14/19
第一話⑭
「えぇ。それが何か?」
「一緒なんですよ。家に駆け込んできた男と。」
「そういうことですか。」
「私が、お話しできるのここまでです。」
「ご協力、感謝します。」
「市民として当然のことですよ。」
「では」そういって部屋を後にしようとした二人を、徳田は呼び止めた。
「シグルさん。『島木のオジキ』がたまには顔見せろってさ。
伝言は、伝えましたよ。」
「そうですか、次期に顔を見せますと伝えてください。」
「頼みますよ。」
シグルは会釈ののち、ラウルとともに屋敷を出た。
「頭、、、
何者なんですか?あの二人は。」
「ライダー、、、だよ。」
「あの、、、ですか?」
「奴らが出ばってくると、いいことなんてねぇんだけどな。」
そういって、徳田は奥に身を引いた。
二人は、車に乗り込む。
シグルは、車のキーを回すと、次の目的地に向けて、アクセルをゆっくりと踏んだ。
ラウルはおもむろに隣の運転席に目をやると、
「島木のオジキって誰よ?」
シグルは、タバコに火を付けると、
「古い知り合いだ。」
そう答えた後、口から煙を遊ぶようにして吐き出した。
「ふぅーん」
ラウルは、車の窓越しに空を眺めた。