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新しき仲間

 ヒビキとリイナが揺れる馬車の中で気持ちよく仮眠をとってるころ、そのころ現世では鈴音と雪菜は、蒲生の後ろに隠れて様子を窺っていた。二人よりも年上の姉御肌の女性は、見事な胸を揺らしながら猿顔に向けて怒りをぶつけていた。猿顔の男は、怒っている女性を意に介せず、今まで何があったのかを巧みな話術で話始めていた。

「……で、さっそうと俺が物を調達したんだよ!」

「へっ、いいように言ってるが、

 下っ端で買い出しにいかせられたんだろ」

「見解のちがいだな。

 っていっても、礼もない奴らに頭にきてだな、

 ガツンと言ってやったんだよ」

「ほんとかねぇ、で?」

「図星だったのか、頭にきたんだろう。数人がかりで囲んできやがってな。

 俺も何人かは倒したんだが、多勢に無勢でなやられちまったんだよ」

「ほんとかねぇ、あっさりボコられただけだろう」

「まぁ、いっとけ。

 そこを救ってくれたのが、頼りに兄貴と姉さんだ」

「だれだよ、それ?

 お前みたいなやつを助けるなんざ、かなりのお調子者なんじゃないか」

「たとえ、亜紀といえどもヒビキ兄貴とリイナ姉さんの悪口は許さん!」

「へいへい」

 二人が楽し気に会話をしている中、鈴音と雪菜は、急に現れた二人の名前に驚かされた。雪菜は、鈴音と荻原に聞こえるように小声で話かけた。

「今のってヒビキさんとりぃちゃん?」

「あにぃだね、きっとりぃちゃんの体を探してるんだね」

「やっぱりヒビキ君はリイナのために旅してくれてるんだな」

 三人がこそこそと話している中、彼の話もようやく終わりへと向かっていたようだった。

「で、TRTの奴らが子供を人質にとったのを俺が助けて、ヒビキ兄貴に渡したところで、後ろからばさぁって遣られたんだよ」

「お前にしては、いいことをしたな。

 それにしても、でっかい魔物を倒す魔法使い、魔道士だっけ。

 そんな奴ほんとにいたのかねぇ」

「いるよ、りっちゃんは、大陸一の魔導士だもん」

「そうよ、りっちゃんは、どんな敵だって、一撃もと倒すんだから。

 それに、ヒビキあにぃは、いつだって優しいんだから!」

「あんたら、なんなんだい?」

「それはだな……」

 リイナの父、蒲生が二人に3人できている説明を行い感情屋の門木が涙を流すのであった。

「姉さんが、そんなことに……

 おいらも手伝います、いや、手伝わせてください!!」

 門木は、蒲生の両手を握ると流れる涙も吹かなかった。

「おい、亜紀お前も手伝え」

「へいへい、言われなくても手伝うよ、まったく」

 亜紀は、腐れ縁を嫌がってはいたが、門木が世話になって恩人たちの知り合いを無下にすることは考えれなかった。

「さて、どうなってるんだ、そとは?」

「さぁさね、なんか囲まれてるっていうか、襲われてるっていうか、大変みたいさね」

 亜紀は、蒲生の質問を人ごとのように返したが本人も何が起きているかまったくわかっていなかった。それでも、見張りは既にしなくなっており、全員で部屋を抜け出すのは簡単だが、建物を抜け出すにはいい案が浮かばなかった。

 先頭を、亜紀と門木で進み、鈴音と雪菜、しんがりを蒲生が受け持ちゆっくりと建物を進んで行った。慎重にゆっくりと見つからないように進んで行ったが、いたるところで爆発音や破壊音が聞こえ全員に緊張が走って行った。ようやく非常階段までたどり着くとゆっくりと上がって行った。時折脇を男たちが駆け上がって行ったが、慌てているせいか気にしながらも放置して目的の場所に向かって行った。

 蒲生は、ようやく建物の全容を思い出すと戦闘音の少ない出入り口に向かってみんなを誘導することにした。だが、警戒しながらも、その出入り口には複数のTRTのメンバーが控えていた。悪いことにそこには、蒲生たちを連れて行ったメンバーが含まれており、銃口をが向けられていた。

「おまえら、どっから逃げてきた」

「もういい、殺しちまおう」

 TRTのメンバーは襲撃され既に精神が異常をきたしていた。全員に危険が差し迫った時、ドアの出入り口から、数人の外人の男性が現れ3人のTRTメンバーを駆逐していった。5人は急な惨劇に完全に固まり指一つも動かせなかった。

「Target discovery.OK. I will take you」

武器を持った男二人は、武器を下げると5人に近づいて行った。彼ら5人に近づき、付いて来るように話しかけると不安いっぱいな彼らを警護するようにゆっくりと駐車場へと回って行った。数分もすると駐車場に到着し、幾人もの男性が蒲生が乗ってきたフォバー型のトレーラの前に陣取りその中央には、男たちに見合わない身重の女性が待っていた。彼女は、3人を見つけるとゆっくりと近づいて行った。

ネタバレ山盛りのあとも、前作に興味があるひとは、こちらをどうぞ。

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