表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国時代に転移した話  作者: 禍津日べりある
4/31

いざ戦国時代へ 3

 多分300メートルくらい歩いたところでみんなの姿が見えてきた。いるのは聞いていたけど実際にみると更に安心してほっとする。

「崇弘様、ようやく目が覚めたのかい」

横から声がかかったので振り向くと、大きな鹿を担いだ炎がいた。彼女は戦術特化型武将だ。最初期からいるので戦略や謀略値、内政値も平均以上に育ってる。ゲームでは女性ながら上泉信綱に勝つ個人戦闘力や、島津義弘を寡兵で撃破するほど戦術能力は飛び抜けてるけど、万能に近い。と言ってもステータス画面は見れないのでこの世界で通用するのかは不明だ。

「びっくりした、炎か、お疲れ様。狩りをしてたの」

「ああ、250人もいるんだ、米はかなりあるけど、肉は必須だろ」

その体を維持するなら必要だろうね。怖いから口に出しては言わないけれど。180センチ、80キロの設定だったはずだ。

「何かいいたそうだね」

「そうだ、米があったってことは他のものはあったの」

わざとらしかったかもしれないけど、話題を変える。

みんなが作業をしてる場所に向かって歩きながら会話を続ける。

「まあいいか。そうだね、米もあったし銅貨や武具、あと農具もあったぞ。農具は前々回プレイの時に作ったやつだね」

「ああ、土豪プレイの」

 数十人しかいない村落の長になって、近隣の国人領主や野盗の略奪から守りながら、人口1000人を目指すシナリオだ。現代知識チートを使えばすぐだろと思ったけど、農協もなければホームセンターもない、重機どころか鍛冶屋もいない沼沢地や山しかない村落では、石器を使って木を伐りだすところから始めることになって、こんなの戦国じゃなくて縄文じゃねのって思ったくらいだ。最低限の住居から始まって、狩猟と採集、畑を作って、ようやく一息ついてから、山に鉄鉱石を探しに行って、炉を作って、と成長していった。初期の鍛冶屋プレイがなかったら、鉄製農具を手に入れるのに苦労しただろうな。

 まあその時の鉄製農具が引き継がれていたってことね。

 商人プレイの時の在庫とか海賊プレイの時に作った西洋の帆船なんかは当然引き継がれないものの、鍛冶屋プレイで作った武具や農具、最低限の初期食料として米、特殊シナリオで作った野営用のテントなど、開始時の設定したものはちゃんとあったらしい。とりあえずそれが確認できただけでも安心だね。

「とりあえず直ぐにどうこうなるような状況じゃなくて安心だよ」

「そうだね、炎もいるからね」

「わ、私は鹿を処理してくるから」

そういうと炎はさっさと川のほうに行ってしまった。アマゾネス最強戦士みたいな炎だけど、照れ屋で可愛い。

「みんなの所にいきますよ」

照れて去っていく炎を微笑ましくみていた桜が、俺を促した。

AIじゃなくなっても、奥さん同士の仲が良さそうだったのが一番の安心なのかもしれない。



禍津炎 まがつほむら

設定では瀬織津比売神社宮司家である織津の分家、禍津家は軍事を司る。炎は主人公の妻の一人。戦術特化型として作成されたが、戦略や謀略値も最高に近く、政治能力各種も平均以上に育ている。戦闘能力や戦術能力はイベント報酬でカンストを超えている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ