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 はぁ…最近すごい疲れるな。色々非現実的な事が起きているからかな?それとも思考を巡らせているからかな?どれも全部か…。

 今までは帰り道が一人だった。それが二人になり、三人になり。自分以外は天使なんだけど。

「何か悩みがありまして?」

「うん、二人の事なんだけどね?」

「私も入ってるんですか?!」

「そうだよ…?」

 二人のおかげであり、二人の所為でもある、複雑だ。別に拒否したいわけじゃないのに、拒否をしなくちゃいけないのだから。

「まだ悩んでらしたんですの?」

「いや?決まってはいるよ?心苦しいというか…心労が…。」

「新郎になるから心労がかかっていると?」

「うまい!……違う!そういう事じゃなくて!」

 断らなきゃいけないという負担が大きい。かといって…二人同時は無理だ。好きと言ってくれるのを断るのは…俺が一生引きずりそうだ。

「気にしないでくださいまし?」

「え?」

「肇様には選ぶ権利があった、それだけですの」

「そうですね、私もそう思いますよ?」

 二人は笑顔で俺を見ている。そっか…長引かせているのも相手を思えば良くないか。元々笑夢との未来しか考えていなかったわけだし。

「わたくしが一歩遅かっただけですの…」

 美香は悔しがって、ハンカチを齧っている。ははは、感情豊かだな。見ていて本当に面白い。

「それでは、ごきげんよう」

「うん、また明日」

 俺は美香の後ろ姿に声を掛けた。美香はそのまま飛んで…行った。ああ、見えないんだっけ。忘れちゃうよな…。

「嵐が過ぎ去ったみたいですね?」

「すごい強風だったよね」

 二人で笑いあう。そういえば…告白ってどこでするのがいいんだろう?何か噂ではロマンチックな所がいいとか…じゃないと振られるとか?!なんとか…。

「どこでも大丈夫ですよ?」

「でもさ…きっと一生に一度だよ?」

「そうですか…そこまで考えてくれるならお任せしますね?」

 笑夢は恥ずかしそうにしている。責任重大だ…。どうする…?どうするか。

 寝ても覚めても告白事を考える。気づけばテストも終わり、終業式が終わり…明日が新年。まだ場所も決まらず、言葉も決まっていない。意気地なしめ…。

 ロマンチック…。待てよ?この家で始まったのなら…この家でもう一度新たなスタートをするのもいいか。言葉は…新年に合わせて…。よし、決めた!

「決まった!」

「え?何がですか?」

 リビングでテレビを見ていた笑夢は驚いた顔でこっちを見てくる。新年に向けてカウントダウンが進む。10…9……2…1。

「新年あけましておめでとう、好きです。今年も、これからもずっと一緒に居てください。」

「あはは…それじゃあプロポーズじゃないですか?」

「だって、ずっと一緒に居てくれるんでしょ?付き合ってっておかしな感じじゃない?」

 笑夢は涙を浮かべて頬を赤らめる。始まりも一旦の区切りも。新たなスタートも。全てこの家で。最善だったと思うんだ。どう…だろうか。

「はい!喜んで!」

「はぁ…緊張した。」

「本当ですか?全然そんな風に見えませんでしたよ?」

「照れ隠し…?」

「神隠しだ、酒を持ってきたぞ!祝いだ!」

「どっから湧いたんだ?!」

 気づけば隣に神が居た。この神…レギュラーみたいに現れてくる。ていうか…酒くさ!もう飲んでるな…?!

「ははは!恋愛小説みたいだったぞ?」

「そうか…これ見たかったんだ…。」

「それもそうだが、誰かの幸せを応援するのも神の仕事だからな!」

「酒を飲むのは…?」

「神にはな?集まりがあるのだ、酒は欠かせない!」

 酒瓶を片手に酒を煽る。神には神の事情があるみたいだ。と言うか…ムードぶち壊したな?本当に…。

「ムード?なんだ?何かしようとしていたのか?」

「いや?何もないけど…?」

「そういえば、笑夢への褒美はどうした?」

「ほう……び?」

 褒美…?ああ、俺の事を庇ってくれた?すっかり忘れていた…。もう、告白の事で精一杯だったよ…。

「あれは良いのです、もう…もらいましたから」

「おお、そうか?これで良かったのか?」

「はい!これは…永遠の愛です!」

「すごい…その言葉って体現できるんだ?!」

 永遠の愛とか…体現出来ないと思っていた。それこそ、寿命の問題で。永遠ではなく…長くても70年程度。

「私達は神と天使だぞ?不可能はない!」

「そういえば俺の面接終わった?」

「最終審査はクリアだな」

「どこでクリアした?!」

「ん?二人を娶ろうとするなら、蹴落としてやるつもりだったぞ?」

「うわぁ…まじか。」

「そうだろう?お前の考えた通りだ。優しさだけでは何も出来ないのだ」

 まぁ…妥当だ。ていうか用事もないのに降りてきたのか。いや…待てよ?最終審査クリアって事は…そういう事?

「そうだぞ?お前を迎えに来た。」

「……え?今?」

「ああ、今だ。」

 聞いてない、何それ。展開早すぎでしょ。ああ、天界だから?シャレにならんって!!

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