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第一話③
「ちょっと!
ここは、関係者いがっ、、、」
「おい、その人たちはいいんだ、通してやれ!」
警官が二人を、現場から遠ざけようとするのをよそに、スーツを着た男が、奥から駆け寄ってきた。
「どうも」
会釈して、二人はテープをくぐった。
「相原さん、状況は?」
「おそらく、殺しでしょうね。」
「死因は?」
「鑑識によれば、銃で、脳幹を一発。即死だったようで、一応、司法解剖にかける予定です。」
「銃?、、、」
「鼻先に銃創がありました。」
「脳幹を、一発ってことは、プロの犯行の可能性もありますね、、、」
「えぇ、なにしろ争った形跡もなく、、、」
「遺体の身元は?」
「今、調べてます。」
「所持品は?
免許証ぐらい持ってるだろ?」
「それが、、、
なにも、持ってないんだ。」
「なにも?」
「えぇ。身元を証明するものはおろか、財布、携帯電話、それ以外の持ち物を何も所持していないんですよ。」
「身元不明か、、、
厄介だな。」