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戦国時代に転移した話  作者: べりある
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会議は踊る。それなりに。そして進む。

 会議は正午から一刻と半、つまり15時から再開した。

 氷雨により飛騨と美濃の状況を判明している事、噂レベルの事をそれぞれ報告。


 それでみんの意見を順番に聞いていった。討論になった場面もあったけど概ね、みんなの言いたいことは出揃ったと思う。

「では、方針を決めたいと思う。」

皆は固唾を飲む、というと少し大げさではあるけど、真剣な面持ちで視線が俺に集中する。あんまり得意じゃないけれどね、ここはそういうタイミングじゃない。俺も真剣に向き合う。


「今回は静観とする。」

「は?」「え?」

皆がぽかんとして驚いている。笑っているのは光顕で超然としてるのは凪だけど、他全員はほぼ呆気に取られていた。

「いや、すまん。言い方が悪かった。ふざけて居るわけではない。そのように振る舞うが、実際は全力で関与する。平泉寺側だ。というより一向勢を妨害する。」

もう少し様子を見て居たかったけど、さすがに気分を害してしまいかねないし、直ぐに意図を説明する。

「と申されますと?」

「小規模な不正規戦を徹底して行う。支援物資や重要人物に対しては野犬や熊などに襲われたかに偽装するし、もし武力衝突が起きるようなことになっても流れ矢に当たったかのように見せかける。徹底して真護寺が関わっているようには感じさせない。」

「なるほど、承知しました。」

崇久は納得したようだけど、もう少し説明を続ける。

「平泉寺、と言うより支援をする朝倉とはまだかかわりたくないし、飛騨や美濃にはまだ真護寺の名前は隠しておきたい。加賀でもそうだ。能美郡掌握に影響を及ぼす可能性もある。まだ危機感を与える要素は徹底して伏せておきたい。」

「武名はいらぬ、と。」

珍しく凪が発言する。確認の為、分かっていて聞いた感じかな。

 禍津には好戦的な武将は多い。禍津の武の象徴でもある炎が好戦的に振る舞うのは彼らの意をあえて代弁しているからでもある。ただ、今回炎がより好戦的なを主張して俺が退けてしまうと対立

させてしまうかもしれない。なので凪があえてその意見を口に出したんだろう。


「そうだ。武名は今のこの加賀ではそれほど意味がないだろう。寧ろ平定の邪魔かも知れん。国人領主はいても基本的には民衆の支持で自治をしているという体裁だし、実質支配者である寺社勢力はもっとそうだ。警戒されることはあっても武威に従うことはまずないだろうな。彼らには徹底した善政、つまり彼らの寄って立つ大義名分をそれで奪い、実利で取り込むしかないのだ。そうだろう?若住職殿」

俺に代わって凪に、というか皆に説明してくれたのは季久叔父さんだ。

「叔父上、その通りだよ。武を示すのは平定の時一度きりかと思ってる。後は外敵かな。」

「了解した。儂もその通りだと思う。今回は儂や炎は単なる刃だ。表に出ることはない。指示は天籟に任せて、ただ役割に徹しよう。炎もそれでよいな。」

「ああ、異存はないよ。」


「よし、これで方針は決まった。大きな武力衝突にならないよう、越前一向勢を妨害しこれを挫く。ただやりすぎると平泉寺や朝倉が越前大野郡を平らげてしまう。そこまで追い詰めない程度で行く。天籟、崇景、仔細は任せた。氷雨と協力して立案してほしい。」

「ははっ。」「委細承知しました。」


「では、これにて解散。各自実務に取り掛かってくれ。」


※基本的には主人公主観でしか物語は描きません。突然、他勢力の評価や価値が変化していることが今後もありますが、それは主人公が情報を得たり実際にこの時代を過ごすことで変化してるからで、客観的にそれを説明することも基本はしません。

 俯瞰視点や別の人物からの視点で語る物語は、別の機会に考えていますが、ここでは特段の事情がない限り一切考えていません。

 ですので状況の説明はしきれないし、するつもりもないです。

 作者の能力不足、表現力不足な部分ももちろんあるかと思いますが、それも含めご了承くださって楽しんでいただければ幸いです。

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