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 風呂から出て今は喧嘩の真っ最中、喧嘩というより、言い合い。俺は一緒のベッドではないと言い張り、笑夢は一緒のベッドで寝ると言い張る。

「一緒に寝ます!!」

「それは絶対ダメだって!!」

「いいじゃないですか!具有両性ですよ?」

「そういう問題じゃないって!!」

 部屋が片方開いているから、使えるのに。どうして一緒に寝たがるんだ?流石に寝るのまで一緒はまずいって!何か間違いが起きたらどうするんだ!!ないけど、断じてないけど!

「じゃあいいじゃないですか?間違いは起きないんでしょ?」

「起きない!起こさない…分からない!」

「断言してたのになんで急に弱気になってるんですか?」

「いや…分からないかもしれない…だって異性と寝るとか経験ないし」

「う~ん…困りましたね。」

 主に困ってるのは俺なんだけど…?なかなか笑夢は折れてくれないな~…。思考駄々洩れだから…何かこう…困るようなイメージを送り付け…それはだめか。

「なんですか?困るようなものって?」

「い、いや、なんでもないよ?」

「あ、そのベッドの下にあるエッチな本の事ですか?」

「な?!そんなのはないし…ないし。」

「いや、バレバレですよ?そもそもなんでこんな分かりやすいべたな所に隠すんです?」

 べただったのか…。そういえばなんでここに隠すんだろ?一番見つかりにくいと思っていたけど…もしかして分かりやすかったのか?!じゃあ、どこに隠せばいいって言うんだ…。いや、今はそういう事じゃない!

「この本みたいになっちゃうかもしれないでしょ?」

「それはそれでいいかもしれないですね…!」

「ちょっと?!聞いてよ?!」

 話聞いてくれないよ…この人。全て丸め込まれてしまうなぁ。風呂の時だって百歩…いや一万歩ぐらい譲ったのに。こればかりはだめだ。恥ずかしいし、寝れなそうだし。

「俺はあっちの使ってない部屋に行くから」

「そうですか…分かりました。」

「うん、お休み」

「おやすみなさい…」

 部屋の扉を閉める時の笑夢の悲しそうな顔を見る。あんな顔見たくない…でも譲れない…どうするべきだ。床で寝るなら、どこで寝ても変わらないか?

「いや、床で寝るからこっちで寝ても…いいよ?」

「本当に優しいですね?騙されちゃいますよ?」

「う、今は良いんだよ」

「ありがとうございます!」

 満開の笑顔を向けられて胸が高鳴る。違う!高鳴らない!心臓を少し押さえつける。いつも通り、平常心。ベッドの横に行き、床に寝そべる。ふわっと笑夢から自分と同じ匂いが香ってくる。

「ふふ、いいですね!」

「な、何が?」

「可愛いですよ?その表情」

「え?!な、何?」

 鏡を探すけど、自分の部屋に鏡なんて置いてない。今俺はどんな表情をしているんだ?頬を触ると熱く感じる。これは風呂上がりだからだと思っていたけど…もしかして、違うのか?

「じゃあ、電気消しますね?」

「あ、ああ」

 パチっという音と共に暗闇になる。はぁ…なんかドキドキするな。今日はきっと眠れないだろうな。明日も学校があるんだけど…どうしよう?授業中の居眠りとか…俺がするとすさまじく態度悪く見えるんだろうな…。

「修学旅行みたいな感じですね!何故か…わくわくします!」

「え?そうかな?楽しくなかったけど。」

「ふふ、見てましたよ?一人でずっと居ましたね。」

「はは、見られてたのか、嫌な思い出だよ。」

「でも今回は私もついてますよ?」

「うん、ありがとう。」

 今回は…行くかどうか分からないけどね。笑夢に見守られてたって、話せるわけじゃないし。そもそも、仲良くなれない人と一緒に寝るって相当苦痛なんだよね。なんであんな企画をするんだろうか。本当に、考えられないよ。

「団体行動が大好きなんですよ、きっと」

「ははっ、そうかもね」

「悪い事ではないんですけど…流石に行き過ぎると怖いですよ」

「でも、別に直接被害が出るわけじゃないでしょ?」

「いや、実際神にも届きうる力を発揮できると思いますよ?」

 そんな深く考えた事はなかったな。人間がいっぱい集まるとそこまで脅威になるかな?戦争とかは…確かに脅威か。徒党を組んで人を蹴落として、自分たちの理想を押し通す。相手になれば降伏するまで蹂躙する。テレビで見る戦争の映像は本当に胸が痛む。

「なので…本当に今回は大丈夫です、行きましょう?」

「え?何でそんなに行きたがらせるの?」

「ちょっとしたサプライズがありますから!と言っても…一年後ですかね?」

「そうかもね?」

 良く分かんないけど、その時にまた決断しようかな。どうせまだ一年もあるんだったら…今すぐに決める必要もないし。

「ふぁ~あ、眠くなってきたな」

「お早いですね?電気を消したからでしょうか?」

「分からな…ぃ」

 すっと眠りに落ちる。床で寝ているのなんて忘れて、夢の中へ。

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