だからさ…ちょっと流石にね?」

「そうでした…。」

「そんなに落ち込まないでくださいまし?まだチャンスはありますわよ?」

「修学旅行中は少なくともないか…いや、待ってください。ありますね」

「もしかして…途中でチェンジしてこないよね?」

「そうです、それがあります」

 本気だ…。ここまで本気になってくれるのは嬉しいけど…。嬉しいから、いっか。これもまた思い出になるだろうし。

 一周し終えてまたバスに乗る。宿に着くころには17時になっていた。古都の近辺ではなく、次の目的地に近い場所に泊るみたいだ。

 一般的なビジネスホテルみたいな感じなのに、部屋は全て和室で、面白い作りをしている。修学旅行生とかをメインに相手している宿なのだろうか。各部屋に担任がプリントを配りに来る。

「18時夜食、19時風呂、22時就寝?」

「風呂を早めに済ませれば部屋で何かできるかな?」

「俺は!枕投げがしたい!」

「う~ん…トランプとかにしない?」

「枕…な…げ…した…い」

 智一が明らかにテンションダウンする。ただ、何を思ったのか復活して「トランプでも可!」

 と騒ぎ出す。なんだ、今の落差。明らかに何か企んでいるな?

「何を企んでいるんだ?」

「い、いや?何も?」

 口笛を吹いてそっぽを向いている。何をしでかそうとしているんだ?!トランプでそんな企む事なんてあっただろうか…?

 夜食のバイキングを堪能して風呂を済ませる。部屋に帰ってきた智一と俺と笑夢。男性陣は風呂に入る時間は比較的短めだ。笑夢を男性にしていいかどうかは分からないけど。

「さっきの話だがな?」

「うん?」

「おかしを掛ける!」

「……はい?」

「バスの中で食べようと思っていたお菓子を掛けて勝負するんだ!盛り上がるだろい!」

 ……盛り上がる、か?多分…盛り上がってるのは、智一だけ。まぁ…乗ってあげてもいいけど。智一が面白そうならそれで。楽しみにしていたんだろうな。修学旅行を。

 「まぁ、やるか。」

 「女性陣を待たなければ!」

 「どうしても総勝ちしたい…と?」

 「そうだ、きっと行ける!」

 その自信はどこから湧き出てくるんだ…?!大体笑夢と美香相手にトランプで勝負挑むとか…自殺好意だぞ?!

 「受けて立ちますわよ?」

 「行くぞ!!」

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