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プロローグ2
「やべぇ!学校に遅れる!」
そう叫びながら、真夏の道路の上を自転車で疾走する少年の姿があった。
少年の名前は千田恭平。真っ白い肌にぱっちりと開いた目、女性のように整った容姿をもつ、大都会に暮らす高校2年生だ。自転車を高校の自転車置き場に停めて、校舎に入ろうとしたとき、不意に前からある少女にに怒鳴られた。
「急がないと遅刻よ!恭平!早くしなさい。」
そう言ってくるのは、幼馴染の木原零花だ。零花は艶やかな黒髪をもつ大変お顔が整った美少女である。
「悪ぃ!昨日はのんびり自宅で漫画を読んでいたんだ。」
「バカね、あんたは。漫画ごときで遅刻するなんて。」
零花は呆れたような表情で恭平を見る。
「そういう零花はなんでここにいるんだ?このままだとお前も遅刻だぞ。」
「わかっているわよ!だからこうして急かしているの!」
零花はズカズカと教室に向かって進んでいく。
「はいはい。急ぎますよ。」
恭平も零花を急いで追いかける。
そして恭平が机に荷物をおいたときにチャイムがなってホームルームが始まったのだった。