第7話〜初クエスト〜
第7話 登場人物
・コウキ
・ヨウム
・リョウマ
・サリー
・シズエ
・ミリナ
・フェニックス
・エアリィ
風属性の上位精霊。主人公に興味を持つ。
ある日の夜主人公に聞こえた声の正体。
...
...
フェニックスと約束をしたことにより回数制限があるにしろ不死の加護を貰った俺はヨウムやリョウマと一緒にギルドに来ていた。
コウキ「良し!行くか」
ヨウム「おう!」
サリー「あ!コウキさんにヨウムさん。おはようございます」
コウキ「おはよう」
サリー「何かお探しですか?」
コウキ「軽くクエストをこなそうと思って。修行も兼ねてね」
サリー「分かりました。ではこちらはどうでしょう」
サリー「スライム10匹の討伐ですよ。場所はここからあまり離れてないところにある草原です」
サリー「コウキさんはお強いのでもっと強いモンスターでもいいと思ったのですが戦闘に慣れていないと危ないですから」
コウキ「分かった。スライムのクエストを受ける」
サリー「承りました。それではクエストを発行します。コウキさん達のご武運をお祈りしております」
クエストを受けることができた俺は2人と合流して食事を取りに行った。
ヨウム「ところでコウキは何のクエストを引き受けたんだ?」
コウキ「スライム10匹の討伐だよ」
リョウマ「修行も兼ねてだからそれが良いな」
...
食事を終え、ゆっくりした後
コウキ「良し、行くか!」
ヨウム、リョウマ「おう!」
町を出て5分ほど歩いた所で青くて丸みを帯びたモンスターに出会った。
コウキ「すげ〜スライムだ!やべ〜この世界に来て初めて見るモンスターだ」
ヨウム「コウキのやつ分かりやすくテンション上がってるな」
リョウマ「まあモンスターを見るのは初めてだから仕方ないなw」
スライムは低位モンスターだ。戦闘での動きを習うのに初心者にはうってつけのモンスターである。
リョウマ「コウキ!まずは思うように1人でやってみろ」
リョウマ「戦闘に関しては人に習うより自分で慣れた方が早い」
コウキ「おう!やってみる」
コウキ(最初はスキルを使わず、剣だけでやってみるか)
俺は背中に背負っている鞘から神剣デュランを抜いた。
デュランを構えスライムと対峙する。
先に攻撃をしたのは俺だ。
一気にスライムとの距離を詰めてデュランを振った。
その瞬間スライムは真っ二つに切れ消滅した。
コウキ「うっわ〜やっぱ強えーなこれ」
ヨウム「やばっ!流石の切れ味だな」
リョウマ「は⁉︎え?何?その剣チートじゃない?」
コウキ「まあチート級に強いわな」
リョウマ「その剣どうしたんだ?前会った時には持ってなかったよな?」
コウキ「こいつはリョウマに会った次の日ヨウムと一緒に行った武器屋で貰ったんだ」
リョウマ「貰った?買ったんじゃないのか?」
コウキ「ああ。あそこのお手洗いに行くのに路地裏に行ったらある人がくれたんだ。俺が転生者だと伝えたらここで転生者さんに会えたのも何かのご縁だ!この剣を君にあげるよってくれたんだ」
リョウマ「そのある人って?」
コウキ「ロンメルって人だよ」
リョウマ「ロンメルさんって数十年前に活躍したっていうギルドの英雄じゃねーか」
リョウマ「じゃあその剣は...」
コウキ「ああ。ロンメルさんが実際に使ってたと言われている神剣デュランだよ」
リョウマ「やっぱりか。それであの攻撃力と切れ味か!納得したよ」
しばらく歩いているとスライムが5〜6体が群れを作っている所に遭遇した。
コウキ「お⁉︎あそこめっちゃいるじゃん」
ヨウム「手ぇ貸そうか?」
コウキ「大丈夫だ。それよりヨウムとリョウマは少し離れていてくれ」
ヨウム、リョウマ「了解!」
俺は2人が離れたのを確認した後、ある魔法を放った。
コウキ「黒稲妻」
魔法を放つと空からスライム達に向けて黒い稲妻が降り注いだ。
そのパワーは凄まじくスライム達は吹き飛び、やがて消滅した。
コウキ「これ強すぎじゃね?剣とタメ張れるぞ...」
俺以上に驚いていたのがヨウムとリョウマだった。
ヨウム「わーお!すっげぇ威力!てか何その魔法」
コウキ「黒稲妻だよ」
リョウマは開いた口が塞がっていなかった。
コウキ「これは使い所を考えないとやばそうだなぁ」
それから20分ほど談笑しながらも残りのスライムを倒し、ギルドにクエストクリアの報告をしに帰る一行であった。
...
ギルドに報告を終えた俺たちは家への帰路についた。
ヨウム「母さん、ただいま」
シズエ「みんなおかえり」
コウキ「シズエさんただいま戻りました」
リョウマ「2日連続でお世話になります」
シズエ「良いってことよ。3人とも手を洗ってきな」
コウキ「はーい」
俺たちは手を洗い、夕食を取ることにした。
食事の最中、俺達の話は当然昼に受けたクエストについてだ。
コウキ「んにしてもこの剣強すぎてちょっと引くわ」
ヨウム「本当にな!確かにやばかったわ」
シズエ「何のクエストを受けたんだい?」
コウキ「修行も兼ねてだったのでスライム10匹の討伐です」
シズエ「スライム相手なら瞬殺だろうね」
シズエ「いや、スライムじゃなくても大体瞬殺できるだろうね。相手が強すぎなければね」
ヨウム「剣もそうだけどコウキのスキルもやばかったよな」
コウキ「確かにな。あれは使い所を考えないとやばそうだ」
ヨウム「あのパワーなら下手に使うと周りの人を巻き込みかねないな」
ふと、何かを思い出したのか俺はスキルウィンドウを開いていた。
ヨウム「どうしたんだコウキ?いきなりスキルウィンドウなんか開いて」
ウィンドウを開くと加護:不死(回数制限有り)が追加されていた。
コウキ(やっぱり昨日の夜中の出来事は本当だったんだよな)
シズエ「どうしたんだいコウキ?」
コウキ「みんな落ち着いて聞いてくれ」
コウキ「みんなは不死鳥フェニックスを知ってるか?」
ヨウム「勿論だ!」
リョウマ「ああ、知ってるよ」
シズエ「知ってるとも」
ミリナ「本で読んだことならあるよ」
コウキ「やっぱり見たことはないんだなぁ」
コウキ「信じられないかもだけど俺は昨晩、この家の前でフェニックスに会ったんだ」
コウキ「と言っても夜中だったけどね」
ヨウム「こんな所にいるわけないじゃん」
コウキ「証拠ならあるよ」
そして俺はみんなに自分のスキルウィンドウを共有して見せた。
コウキ「スキルの下に加護の枠が追加されていてそこに不死ってのがあるだろ?」
ヨウム「確かにあるな」
リョウマ「前に見せてもらった時には無かったよな?」
コウキ「それが俺がフェニックスと会ったっていう何よりの証拠だよ」
コウキ「俺を強き者だと見抜いて来たらしいんだ」
コウキ「ただ意識だけを飛ばしてきたらしくて...
本体は隣の大陸にあるとある街はずれの山の頂上にある城に囚われているらしいんだ」
コウキ「フェニックスを助けるって約束したら不死の加護を俺に授けてくれたんだ」
ヨウム「なるほど...」
シズエ「そんなことがあったなんて...」
コウキ「信じるかはみんなに任せる」
シズエ「コウキはどうするんだい?」
コウキ「助けるってフェニックスと約束したのでクエストをこなしながら修行をします」
ヨウム「少し考える時間をくれないか?気持ちを整理したい」
リョウマ「俺もそうさせてくれ」
コウキ「分かった。あんまり急がないからゆっくり考えてくれ」
その後食事を終え、ヨウムとリョウマは2階に上がっていった。
...
そして次の日朝、ヨウムは俺の所に来ていた。
ヨウム「コウキ、昨日の話だけどさ...俺もコウキについて行っても良いか?」
コウキ「え⁉︎」
予想外の回答に変な声が出た。
ヨウム「だから俺もコウキと一緒にフェニックスを助けるよ」
コウキ「良いのか?」
ヨウム「だってコウキ、この世界のこと何も知らないでしょ?まあ俺もこの町から出たことないから外の世界を見てみたいってのもある」
コウキ「分かったよ。じゃあ一緒にクエストをこなしながら修行をつけて行こう」
するとリョウマも俺のところに来た。
リョウマ「俺も行くぞ!」
コウキ、ヨウム「え⁉︎」
コウキ「リョウマまで居なくなってこの町は大丈夫なのか?」
リョウマ「俺と同じくらい強いやつや俺より強い奴なんか何人もいるさ」
リョウマ「それに町の警備隊もいるし多分大丈夫さ」
コウキ「まあリョウマが言うなら良いか」
リョウマ「つーわけで俺も一緒に行く。よろしくな」
コウキ「ああ!よろしく頼むよ」
ヨウム「じゃあ明日は3人でギルドに行くか」
コウキ「クエストを受けるのか?」
ヨウム「それもあるがまずは俺達3人でパーティーを組むためさ。パーティーを登録しに行くんだよ」
コウキ「なるほどね〜」
ミリナ「......」
その日は3人でパーティーの組み方や組んだ時の編成について話し合った。
...
その日の夜(時計は夜中の2時過ぎ)、俺は変な夢を見ていた。
謎の声(早...く私を...呼んで...?)
コウキ(君は誰だい?)
謎の声(私は...エアリィ...。真名はエアリアルだけど...みんな親しみを込めてエアリィと呼んで...くれる)
コウキ(エアリィ...君は何者なんだい?)
エアリィ(私は...風属性の上位精霊)
コウキ(精霊⁉︎)
エアリィ(そう...。精霊は興味を示した人の前にしか...姿を現さない。あなたが呼んでくれれば...私は姿を見せられる。それには修行が...いる。がんばって。)
コウキ(おい!エアリィ‼︎エアリィー!)
コウキ「はっ!はー、はー、ふぅー」
コウキ(エアリィ。俺は君に会いたいよ)
その日は夢のこともありあまり寝つけなかった。
今回は初めてのクエストをしたりみんなにフェニックスとの約束を話すなど盛りだくさんでしたね!
そして最後にコウキくんの夢に出てきた精霊ちゃんはちょこちょこコウキくんの夢に出てきます。
本格的に出るのはもうちょい後のお話です
※因みに精霊ちゃんのところで出た真名という漢字はまなと読みます。