第一話⑨
「そういったわけではありませんが、、、
蛇の道は蛇といいますからね。」
「それに、ここら一帯は、あなた方『悪残会』・九十九組のシマですよね?」
「だから、なんだっていうですか?
殺しの一件一件を、我々のせいにされたらたまりませんよ、、、」
「M=35 スプリッターライフル、、、」
「なんですか?藪から棒に、、、」
「俺の見立てでは、この銃が使われていると踏んでるんですけどね、、、。」
写真を見せ、そう告げたシグル。
「あんたら、この銃、扱ってるよな。」
「知りませんよ。
銃なんて、今の時代、珍しいモンじゃぁないでしょう、、、」
「プーケル湾の港で、あんたらが銃の密売で、これを手に入れてるのわかってる。
他にも、ツェルン710α、アイファー45口径、オーリンズ61『ベレッタ』、、、
何なら、リストにして、FAXしてさしあげましょうか?」
〝フッ、、、〟鼻で笑い、視線を一瞬そらし、すぐにシグルへと視線を戻す徳田。
「例え、手にしていたとして、それが殺しに使用された、もしくは、
我々の誰かが、関わっているという証拠にはならんでしょう?」
「証拠か、、、ヤクザにしては一般人みたいなこと言うんだな。」
「当然でしょう。我々は、一国民ですよ。守られる対象であり、訴える権利を持っている。
それはあなた方、国家権力が一番お判りのはずでしょう?」
「、、、」
沈黙の時を破るように、激しく足を机にたたきつけるラウル・・・
「知ってること、話してくれれば、全部は穏便に済むでしょ。ねぇ?徳田さん、、、」
「脅し、、、ですか?」
「協力要請、、、ですよ。」
「そんな態度には見えませんけどねぇ、、、?」
うすら笑う徳田・・・