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リイナの体はどこ?

 その頃、炎の大陸では、TRTのメンバーが最後の祭りだと告げられており、大陸にいた全員が集まり溢れかえっていた。


 その中には、最強を含んだTRTのリーダーと副リーダなどを含んだ上位者が入っていた。

100名を超す大軍団が、炎の魔王と水の魔王の娘が待ち構えていた。

 どちらも別の大陸では最強の称号をもっている魔王と次期魔法候補だったため、一刻までは魔王は傷一つなくTRTのメンバーを撃破していった。だが、半分程撃たれたところで副リーダが現れ、水の魔王の娘に洗脳のスキルと状態異常増加をもつ腹心のスキルによって服従されると状況が一変した。

 炎の魔王は、愛する女性を反撃で傷つけないようにするため、攻撃を受けるわけにいかず避けるしかなった。攻撃を判断できることで、カウンターをだせる炎の魔王は、避けることで死角が拡がり、致命的と思われる傷を何度も受けていた。それでも魔王が持つ超回復によって、何とか絶命だけは避けられていた。

「く、じり貧だな。

 どうする、一旦気絶させるか」

 炎の魔王がどうするか悩み小声がこぼれていた。そんな中、副リーダは勝ちを確信し顔がほころんでいた。

「ふふふ、諦めて討伐させろ」

「それは、どうかと思うぞ!」

「ぐはぁ」

 その野太い声が、フロア中に響き渡ると水の魔王を操っていた副リーダと腹心は、一撃のもとに討伐され光の粒子へと変わっていった。TRTのリーダーが何事かと振り向くと旧来の宿敵が笑みを浮かべて見つめていた。

「お前は、関!」

 解放戦線の統括だった関は、TRTのリーダーの驚愕している表情に喜ぶと、過去の出来事がフラッシュバックしてきた。

「あぁ、お前のせいで俺のメンバーをかわいがってくれたな」

「あまりにも多すぎて、何のことか、覚えていないが、返り討ちにしてくれる。

 みんな、関を一斉に狙え!」

「二人、そこの女性を連れて行ってくれ」

「「はい!」」

 関は、部下の女性に命令をすると、魔王の闘技場からつれて出て行った。魔王は、愛する女性の無事を今きた冒険者に委ねることにし、協力者に声をかけた。

「そこの冒険者。

 今は礼を言おう!」

「いいさ、こっちが勝手にやってることだ」

 そして、関は敵が多いほど等倍で強くなる最強のスキルによって相手を一人また一人と蹂躪していくのだった。


 そのころ、土の魔王のダンジョンでも、吉原を含めたTRTのメンバーが最後のフロア前のダンジョンでボスの攻略をしていた。

 吉原のスキルの前にボスは身動き一つできないと一方的に攻撃を受けあっという間に討伐されていった。

「さすが、ヨシワラさんですね」

「そのスキル最強ですね」

 一戦ごとに、彼の取り巻きが彼をおだてると有頂天になっていた。

「ははは、おれがTRT最強だからな。

 俺がいれば」

 吉原が自慢をしている中、静かに後ろの一人が光の粒子へと変わって行った。隣にいたメンバーは、何が起きたのか判らなずうろたえていたが、事態が理解した人間からどんどんと光の粒子へと変わって行くのだった。混乱が始まった軍団は、辺り構わず剣を振るいはじめ同士討ちすらも始まりかねない状態に、吉原は全員に劇を飛ばした。

「おまえら、遊んでんな。

 俺を囲んで、先に進むぞ」

 彼の一言によって部隊は落ち着きを取り戻し、吉原を中心に丸くなって進んで行った。だが、端にいるメンバーは見えないところから攻撃をうけ右足、左足と怪我をしていった。怪我をうけたメンバーを中に入れて、ポーションで回復しながらも致命傷は避け、倒されることもなくなり徐々にヒビキの方へ進み始めた。


 荻原は、思ってたのと違ってへらせないなぁ。

 かっちゃんごめんと思いながら、ゆっくりと付いて行くのだった。


 その頃、当のヒビキは土の魔王ニークに伴って神がいる浮遊島へと到達した。浮遊島は、全ての大陸の中心にありそこには小さな洞穴があるだけだった。洞穴を抜けていくとそこには、シューリンを一回り大きくした男性が姿を現した。

 彼は体に似合わわず優し気に微笑むと、視線が合うように膝を落とした。

「君たちは、ヒビキとリイナだな。

 私がこのエリアを管理する玄武のアースだ」


 ヒビキは、時間がないと思っていた彼は直に本題に入った。

「アース様、お願いがあります。

 神様に出会えばどんな願いでもかなえてもらえるんですよね?」

「あぁ、その通りだ。

 一生で一度、どんな願いでも叶えよう。

 君たち二人は、その条件を満たしている」

「だったら、リイナの半身が、リイナの魂をもった人物がこの大陸、いやエリアにいるはずです。

 神様だったら、管理者だったら知っているはずです!

 教えてください!」

 アースは、困ったように眉間に皺を寄せると吐き出すように語るのだった。

「どういう行き違いでそんな情報をしいれたのか判らないが、

 そこにいるリイナと同一の人物はこのエリアにはいないのだ」

「そ、そんなバカな。

 そ、そんなはずはない、絶対、だって、それじゃ……

 う、嘘だ、僕は信じないし、信じられない!」


 土の魔王は、うろたえる冒険者を窘めるため、ヒビキ達の前にたった。

「神であるアース様が嘘をいうわけないだろ。

 お前!失礼なこと言うな!」

「まぁ、待ちなさい。

 そこまで言うこともないわ」

 アースは、後ろから苦しそうにゆっくり歩いてくる妊婦の肩をだくと二人の前に連れてきた。

「エア!無理をするな」


 アースが大事そうに肩を貸しているときに、ヒビキは近くにいた土の魔王に耳打ちした。

「ニーク、彼女は?」

「は?お前何にも知らないんだな。

 私たちの神様は、二人で一人の神様なんだ。

 亀のアース様、蛇のエア様だ!

 そして二人の子供が間もなく生まれるんだ。

 めでたいだろ、ははは」

 ニークが自慢げにヒビキに話しているところで、エアは苦しさでその場に蹲った。

「うっ、うまれそう」

「あ、大丈夫ですか」

 リイナは、アースの反対の肩を担ぐと、二人で、奥のベッドへと連れていくため、歩き出した。

 リイナは、後ろにいるヒビキに決めていた覚悟を告げるため涙を浮かべた顔を彼のほうへ向けるのだった。

「ヒビキ。

 残念だけど、現実世界には一人で戻って。

 わたしは、この世界でヒビキが戻るのを見送ることにするわ」

「そ、そんな……

 そんなことって……

 ま、まだ方法があるかもしれないし……」

 ヒビキが絶望し両膝をついている中、ゆっくりと感傷には浸しくくれなかった。二人が来た道の方から、100人近い軍団がゆっくりとこちらに向かってやってきていた。

「アース様、あれがこの大陸を荒らしまくっているTRTのメンバーです!」

 ヒビキは、資格がなさそうな彼らがどうやってここまでこれたのか、ニークに問い詰めた。

「なんで、渡れるのニーク?」

「あ、誰でも通れるようにセッティングしちゃった」

 ヒビキは、ニークを一睨みすると、まずは現実問題として神討伐を狙う吉原を迎えうちに行くのだった。

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