過去と現実のおかれている状況
今から十数年前、第一エリアの蒲生李衣菜は、生まれた際のDNAの欠陥により病弱で、いつも病院の入退院を繰り返していた。そんな彼女も長らく病院生活により体力が衰弱し、ついには16歳の若さにして脳死状態へと陥った。父親の蒲生は、医者から死亡と伝えられたが、実際は脳死の状態だった。病院は政府からの要望に応え若く検体を差し出す必要があり、それがリイナとなったのだった。事実は、隠匿されコールドスリープにより体は凍結され直ぐに研究所へとおくられた。脳は電磁脳の実験を重ね、ついには第一号者として第一エリアに登録されたとのことだった。リイナの遺骨がないことに気づいた蒲生は、色々と調べたが見つけ出すことはできなかった。どんどんと裏に迫ることで、政府が進めているプロジェクトに関係していることを知ると、政府と戦っているグループの関を関わって行くのだった。
関から、新システムの解放の手伝いをお願いされ、一緒に何度となくハッキングを繰り返した。数年の時間をかけ第一エリアの解放をすることに成功した。解放された対象者の関係者からは救世主として喜ばれ、解放戦線の認知度もあがり参加者が増えていった。蒲生は、意図せずにシステムに試験的に登録されていたリイナの電磁脳は電子の藻屑へと消えてなくなった。だが、世間では、『SWTH』が熱望されていた。最大人数を誇る第二エリアを運営するにあたり大人数のNPCが必要となり、第一エリアのバックアップサーバに保存されていた電磁脳を使用してNPCを作成し、第二エリアをオープンした。だが、同一のシステムでは、同じようにお解放されると思った政府は、急激なハードとソフトのヴァージョンアップを行いセキュリティを強化した。それにより、解放戦線は大いに苦戦し解放するのに荻原と神樹の登場まで待つことになるのだった。苦戦している彼らをみて、満を持して第三サーバ、第四サーバを次々と拡大していった。急激なシステムアップと徐々にコピーを行っていったことで、電磁脳は必要な情報以外は不要となっていき劣化していったのであった。だが、今回使用されるものは、もともとあった第一エリア構築後の電磁脳を使用されたことを鈴音経由で知ることになった。
ヒビキとリイナは、亀の上の町の中の散策を少しにして近くにあった宿に入ることにした。さっそく疲れたのかリイナは横になると可愛い寝息をたてて眠り始めた。ヒビキは、リイナを見ながら今後の行動について考えて始めた。
電磁脳をもつリイナの発見、オリジナルリイナの説得と移動。
第四エリアに戻ってきてからは、
『リイナの統合かぁ、』
難題な課題を考えると厳しい旅になると思っていた。だが、隣で幸せそうに眠りリイナをみて二人なら乗り越えて見せると信じ込むと同じようにゆっくりと眠り込んだ。
解放戦線の統括だった関は、第一エリアへと更迭されうな垂れていた。第三エリアで攻略で部下の吉原に裏切られあと一歩のところで全てが無駄になったことで、管理者不足を指摘され強制的におろされたのだ。あたかも過去に、自身が蒲生へと行ったことが自分に降りかかり自業自得かと苦笑いしかでなかった。新しい統括が出るまでは、代理としてしばらくは続けていたが、荻原がいない解放戦線では、何度となく攻略に失敗し対には、新しい神も生まれてしまい振出しへと戻って行った。これまで、攻略成功しか知らなかった新メンバーから、厳しく問い詰められ、完全に統括からの降格と担当リアの移動を強いたげられた。あたかも世間では、第一エリアの再構築が行われ、開放戦線も解放へと向かわずにはいられなかった。以前攻略できたことから、関が担当となり少ないメンバーで派遣されたのだった。
それでも、彼を慕う幾人かのなじみのメンバーが第三エリアから離れて第一エリアへと一緒に付いて来てくれていた。
「こっから、またはじめましょう、関統括」
「もう統括ではないがな。
あぁ、頑張って行こう」
だが、第一エリアでは、解放戦線の結果のでない無能ぶりから離脱した新しい過激派のグループが出来上がっていた。そのメンバーは、第二エリア解放の際に解放を失敗したことに腑甲斐ないと離脱した旧解放戦線のメンバーで構成されており、解放戦線より荒っぽかった。
そのグループは、真解放戦線(TRT)と名乗り、仮想システムの破壊を目的としており参入者のことなどお構いなしだった。特に仮想世界では、誰かれ構わずどんなことでもやるメンバーとして、ギルド内では指名手配に乗っていた。だが、どんな冒険者も誰一人彼らを倒すことができなかった。それほど、一人一人がもつスキルは強力なものだった。関のグループも最強に近いスキルを持って、この後苛烈な戦闘へと挑むことになるのだった。
前作を読めばもっとおもしろいかも?
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