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戦国時代に転移した話  作者: べりある
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根をはる。ということは。 1

 性格設定とはかなり変化した翡翠や、その翡翠を思いやる琥珀。昨日の桜や炎、崇久達との会話でも思ったけれど、やっぱり彼らは人間になったんだなって改めて思う。AIだったゲーム時もいろんな会話は可能だったし性格設定や役割に沿った会話は可能だった。250人。まだ全員とは話してないけれど、ちゃんとみんなの為に働かないと。

 次の打ち合わせに参加するため、琥珀を伴ってテント群中央にある会議用の一番大きなテントに入る。

 中には崇久と崇景、図面を広げたテーブルの反対側にもう一人がいて俺はその隣に座る。

 そのもう一人とは禍津本家の4兄弟末弟で次期当主、天籟(てんらい)だ。天籟は有機的に空間把握するという特殊なスキルがあって、築城や町割り、陣地構築や部隊配置などが得意だ。

 今回も山の地形を見て、おおよその区画割りを図面に書きながら説明していた。都市、というか環濠集落という形になるけれど、その中心とななる社殿を含む区画は南側に入り口があって北側南向きに本殿、西側東向きに別当が建てられる形だ。

 大倉岳の西側斜面にあたるので北西にある最寄りの集落、尾小屋には背を向けるような位置になる。南向きの大手門を出て少し参道が伸びそして西側に曲がる。さらに少し進んだ先に広場になっており、広場の北側に山門があってそこからふもとまで参道が伸びている。

 広場の南側が門前町となっていて茶屋や商店、さらに南側に職人や農家などの住居の区画がある。普段は広場に市が並ぶ。広場の周囲には櫓が配置され、防衛時には南側の区画も防衛施設となりその広場が虎口になる。一般的なお城でいえば、大手門の内側が本丸、広場南側が二の丸となる。

 もともと大倉岳には山岳信仰の神社はないし、山頂へ至る登山道はないので搦め手門や裏門も必要がない。その代わり地下道を掘って出入りする形にするらしい。

 とりあえずそれが第一段階で、その後もこの瀬織津姫神社は拡張を続ける予定だ。

 ただ戦略的にはこの地はあまり重要ではないので、最終的には宗教的な施設にするとのこと。

 次の段階は、金沢方面に対しては鳥越城を乗っ取り、大聖寺方面には衰退した那谷寺を拠点に改修するとのこと。その二か所を南北の防衛ラインにして梯川流域を抑える。能美郡、未来の能美市と小松市の制圧となる。本拠地の移転先は小松城あたりが良いかもしれない。

 その後は三湖や周辺に広がる沼沢地を干拓し梯川の治水を重点的に行えば、少なくとも15万から20万石くらいにはなるはずだ。正条植えや塩水選もしていない、干拓もしていない時代でも能美郡は13万石だった。

 梯川の河口部にある安宅を整備し米の輸出港としてだけでなく日本海交易の中心地にする。

 その国力を背景に加賀国を統一し、無駄な一向一揆で人口を減らさず、加賀平野を開拓すれば加賀一国でも前田家の加賀藩をしのぐ強国を作れるはず。

 そうなれば上杉家と織田家の緩衝地帯として生き延びるか、タイミング次第では金ヶ崎の戦いで織田側について信長に恩を売ることも出来るかもしれない。そして謙信死後は豊臣家、徳川家に従えばいい。太平の世になれば領土を返上し、武装解除して一宗教団体なってもいいかもしれない。万が一どこかで致命的な失敗をしたら台湾でにでも流れて建国してもいいかもしれない。

 話は逸れたけど、まずは神社の区画整備が計画の第一段階だ。細部は各技術職人たちに割り振ることになるので、琥珀が参加して担当者と班分けがされていく。250人全員の役割が決まったころには夕方になり、戦国時代の二日目も終わろうとしていた。



禍津天籟 まがつてんらい

禍津本家の4兄弟末弟で次期当主。諜報部門の長官になった氷雨が当主相続を放棄したため天籟が次期当主となった。将帥タイプで作成した。一定の建築系実績を達成した報酬で得た武将で建築系に天賦の才を発揮するスキルを持っている。川越夜戦において関東諸大名連合軍側で北条綱成に勝つという実績がどうしても取れずにいたので、相性の良い能吏タイプではなく将帥タイプで作成した経緯がある。その結果、寡兵の綱成軍の奇襲を更に寡兵の崇弘軍が奇襲をするという作戦で勝利を勝ち取った。そういった経緯もあって、築城や都市計画、陣地構築、部隊配置や戦場の経過予測には天賦の才を発揮するものの、内政面でも軍事面でも実務能力は平均値程度しかない。

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