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死と消滅
「え?」
「渚!」
寸前のところで明石翼が明石渚を庇った。
飛来したそれは明石翼を地面に叩きつけた。
「ぐあっ!」
「翼!」
そして、次の瞬間、そいつは明石渚の腹部を拳で打ち抜いた。
「あっ……」
明石渚は膝をつき、そのまま崩れ落ちるように倒れた。
そいつはそれを確認するとゆっくりと俺の方を向いた。
俺はその顔を知っていた。
「お前……杉内!」
「ああ、助カった、杉内」
スパイクアームも明石渚が気を失ったことで解放されたようだった。
「そういう訳ダ。大人しく諦めロ」
「……そうか、その喋り方、お前も」
「そんなことはどうでもイい」
思わず舌打ちをした。
「杉内、お前も……お前らは俺を殺そうとするのか?」
「それがスパイクアームの判断ならナ」
杉内から視線を外さず、スパイクアームを流し見る。
「世界平和ノ為だ」
「っ!」
咄嗟に地面を蹴ろうとした、だが――
「動くナ」
「抵抗ハ無意味だ」
「……なんだよ?」
「明石兄妹は戦う手段があっタ。だが、お前は違うだロ、小宮山」
「抵抗しなければ、楽ニ逝かせてやる」
「……」
額から汗が流れ落ちる。
その死を覚悟した。
幽霊の死とは消滅のことだろう。
それが、すぐ目の前に迫っていた




