革命家ではなく神の使いになりました?
淡い光とともに浮遊感を感じ地面に足がついた。
辺りを見渡すと緑、上下左右草草、、、
「森かよ、、」(また、このパターンか。。)
俺は最後に聞こえた、、
あの少女の嘆きも、あの赤鬼の罵倒も、
そして、あのジジイの叫びも。
忘れない、間違わない、手放さないために、手の中にあるモノをしっかりと握りしめて
全速力で走った。
俺はこの時からわかっていたのかもしれない
この体のルールに。
村に着いても前回の静けさと全く変わっていなかった。村にはまるで生気が無く、どす黒い死のオーラがひしひしと伝わってきた。
「誰かー!誰かいませんか〜!」
俺は手に握りしめたメガホンで叫んだ
「まさか、ここで役に立つとは。やはり捨てたもんじゃなかったなw」俺はニヤリと口を歪めた。
そして俺は、来てしまった。
アノ家に、例の家に、、、 ――霊の家に
俺は一息ついて、ドアを開けた。
「あら?お客さん?」
エプロン姿の女の人が出迎えて来た。
「あんた、ここらじゃ見ない格好だな?」
さらに奥から眉間にシワをよせた、大柄の男、
「とーちゃん!かーちゃん!どったの〜?」
小さい子どもが出てきた。
――大、中、少のミノムシ、、、
「う、うぷ。おえぇぇぇぇ」
「だ、大丈夫ですか!?」
「早く水と雑巾もってこい!」
「うわ〜きったねー!」
「うう、げほっごほっ!ごくごく、、、
ありがどうござびばず。。」
本当によかったよ。この家族がいい人で、、
「とりあえずは、落ち着いたか?
君はどっから来た、誰なんだ?」
大柄の男が怪訝そうな顔で聞いてきた。
俺は考える。そして思い出す。
この村の雰囲気、ミノムシの殺人方法、歴史の教科書
あのジジイの言葉――――【邪教】
「俺は、、、
【天界か来た神の使い】です」
「「「はあ? 」」」
近くで聞いていた、子どもと主婦さんも驚きというより、呆れたようか声で言ってきた。
きっとこの子は可愛そうな子なんだ。
って絶対思われているので、さらにたたみ掛ける
「これは、声を大きくすることができる、魔法の道具です!」
と言って試しにあーあーと言ってみた。
「うるさい!うるさい!!」
耳を塞ぎながら怒る男。
「ね?」
「もうわかったから出てってくれ!」
追い出されてしまった。
すると、何やら広場に人だかりができていた。
「何しているんですか?」
「ん?、、うわっ!?あんたゲロ臭え!」
いきなりヒデェな!
「そろそろ役所の武士サンが来るんだってよ」
ほうほう
「そんでもって、またあの絵踏みをやらせるんだってよ。誰も踏むわけねーのに」
なるほど、なるほど
「ちなみに、その武士サンとやらは何処から来るんですか?」
「向こうにある城からだよ。見えるだろ?」
あ〜、あったあった。城の中では小さいほうかな?
向こうの方角にはちょうど、橋と坂と崖があるはずだ。
「ところで、あんたは旅人かい?ならさっさと逃げたほうがいいぞ?
今日はついに【駆除の日】だぞ?」
、、、心に矢が刺さったような衝撃だった。
お前ら、まじかよ。
今日死ぬってわかってたのかよ。
じゃあ、なんで!?なんで、笑顔なんだよっ!?
周りには泣いてる子どもや女の人もちらほら
「まあ、覚悟が足りないヤツもいるけど。
みんな極楽浄土にいけるから!」
と男の人は言った。
ふざけんな
「ん?どーかしたか?逃げるなら早くしろよ?」
「ふざけんじゃねーよ!!!」
俺はメガホンの音量を最大にして叫んだ。
―――いいぜ、やってやる。
チート能力がなくても力がなくても信用がなくても
その腐った考え方を革命してやる。
俺はさらにこう続けた―――
「俺は神の使いだ!!!」
初めての評価!!
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