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第二エリアのみんなを救え!


『SWTH』から、戻って半年、神樹鈴音と佐々木雪菜は、関からの紹介で政府の仕事をしていた。

 第二エリアで解放戦線リターナーが解き放ったことで想定しなかった異常が発生し、政府内でもリカバリーができなくなっていた。本来の情報は秘密裏に揉み消され、親族一同には今も管理は問題なく行われていると偽の報告をしていた。

 解放戦線リターナーのリーダーである関は、政府の高官と交渉し戻ってきた帰還者の情報を流すと、渡りに船とばかりに接触してきた。二人は素直に政府に行くと、数十人の高官の前で話をすると、疑いの眼差しの中実験的に試すことになった。一人の高官が責任者として任命されると、第二エリアの管理対象者を元の状態に戻す作業の協力要請として二人は手伝いを始めるのだった。 雪菜は政府にも解放戦線リターナーにも興味がなく一線を引きたがっていたが、鈴音は人のためになるならと進んで協力していった。


 この作業では、中にいる管理者となった神樹響との協力が不可欠であり、鈴音は絶対必要要素であった。そのことから、高官は鈴音を説得するためにも、2人での作業としてお願いするのだった。


 そのなか、響も同様に自分が行った全員のコネクトロスの罪悪感から、手伝いができることに喜びを感じていた。


 一人一人事情を説明し説得し、第二エリアの全ての人間と会話するまでに半年、仮想空間では2年と半年ほどのの月日が経っていた。その中には、リイナと共に過ごした捧 菜々と最上 由香里も現実の世界へ戻っていた。奈々はエドワードとの生活に不自由を感じなく楽しく暮らしいたが、現実世界を知った際にもう一つの世界の自分が出会った疾風ハヤテを思い出すと現実に戻って本人に会うことを決意した。由香里は貴族との生活が嫌になり奈々が戻るならと共に戻ることにしたのだった。そんな二人を思い出しながら、響は感慨深けに最後のプレイヤーと話をしに向かったのだった。


 その頃、現実世界では、鈴音と幸奈も最後のメンバーの復帰報告を上長であった高官の阿部に伝えにやってきていたのだった。

「阿部さ~ん、おわりましたよぉ」

「あぁ。お疲れ様。

 おかげで私の仕事も無事終わって、肩の荷がおりたよ。

 半年間の短い間だったけど、ありがとね」

 鈴音は、胸を張ると自信満々に答えた。

「いえいえ。

 兄のしでかしたことをやるのは、妹の責任ですから」

「いい妹を持って、兄さんは幸せもんだね」

 阿部の発言に眉をひそめながら鈴音はそれはおかしいと返答するのだった。

「そ、そうですか?

 スズネちゃんが、仮想世界に行かなければヒビキさんは行かなかったんだから」

「もう、ユキナちゃん、それはいわない約束だよ」

 実際には、雪菜を迎えにいったので、元凶は目の前の親友だと思いながらも胸に潜めそのことは顔にもださなかった。

「ふふふ、相変わらず仲がいいね」

「そうですかね?」

「一緒に仕事ができなくなると思うと、寂しくなるよ」

 阿部は、美少女二人と会話ができなくなると思うと心の底から残念がった。

「そうですか?

 いつでも呼んで下さいね」

「うれしいな。

 そういえば、これから二人は第一エリアにいくんだっけ?」

「ええ、幼馴染のりっちゃんを救いにいくんです」

 阿部はこっそりと二人に頼まれていた調べ物を教えたことを思い出していた。

「そっか。

 場所は前に伝えた通りだが、簡単には近づけないだろう。

 気を付けてね」

「ですよね。はい、判りました」

「でも、今の政府雇用みならいの員証があれば、いけるだろう。

 帰ってくるまで席は抜かないから、親友を救ってくるんだよ」

「ありがとぉ、アベさん♪」

 阿部は自分の娘くらいの二人に抱き着かれると照れたが、厳しい旅になることは分かっており、できたら旅にださせたくはなかった。それでも、半年の短い間でも人柄を知ってる阿部はやり遂げるだろうと信じていた。彼は、旅の手配を澄ました電子チケットを引き渡すとと二人へ内容を見送った。


「さて、私もすべきことをするかな……」

 一人暗闇の中、彼も決意を決めると待ち人がいる町へと消えていった。 


ネタバレ山盛りのあとも、前作に興味があるひとは、こちらをどうぞ。

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