第10話〜水竜リヴァイアサン〜
第10話 登場人物
・コウキ
・ミリナ
・サリー
・フューズ
・リヴァイアサン
コウキが1人で受けたクエストに出てくる湖の主
...
...
昨日の夜ミリナに修行は昼からにすると伝え了承をもらった俺はヨウムやリョウマには内緒で1人ギルドに来ていた。
コウキ(あのクエストまだあるかなぁ...)
クエストボードを見渡しているとボードの端っこの方で昨日見つけた湖の身辺調査という謎のクエストを発見した。
コウキ(良し、まだあったな...。気になるし受けてみよう)
今日もサリーさんはいた。
コウキ「サリーさん。おはようございます」
サリー「コウキさん! おはようございます」
サリー「あれ?今日はコウキさんお1人ですか?」
コウキ「ええ。少し気になったクエストがあったので1人で来ました」
サリー「どれですか?」
コウキ「これですね。湖の身辺調査」
サリー「あー。これですか」
コウキ「何で湖の身辺調査のクエストなのにこんなにクエストの推奨ランクが高いんですか?」
サリー「それはこのクエストが曰くつきと言われているからですよ」
コウキ「曰くつき...ですか?」
サリー「はい。今までも何人かがこのクエストを受けられていたんですが誰一人として帰ってこなかったからです」
コウキ「そんなことがあったんですね...」
サリー「なのでクエストの推奨ランクが高いんですよ」
コウキ「...このクエスト受けてもいいですか?」
サリー「え⁉︎これ受けるんですか?」
コウキ「はい。気になるので...」
サリー「分かりました。今まで以上に気を付けてくださいね」
コウキ「ありがとうございます。行ってきます」
サリー「行ってらっしゃいませ」
クエストの湖はラピルスから北に10km離れたところにあった。
コウキ(ここがクエストの湖か...)
コウキ(とりあえず近付いてみるか)
と湖の水面に近付こうとした瞬間湖から巨大なモンスターが出てきた。
コウキ「ド...ドラゴン⁉︎」
俺の目の前に現れたのはかなり大きな水竜型のモンスターだった。
謎の声「そなた...ここに何の用だ?」
コウキ「え⁉︎どこから声が?」
謎の声「そなたの目の前におろう」
コウキ「え⁉︎あなた人語が話せるんですか?」
謎の声「私に限ったことではないが...知性を持ったモンスターは話せる奴が多いのだ」
コウキ「ところで1ついいですか?」
謎の声「どうした?」
コウキ「あなたのお名前は?」
コウキ「私はコウキと申します」
謎の声「コウキか...良い名だな」
謎の声「私はリヴァイアサン。水魔法と回復魔法が得意な水竜よ」
コウキ「なるほどです。ところでリヴァイアサン」
リヴァイアサン「ん?」
コウキ「ここ最近僕に似た人間が訪れませんでしたか?」
リヴァイアサン「そういえば来たな。いきなり攻撃を仕掛けてきたから返り討ちにしてやったがな」
コウキ「あの...1ついいですか?」
リヴァイアサン「なんだ?」
コウキ「呼びやすいようにあなたに名前を付けたいのですが良いですか?」
リヴァイアサン「何⁉︎そなた...私に名付けをしてくれるのか?」
コウキ「ええ。あなたが良いのなら...ですけどね」
リヴァイアサン「ああ!とても嬉しい。是非名を付けてくれ」
コウキ「では失礼して...」
少し悩んだがすぐに決めることができた。
コウキ「ナオ...?ナオっていうのはどうですか?」
リヴァイアサン「ナオか!とても良いな。気に入った」
コウキ「良かったです。じゃあこれからはナオって呼びますね」
ナオ「わかった。それでだな私からもそなたに2つほど言いたいのだが良いか」
コウキ「ええ。良いですよ」
ナオ「私をコウキの仲間にしてくれないか?」
コウキ「え⁉︎」
まさかの提案に心底びっくりした!
コウキ「仲間になってくれるのは嬉しいですがいいのですか?」
ナオ「勿論だ。ここにいても暇だしコウキについて行くほうが何倍も楽しそうだ」
コウキ「とても嬉しいです。これからよろしくお願いします」
コウキ「後もう1つの言いたいことってなんですか?」
ナオ「折角仲間になるのだしタメ口で話さないか?」
コウキ「良いのですか?」
ナオ「別に構わんし敬語で話されるとよそよそしく感じるからな」
コウキ「分かった。こうで良いか?ナオ」
ナオ「感謝する」
コウキ「そういえばナオって姿を変えられるのか?」
ナオ「どうして?」
コウキ「その姿のままだと目立つから姿を変えた方が良いんじゃないかって思うんだ」
ナオ「それなら簡単だ。少し待っててね」
するとナオに光が集中してきた。
眩しかったので思わず目を瞑ってしまった。
コウキ「ナオ⁉︎大丈夫か?」
ナオ「うん。問題ない」
ナオを見ると身長170cmほどで青い髪に蒼い大きな目を持った人型になっていた。
コウキは気付いていないがナオは元から雌だったが名付けをしてもらったことによりさらに口調が女の子っぽくなっている。
コウキ「結構美形なんだな。羨ましい...」
ナオ「そうか?嬉しいな」
コウキ「じゃあ帰ろうか」
ナオ「うん。これから世話になる」
俺はクエスト報告のためナオと一緒にギルドに帰るのであった。
...
ギルドにて
コウキ「サリーさん。ただいま戻りました」
サリー「コウキさん!おかえりなさい」
サリー「あれ?そちらの方は?」
コウキ「実はそのことでギルマスに用があるのですがフューズさんはいますか?」
サリー「ええ。話をつけてくるので少々お待ちください」
しばらくするとサリーさんが2階から帰ってきた。
サリー「ギルドマスターが会われるそうなのでご案内します」
俺とナオはサリーさんに連れられ奥の扉から2階へ上がりギルドマスターがいる部屋に行った。
コウキ「フューズさん。どうも」
フューズ「おお!コウキくん。久しぶり」
サリー「私はこれで失礼しますね」
コウキ「あっ...サリーさんにもいて欲しいんだ」
サリー「そうですか...では私も残ります」
フューズ「ところでコウキくん。そちらの方は?」
コウキ「その前にご報告が...実は今日僕は変にクエストの推奨ランクが高い湖の身辺調査を受けたんだ」
サリー「そういえば受けられてましたね」
フューズ「おお!あのクエストか‼︎」
フューズ「それで何か分かったかな?」
コウキ「ああ!まずクエストに行った冒険者が帰ってこなかったのは湖に住んでいたリヴァイアサンと言う水竜によるものだった」
サリー「えー⁉︎」
フューズ「あのリヴァイアサンが湖に住んでいたと言うのか...」
フューズ「それでそいつはどうしたんだ?」
コウキ「それについては彼女に話して貰いましょうか」
ナオ「初めましてフューズ殿、サリー殿。私が先程話に出てきていたリヴァイアサンです」
フューズ「え⁉︎コウキくん...一体どういうことだい?」
コウキ「言った通りだ。彼女がリヴァイアサンだ。俺が名前を付けたら仲間になりたいといって付いてきた」
コウキ「ギルドマスター。いきなりですまないが彼女を俺達ドラゴンハンターのメンバーに入れるよう冒険者登録してくれないか?名前はナオだ」
フューズ「コウキくん関連で逐一驚いていたら身が持たんな」
フューズ「分かった。ナオちゃんを冒険者として登録しておこう」
フューズ「そのあとコウキくん達のパーティーに入れておくよ」
コウキ「ありがとう」
フューズ「少し時間がかかるが良いか?」
コウキ「問題ない。明日来れば良いか?」
フューズ「ああ。明日サリーくんにナオちゃんのギルドカードを渡しておくからギルドに来たらサリーくんを訪ねてくれ」
コウキ「分かった」
コウキ「今日は助かったよ。ありがとう」
フューズ「また何かあったら遠慮なくいってくれ」
こうして俺とナオはギルドをあとにし家に帰るのであった。
...
家に帰った後ナオのことをみんなに話すとみんな絶句しすぎて時が止まっているようだった。
話終わると昼の2時を過ぎていたので俺は急いで準備をしてミリナとの修行に向かった。
コウキ「ミリナごめん。遅れたか?」
ミリナ「全然大丈夫だよ」
コウキ「じゃあ早速始めるか」
ミリナ「うん。お願いします」
コウキ「まずは魔法からだな」
コウキ「小手調べに火属性の火槍をやってみな」
ミリナ「うん!」
ミリナ「火槍!」
コウキ「へー!ミリナも詠唱あんましないんだな」
ミリナ「私もってことはコウくんも?」
コウキ「おう!やってみせようか」
ミリナ「うん!お願い」
コウキ「お⁉︎あそこにいるのミレム・ボアじゃん」
コウキ「黒稲妻」
すると空からミレム・ボアめがけて黒い稲妻が落ちてきた。
どうやら一撃で黒焦げのようだ。
コウキ「ざっとまあこんなもんだ」
ミリナ「コウくん凄い!あんな魔法が使えるなんて」
コウキ「ミリナも凄いよ!詠唱あんましてないのにあれだけのパワーで撃てたんだからな」
俺はミリナの頭をポンポンと撫でる。
ミリナ「えへへ〜///」
やっぱ可愛いなぁ。
その後も俺とミリナの修行は続き、気付けば辺りは暗くなって来ていた。
コウキ「そろそろ暗くなって来たし帰るか」
ミリナ「うん。また教えてね」
コウキ「おう!あと毎日魔力循環の基礎トレーニングはしとくようにな」
修行を終えた俺達は家に帰るのであった。
いや〜
遂に新キャラ出ましたね
水竜リヴァイアサン!
彼女が今後どのような活躍をしてくれるか期待ですね。
*次回で第1章最終回です。
次次回から第2章が始まる予定です