囚われの仲間
ヒビキが目が覚めた時には、館の中の畳の上の布団で寝かされていた。その脇には、リイナが心配そうにヒビキを見つめていた。
「うぅ、何がおきたの?」
リイナは、門木と魔王の死を伝えこの後向かう次の魔王がいる大陸について話したのだった。ヒビキが目を覚まさない間に、長から最後の魔王への移動を聞いたのだった。本来であれば、船での移動しかないのだが、TRTに拿捕されていると思うと長は奇策を提案したのだった。大陸の奥に住む亀人の背に乗って潮流に移動することで、船よりも早く到達することができるかもしれないということだった。
長を含めた複数人のバードマンは、村に危険があるかもしれないということで、連れてきた村長の孫娘と許嫁のバードマンを残したまま帰って行った。
ヒビキが立ち上がると、隣の部屋に居た村長の孫娘と許嫁のバードマンがやってきた。
「事情はわかりました。今は、悲しみのまま立ち止まるより、
先に進まないといけない!
宜しくお願いします」
「ええ、任せてください」
ヒビキとリイナを持ち上げると、亀人族がすむという村に向けて渓谷を抜けて出発したのだった。
その頃、現実世界では、3人は最初の場所からさらに奥深くの地下へと連れて行かれた。最初の部屋よりも広くなったが、物が大量に置かれ倉庫に使われているような部屋であった。過去にこの建物を使っていた蒲生だったが、数年の歳月により拡張されここが地下のどの部屋でどうやって外にでればいいのかわからなくなってしまった。蒲生は、安心している二人に告げれず困ってしまった。だが、蒲生にも想定よりもよくなったことがあった。それは、見張りが二人から一人へと変わったことだった。だが、マイナスもあった。それは、その一人が筋骨隆々であり、肉弾戦ではどうやっても勝てそうにないことだった。
そんな中、五月蠅く暴れながら両脇を掴まれた猿顔のひょろったした男性がやってきた。二人に強制連行して連れられてやってきたのは、反逆したことで処分をどうするか決めかねているようだった。部屋に放り投げるようにおいて行く、彼は辺りを見回し、二人の少女と蒲生をみつけ自分のことよりも3人のことを聞くのだった。
「あんたら、何したの?
こんなところで、捕まってるなんて」
蒲生は、全てを濁して適当に合わせたが彼は疑いもなく信じた様子だった。
その時、数方向から爆発音がなるといくつかで戦闘が始まったようだった。猿顔の男を連れてきた二人とドアの守りを固めていた屈強な男たちは話し合うと、屈強な男を一人を除いていなくなってしまった。蒲生は、猿顔の男を仲間sにして倒せないか算段していたが、間もなくドアの方で話声がすると女性と入れ違えで屈強な男はいなくなってしまった。
猿顔の男は、彼女の声を聞いてからもう大丈夫だと少女たちに声を掛けてドアの方に近づいて行った。しばらくすると鍵が開く音がし、美人の女性がはいってきて猿顔に近づくとげんこつで頭をなぐった。その様子は、本気ではなくどうしようもない奴だなといった様子だったので、3人はこの後どうなるかしばらく眺める必要があった。
ネタバレ山盛りのあとも、前作に興味があるひとは、こちらをどうぞ。
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