表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/61

好転の兆し…?

 体中がバキバキの状態で目が覚める。首とか腰とか、節々に痛みを感じる。ベッドで寝ないだけでこんなにも体に負担がかかるんだな、と少しだけ後悔する。幸いにも、両親から仕送りしてもらっているお金が残っているため、寝具を何とかすることはできそうだ。

 それにしても…良い匂いがするな~?なんの匂いだろう?ベッドの方を見ると、笑夢の姿がなかった。夢だったら…少しだけ悲しいな。そう思い、扉を開けてテーブルを見ると、朝食が用意されていた。

「うわぁ…すごい」

「あら、起きましたか?おはようございます!」

「おはよう、本当にありがとう」

「いえいえ、貴方のために、好きでしていますからね!」

 昨日今日の関係なのに…ここまでしてくれるのか。申し訳なくなるよな…。俺も何かしてあげられることはないかな?

「でしたら…デートでもしてください!」

「あぁ、読めるのか、慣れないな…いいよ」

「嬉しいです!ありがとうございます!」

 満面の笑みで頭を深く下げる笑夢。それ、俺がする方なんじゃないだろうか?デート…か。どこに行けば喜んでくれるだろうか。そもそも、経験なんてないし。どうしよう…全然決まってないのに緊張してきた。

「それより…時間大丈夫ですか?」

「大丈…?」

 時計を見ると、いつもの登校時間が差し迫っていた。まずい、用意された料理を急いで食べる。どれも美味しいのは変わらずだ。食べ終えて、制服に着替える。

「そういえば…鍵はどうすればいいですか?」

「鍵…?必要?」

「はい!ちょっとしたサプライズを用意しましたので…!」

「な、何?まぁ…玄関の戸棚の上に合鍵があるはず」

「分かりました!」

 なんだろう…不気味なんだけど。きっと買い物に行ってくれたり、掃除してくれたりとかかな?ていうか…当たり前のようにここに住む事が決まってるな。とりあえず…遅刻する!!

 急いで玄関の扉を閉めて、駅へ向かう。学校へ行くためには、電車に乗って30分程行かなくてはならない。電車に乗り遅れると…遅刻確定だ。

「ふぅ…」

 何とか校門まで到着する。まだ少し余裕がある、けどやることもないか。教室までゆっくり進む。教室の前に来ると、中は相当賑わっている。俺が入っても続けばいいんだけどな。ゆっくり扉を横に引く。教室は俺の顔を見るなり、静まり返った。

 とほほ…俺何かしたっけ?皆、話してていいんだよ?自分の席に着いて窓の外を眺める。鏡に少しだけ映る自分の顔を眺める。怖い…かな?怖いのかな…。はぁ…早く終わらないかな。

 前の扉を引く音が聞こえる。教師と一緒に転校生らしき人物が入ってくる。うん?転校生…?高校で?珍しいな。耳にかかるぐらいの黒色の髪で、整った顔立ちをした男。身長は日本人の平均的な高さ。それにしても…どこかで見た事あるな…?

「はい、転校生が来たので紹介します、どうぞ」

 担任はチョークを転校生に渡す。転校生はゆっくりと黒板に名前を書く。天使笑夢(あまつかえむ)…?まさか、笑夢?そんなわけないよな?えっと…サポートって学校に潜入してきて直接って事?!

「天使笑夢と言います、よろしくお願いします」

 そういうとペコリと頭を下げた。頭を上げた時、俺と目が合った。いや、待て。まだ決まった訳じゃ無い。目が合ったし、サポートとか言ってたけど。転校生はこっちに歩いてきて俺の隣の席で止まって振り返る。

「先生、ここしか空いてないからここですよね?」

「え、ええ。」

「分かりました。」

 隣に転校生は座る。俺に耳元で「来ましたよ」と言った。あぁ…やっぱり笑夢じゃないか!でも、声色まで変えられるんだ。男性と女性の中間ぐらいの高さの中性的な声色をしている。編入とかもしてくるとか…なんでもありじゃん。

 休み時間、笑夢は凄い数の生徒に囲まれている。質問が山のように飛んできているのにすべてさばいている。ていうか、高校生の設定作ってきたんだ。ていうか、俺の席…元々隅っこなのにさらに隅っこに追いやられてますけど。

「何か部活とかやってたの?」

「いや、何もやってないですよ?」

「はいはい!彼女とかは居ましたか?」

「いえ、いませんね」

 どうしようかな?席立とうかな。流石に、邪魔だよな。これだけ人が集まってきたし…。俺が席を立とうとしたら突然笑夢が「あ、待ってください!」と呼び止める。え、今話しかけたらまずいんじゃ?

「肇さん?どこに行こうとしているんですか?」

「いや、俺…邪魔かなって?」

「いやいや、そんなことはないですよ?」

「そ、そうかな?」

 皆がざわめきだす。親しそうに話してるとか転校生と知り合い?とか。色々聞こえてくる。う~ん、良くも悪くも目立ってるんだけど。ていうか俺にどうしろと…?何か面白い話でもしろって事?

「リラックスして~…」

「ふぅ…」

「今です!」

 顔を上げてにこっと笑う。って何させるんだよ?!ていうかなんのギャグ?これ?クラスメイトは何故か大爆笑している。え、分かってないのって…俺一人だけ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ