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 天使…ブロンド…海外…駄目だ、イメージが付かない。呼びやすい感じにしたいけど。天使を上から下まで見る。まあ、和名は合いそうにないかな。待て、海外の名前とか…特に知らないぞ…。

「う~ん…」

「あは、真剣に悩んでくれて嬉しいですよ」

「そんなこと言ってる場合…?困ったな…。」

 お気楽そうだな…正直、名づけとか一大イベントだぞ…?微笑んでいそうで…俺の夢を応援してくれる存在…。笑夢(えむ)だ!漢字は使ってるけど、海外っぽいし…分からんけど。でも、いい名前だと思う。

「そんなに保険かけなくても大丈夫ですよ、私も気に入ったので!」

 いつの間にか横に座って俺の顔をじっと見つめていた。少しドキッとしたけど、すぐに離れて息を整える。

「良かった…すごい疲れた気がする。」

「じゃあ…ご飯でも作りますか?」

「あ、買いに行ってもいいけど…?」

「栄養がないじゃないですか!そんなの食べてたら駄目ですよ!」

 天使は顔をしかめてキッチンの方へ向かう。冷蔵庫を開けて中を見ている。うん?最近何か買ったっけ…。多分、買ってない。カップ麺以外。

「肇さん?買い物行きましょうか?」

「わ、分かりました。」

 怖い怖い…。男子高校生の一人暮らしって…どんな感じなんだ?俺以外の生活なんて見た事無いから分からないけど、こんなものじゃないのか?!あ、そもそも一人暮らしをする人があんまり居ないか。

「ちょっとあっちの部屋使いますね?」

「うん、分かった」

 何するんだろう?そういえば、ずっと裸足だ…靴とかどうすればいいんだ?何か…あったかな?サンダルとかで良ければいいんだけど…。

「お待たせしました!」

「じゃあ行きましょう…?」

 あれ、なんで靴履いてるの?どこから取り出したんだろう?羽も仕舞われてるし、これなら…まぁ、少し目立つぐらいで済むかな?

 そのまま外に買い出しに行く。二人で並んで歩く行為が新鮮で少しだけわくわくする。歩いて10分程離れた場所にあるスーパーに二人で来た。

「かなり大きなスーパーですね!」

「そうかな?そんなでもないと思うけど?」

「いえ…こんなに傍にあるだけでも幸せだと思いますよ?」

 そうか、笑夢は色々な人の生活を展開から見てきたもんな。じゃあ、俺は恵まれているのか。両親が決めてくれた所に普通に住んでたつもりだったけど…感謝しないとだな。

「見てください!新鮮ですね!」

「そうなの?分かんないや…」

「はい!」

 野菜を顔の隣に並べて笑顔を浮かべる。急においしそうに見えてきた。これ…CMの効果ってこんな感じなんだろうな。俺らの様子を見ていたからか、急にどっとこっちに人が押し寄せてきた。

「さ、行きましょう?」

「あれ、何をしたの?」

「残ると可哀そうなので…ちょっと宣伝を」

「うん、いいね!」

 考える事をやめよう、売れ残る食材がなくなるなら、それは良い事なのだから。よし、割り切って買い物を続けよう!

「ふぅ、一通り終わりましたよ?」

「うん…なんか疲れたよ」

「そうかもしれないですね、あんなに押し寄せてくるとは…」

 スーパーに居た人たちが俺らの後に着いてきていた。全員が居たんじゃないかってぐらい居たんだ…。笑夢の効果はすさまじいみたいだ。帰り際に横目で棚をちらちら見ていたけど、俺らが買ったものはすべて空になっていた。恐るべし、CM効果。

 家に帰ると早速、笑夢は調理に取り掛かった。俺は何か手伝おうか?と言ったけど「大丈夫ですよ」と返されて座ることしか出来ない。そういえば…料理の音を一か月振りぐらいに聞いた気がする。出張に行ったのは…中学を卒業する前だったっけ。

「……さん?…じめさん?肇さん!」

「ん?!結構寝てた?」

「作り終わるぐらいだから…40分ぐらいですかね?」

「え、そんなに…」

 料理の音って聞いてるとすごい安心するんだ。いや、違うか。誰かが家に居てくれるから安心できるのか。ていうか…今日初めて会った人にここまで心を許すって…何事?!

「うわ…すごい!」

 机の上には様々な料理が並んでいる。肉じゃが、サラダ、ごはん、みそ汁、焼き魚…。多くない?こんなに食べれるだろうか。

「ありがとう!嬉しいよ…こんなにたくさん…」

「結構涙もろいのですね?そんなところも可愛いですよ?」

「かわ?!可愛い…?!」

「はい、本当に!」

 笑夢の方こそ、完璧で思慮深くて美人で。本当にすごいや。

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