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(3)

 時が動き出す。少々厄介な事になってしまったけど…それでもいいか。天使に好かれるという事は悪い事じゃない。寧ろ良い事だ…と思う。

 「肇?何悩ましい顔してるんだ?」

 「いいんだ、俺の事は」

 「??親友の俺にも話せない事なのか?」

 「そうだ、これは…誰にも話せない!」

 「うぐぐ…しょうがない。頑張れよ!」

 「何?このやり取り?」

 「さあ?分からんけど…どうするの?あの人」

 智一は美香を指さす。俺らの中では決まった事でも、もう一度説明しないといけないか。時が止まってたわけだし。

 「部活に入ってもらうかな」

 「そうか!いいな!これで女性二人、男性三人…どんどん増えるかもな!」

 「なんか…考えてる?」

 「い、いや?何も考えてないぞ?」

 「そこの方は彼女ができるかも、と言う淡い期待を抱いておりますわ」

 「な?!なんで知って?!いや、違う!!」

 「はは~ん…?邪な事を考えていたんだ?」

 「いいじゃん!俺も男の子なんだぞ?!」

 「智一の場合は…野郎だね?」

 「酷い事言うなよ?!」

 皆で笑いあう。智一の彼女事情はまぁ…一旦置いておこう。今日は凄い疲れたし、解散でいいかな?

 「じゃあ、今日は解散で」

 「は~い…」

 「うち…あんまり喋れてない…」

 「うん?まぁ…明日もあるからさ!」

 「そうだね!」

 ごめんだけど…もう家に帰りたい。この騒動は思った以上に長引きそうだし…いや…待てよ?一つだけ…一つだけ収める方法があるのか。

 「とりあえず、帰ろうか」

 「はい、帰りましょう」

 笑夢と一緒に部室を後にする。部室を出ると、大勢の人がまだ待っていたけど、俺らはスルー出来た。目当ては美香だから。美香は囲まれた人を無下にできず、そのまま質問攻めに…ごめん。それはどうにもできないや。

 「良かったんですか?あれで」

 「これ以上は…ね?俺も狙われそうだよ?」

 「女子にですか?」

 「な?!男子にだよ?刺されそうじゃない?怖いよ…」

 「ふふ、邪魔したら大変な事になりそうですもんね」

 「暴動とか起きるでしょ。」

 「平和の象徴が原因で暴動が起きたらまずいですからね」

 笑夢はニコニコしている。う~ん…地味に目の奥が笑っていない感じがするんだけど。どうなの?

 「笑ってますよ?ちゃんと、ほら?」

 笑夢はまっすぐ俺を見つめて、捕まえて笑顔を見せてくる。本当…だ?笑ってる?俺には心が読めないから分からないや。

 「ちゃんと信じてくださいよ?別に何かするわけじゃないですから」

 「そう…だね?ごめん」

 「いえ、信じてもらえたならいいですよ?」

 一安心か。それにしても、俺の結論を急がないと…でも、心は決まっていると思ってるんだけど。どうしても言葉に出来ないよな…恥ずかしい感じがするんだ。

 「発見しましたわ!」

 「うわぁ?!なんで前から?!」

 美香が俺らの目の前に立ちはだかる。いい人なのは分かるんだ、だって天使だから。うん。でもさ、なんか…ストーカー気質な人が多くない?俺…今まで二人中二人にストーカーされている気がするよ。

 「わたくしも一緒に帰らせていただきます!」

 「パワフルな…」

 「肇さん、行きましょう?」

 「う、うん」

 笑夢に引きずられながら帰る。後ろを美香が着いて来る。なんか、ゲームみたいだな。この場合…俺が主人公だけど、めちゃくちゃパワーレベリングされてる感じ?

 「失礼ですね?」

 「そ、そう?二人して強いからさ?」

 「女性に対していう言葉ではありませんわね?」

 こういう時だけ息ぴったりだ。計画を実行に移すためには…俺の覚悟が必要なんだよな…。

家に着くとまた何やらただならぬ気配を感じる。ああ、これ、居るわ。泥棒だ、泥棒。

 「ほう?神に向かって泥棒とは失礼な奴だな?」

 「だって、泥棒じゃん!別に盗んでないけど、勝手に居るんだよ?」

 「ははは!そうだな?では、何か盗んでいくか?」

 「ごめんなさい…勘弁してください!!」

 「そうであろう?今回は許してやろう?」

 「ははぁ、寛大な心感謝いたします!」

 俺は土下座を決め込む。まぁ…この流れ自体は別にいつも通りか。所で昨日の今日みたいなペースで来たけど、何事?

 「どうだ?天使に挟まれる生活は?」

 「あ…勘弁してください。本当に…」

 「うん?別に送り込んだのは小僧に対しての嫌がらせではないぞ?」

 「嫌がらせ…ではないけど、正直困ってるよ」

 天使二人は傅くけど、俺は全然対等に話している。この状況に違和感は覚えない。だって、飲んだくれてた神だからね?そうだな…一応敬ってはいるけど。

 「失礼な!もう一人送り付けるぞ?」

 「嫌がらせじゃん!それ!」

 「冗談だ!そこの二人しか、物好きは居らん」

 「それこそ失礼だ!物好きって…うん、間違ってない。」

 「であろう?」

 否定できない自分が悲しくなってきたよ。もう…どうにかしてよ。

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