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星の下で  作者: さんのすけ
2/3

蕾のキス

三島 成美 様

僕は歩いているが方向は曲がりくねっている

しかし進む距離は最短だ

成美さんとの距離は最短ではなかったね

進む道はもしかしたら

そこまで来ているのかもしれない

ただ時期がきて

成美さんがそれを知った時が僕が一番恐れていることだ

また、今日も届かない手紙をだすのだろう

山下 光明




山下 光明 様

待ちます、待つのは大丈夫です

ただ、切なさという感情と悲しみという

感情が私を覆いつくしています

例え帰るのが遅くてもいつまでも待ちます

しかし、この感情が光明さんの胸に届くのが何より怖いです

私という存在が光明さんの心を惑わすからです

三島 成美 



君はどうして、そんなにしっかりしているんだ

しっかりしているというより強引かな

そもそも君はという言い方はやめてください

私は三島 成美という立派な名前があるのです

ああ、わかった

すまない、三島さん

三島さんは堅苦しいから成美でいいです

じゃあ、成美かな

呼び捨てじゃ駄目ではないですか

成美さんだね

そうです

じゃあ僕は

光明さんです

当然じゃないですか

すぐに怒るね

光明さんがデリカシーに欠けています

まあ、説教はやめよう

いいかな

説教ではありませんがわかりました

ゲームしようか

成美さんの麦わら帽子があるよね

俺がクルクル回して投げるから

それを早く取ったほうが勝ち

僕が勝ったら

ほっぺと額と口にキスしてあげるよ

本当ですか

光明さんは恥ずかしがり屋な人だから

わざと負けるのよね

まあ、やってみよう

はい

ほら、あっちに行った

キャー

走れ

曲がりましたよ

あっちに走れ

キャー

捕まえた

じゃあ、約束だね

もともと、わざと取りやすい方向に投げたのでしょ

しかもキスはさっきしました

ほっぺと額はしていないよね

もう風はやんだけど恥ずかしくないよ

恥ずかしかったのは光明さんの方でした

そうだったね

そこまで言うなら目的を変えた

どう変えるのですか

成美さんの胸を触るのさ

ほら

キャー

ハハハ

逃げたな

ほら

キャー

やめて下さい

駄目だよ

ほら、追いついた

キャ

倒さないで

最初の約束のほっぺと額にキス

胸は触れない

触れる必要はないから

強く抱きしめたら体が触れるだろ

どうして、最初と違って

そんなに強引なのですか

純情なふりをしていただけさ

油断させただけだよ

これからどうしようかな

やめて下さい

さっきの強気はどこに行ったのかな

仕方ないな

僕も一応紳士だから謝ったら許してあげるよ

ごめんなさい

わかった、じゃあ一緒に帰ろう

手をつなごうか

はい

でも帰る方向が逆だね

そうですね

じゃあ、せっかくつないだ手を離そうか

はい

やっぱり駄目だこっちに来て

抱きしめてあげるよ

 

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