逆行と同調
「例えばや、小宮山君」/「例えばだ、小宮山」
「!?」
「平行世界の出来事を覚えてたりしとらんか?」/「平行世界の光景を見ていたりしないか?」
「――――え?」
その瞬間、俺は情報の波に押しつぶされた。
「あっ、があああああああああああああああああああ!?」
この先に起こる破滅/この世界軸において、
願望機、という結論/杉内と黒羽根の援軍はなかった。
世界記憶を譲渡する/その中で同じ結論に至った。
――――同調完了(思いだした)。
「――――」
「お、おい?大丈夫か、小宮山くん」
……そうだ。思い出した。
明石兄妹の活躍でスパイクアームは捕らえられた。
「小宮山さん、しっかりして下さい!」
そして、そのままスパイクアームに俺を狙う理由、俺の正体を吐かせた。
――つまり、あの世界との違いは杉内が登場せず、黒羽根の役割を分担して行ったこと。
だから、結末は同じ、だ。
あの――理不尽な破滅。
「自覚……いえ、見たんですね、小宮山先輩」
「…………」
「な、なんですか?どうしちゃったんです、小宮山さん?」
「自分が可能性ノ収束点……願望機トいうことがわかったんだ」
「……ああ、十分にわかったよ、くそぉっ!」
座り込んでいた俺は床に拳を叩きつけた。
「こ、小宮山君……?」
やりきれない感情を向けるように捕らえられたままのスパイクアームを睨んだ。
「見たさ。他の世界を……破滅まで」
「危惧しテいた通りだな」
「だとしても、手遅れだ」
「なニ?」
「俺が見た破滅は今から数分もかからない。いきなり隕石が落ちてくるんだよ、理不尽に!」
「なんだト?」
「そ、それホンマか!?」
「この世界に近い世界だ。こっちもきっと……」
「――この拘束ヲ解け!」
「え?」
「早く!それどころでハないだろ!」
「で、でも……」
明石渚が俺を見る。
「……構わないよ」
仮に今からでも俺を消してどうにかなるというなら、それでもいいかと思った。
「解けた……隕石だト?なんで誰モ気づけないんだ!?」
スパイクアームはそのガワ、元々中身がいたフレームをひっくり返し、なにかいじり出した。
「よし、出テこい!」
フレームが変形し、モニターが出てきた。




