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(中編)

「成功した。かの人間族、の中の選ばれし存在、かの言い方であればヒーロー。この者は紛れもなく救世主じゃ」


 怪しい奴らが喜び始める。

 何が起きているのだろうか。意味が分からず、心の中をただ恐怖が支配する。


「お気持ちお察しします。さぞかし驚いたことでしょう。我らの世界へと許諾無くお招きしたことお許し下さいませ」


 駄目だ。やはり、さっぱり分からない。ここはどこなのだろうか。彼らは誰なのだろうか。我らの世界、と言った。つまり、ここは俺らの世界ではないのだろうか。それを裏付けるように汗に触れると泥に変わる砂や日本の景色にない砂漠が見える。混乱が混乱を招いていく。


「突然のことで状況がのみ込めないとは思われますが、聞いてくだされ。ここは惑星マルス。貴方様は地球からここマルスへと召喚されたのです」

「どういうことです。ここは地球じゃない? 意味が分かりません。異世界へと転移するなんて、そんなことありえない。もしかして夢なのか」

「いいえ、夢ではありませぬ。いくら理屈で説明した所で現状を受け入れられまい。ならば、無条件でもこの状況を受け入れるしかないのでございます」


 受け入れられないことは沢山ある。しかし、それに理屈をつけて否定しても、この現状を説明することはできない。つまり、現実逃避をしていただけだった。

 スーツの裏側で汗が溜まる手のひらで両頬を思いっきり叩いた。

 夢じゃない。受け止めきれない漫画の中のような非日常が襲いかかっているが、今は彼の言うように無条件に身を委ねるしかない。これから起きる非日常を現実だと受け止める覚悟を決めた。

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