第一話⑦
「んー、、、、どっかで見たような気がするんだよなぁ、、、」
「!、、、そう睨むなよ。」
シグルは少し笑う。彼達は車に乗り込むと、運転席に座るシグルは、エンジンをかけた。
「で?どうすんだよ?」
「蛇の道は蛇、、、だろ?」
「あぁ、、、
でも、ヤクザ関係なら警察も、向かってんじゃねぇか?」
「あてになるかよ、、、」
シグルは、そう呟いては、車を走らせた。
ラウルはというと、背もたれを少し倒し、顔をうつ向かせ、目を閉じた。
ガチャッ、、、バタンッ、、、
とある屋敷に到着した二人。
和風の屋敷は、四方をブロック塀で囲まれ、出入り口とされる門は木造で、大きな金具でとじられていた。
門には小窓があり、ラウルは顔を近寄せた。
そうすると、小窓の反対側からしかめっ面の男が覗くのをラウルが確認した。
「どうも」
そうあいさつしたラウルだったが、相手の男は、備え付けられている小窓のふたを閉めようとした
「おっと、そう邪険にしないでくださいよ。」
ラウルの代わりに後方にいた、シグルが声をかける。
「『徳田さん』に、話、通してもらえますか?『非隊』の者が来たと伝えていただければ、わかると思いますので。」
小窓から、一瞬、目をそらした男性は、スーツの中に仕込まれているであろう無線機に口を近づけると、扉に向き直り開けると同時に、そのまま二人を招き入れた。
「こちらです。」
「恐れ入ります。」
二人は、屋敷に入ると、男の後に続き『徳田』が待つであろう部屋に向かった。
「頭、入ります。」