敏腕エージェントとわがままボーイ
彼女は自分の仕事が好きだった。この国で一番の業界シェアを誇るシークレットサービスの組織の一員だ。発展目覚ましいこの国には世界各国から様々なゲストが訪れる。
「...今日は,子守なのね。」
都心からほど近い空港でプライベートジェットから降りてくるクライアントを待ちながら,彼女は誰にともなく呟いた。
今回の依頼は,某国トップの息子の警備。プライベートな旅行らしいが,経済発展が目覚ましいこの地域の偵察も目的の一つだろう。
どのような依頼でも手を抜かない彼女だが,事前に渡されたショッピングエリアや観光名所の膨大なリストを睨みながらため息をついた。
彼らの希望から現地受け入れ体制,交通,スケジュールなどを考慮し,警備をしながら案内をする。そこまでが彼女の組織が請け負った仕事だ。事前に練った計画を反芻しながら,それぞれの持ち場についたチームの報告を確認し,タラップを降りてくるボンボンを待った。
「まったくどんな小僧が来ることやら。」
なろう初投稿です。
ハードボイルド系好きなのですが,表現力の限界にぶち当たっています。
ゆるゆると継続して書いていくことを目標に。完結までお付き合いください。