(6)
笑夢から古都についての説明を受ける。最初に向かう所は、神社やお寺が密集している地域。何故密集しているかって?それぞれの宗教のために建てたらしい。実際、色々な宗教が絡み合って複雑になっているとか。
二つ目、民衆が暮らしていたとされる町。そこは、焼き討ちにあい、今はもう存在していない。ただ、町おこしの一環で当時の建物の様子を再現してあるみたい。
三つ目、戦が行われていたとされる戦場。今はもう跡形もないみたいだけど。ぐるっと一周するらしい。
四つ目、お城と城下町。当時から代々営んでいるお店、修復された城を見ることができる。街並みは当時のものを出来るだけ維持するように進んでいるため、古都らしい光景を見つつ、お土産を購入したりできるようだ。
「思ったんだけど、結構大掛かりなんだね」
「ええ、そうですね」
「足が疲れてしまいますわね?」
「まぁ…楽しみだけどな!」
「うち…歩けるかな?」
これに自由時間も歩きでしょ…?一日あたり何万歩と歩くことになりそうだな…。昼飯を挟んでいるから、ご飯を食べる!みたいなことにもならないだろうし…。う~ん、難しいなあ。
「座禅を組む体験とかもありますけど、どうします?」
「一生叩かれるじゃん!!」
「そうですか?」
「足引き釣りながら逃げるよ…」
一日中歩き回った足を酷使するのは可哀そうだ…主に俺の足が。足に負担が無いコース選択をお願いします…。
「若干飛ぶ…とかですかね?」
「もう…発想が飛んでます」
「じゃあ、皆さんに負担が無いように組んでおきますね?」
「わたくしも案を出して差し上げましょうか?」
「要りません、私だけで完結できますので」
「いやぁ…楽しみだ!」
智一…君は楽しみだ!しか言えないボットになってしまったんだね…。可哀そうだ。でも、そうだな。本当に楽しみではあるかな。
「ちなみに、中間テストがありますので」
「と…言いますと?」
「赤点あると、補習で残ることになります」
「ざ、残酷すぎる!!」
翌日から、全員でテスト勉強をすることになった。結君も一緒だ。俺らに教えることは出来ないけれど、俺らが教えることは出来る。ただし、俺と智一は無理。実質…ルト、笑夢、美香の三人で全員をサポートしてくれていた。
中間テストは無事全員でクリアできた。ルトと笑夢と美香は相変わらず上位…と言うか三人がトップ⒊。俺は中間より上位、智一は…ギリギリ回避。なんやかんやで、修学旅行前日になった。
「で…なんで全員居るの?」
家でくつろいでいる全員に話しかける。前日から来ちゃったの?楽しみなのはわかるけど…さ?ね?ここ、そんなに広くないのよ。
「部室だからな?」
「いや、まぁ…分からなくないけど。」
「うちはあんまり家が近くないから!」
ルト…元気がいい返事だ。まぁ、いいか。これはこれで楽しいわな。うん。結君も居るし。布団…どうする?笑夢さん…布団…。
「分かってます、持ってきました」
「用意周到、天才か!」
「それほどでもあります」
「謙遜は…(天界に)置いてきたのね…。」
前に泊ったことあったよな…?あの時買わなかったっけ?そういえば、なんで三個布団があったんだ?俺、笑夢…二個しかないよな?
「あれも持ってきていましたので」
「ええ?!そうなの?!」
「はい、そうですよ?」
そうだったんですか。なるほどね。そういえば…最近布団が柔らかくなって、寝つきが良くなった気がしてたんだけど…全部入れ替わってたりするか…?
「そこでイチャイチャしてないでくださいまし?」
「なんです?邪魔しに来たんですか?」
「貴方まだ“男性”の姿ですのよ?」
「それがどうしたというのです?」
「肇様が嫌じゃないのですか?」
「お、俺?俺は別に嫌じゃないけど?」
笑夢は笑夢だし。まあ…確かに気にはなるんだけど。なんだろうな、思った以上に偏見があるみたい。俺自身も嫌な思いしているから、こういった偏見は取り除かないといけないんだけどな…。ルトがこっちをじっと見つめているし。あれは、流石に…気になるかな?
「そうなんですの?ではわたくしも男性の姿になった方がよろしくて?」
「今からなるのはまずいでしょ?!」
「どうしてですの?」
「貴方…自分の事を公開していますか?」
「いえ…そういえば何も。」
「ちゃんと正体を明かしてからやった方がいいよ?」
「では、ここに居る皆様に…」
「待て待て待て!!!」
何でそうなる?!もう…寝ようよ?明日早いんだから…。でも、どうなんだろう…。皆に明かした方がいいのだろうか。俺は別に天使じゃないけど。




