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序章







いつからだろうか…

世界がこんなにも錆びついてしまったのは。


空は血のように赤黒く、草木は枯れ果て、建造物は崩れて瓦礫へと慣れ果てた。人っ子ひとり見当たらず

あとは刹那とも永遠とも思える時間の中で終わりの時を待つ世界。


薄汚れた雨が降る瓦礫だらけのその場所で一人の少年が横たわっていた。この世界は彼が生まれ育った世界であり、彼にとっては掛け替えのない思い出が眠る世界だ。


後悔はない。

ただ俺は一人の少女を救いたいだけだった。

いや、後悔がないわけではない。

後悔してもどうしようもないんだ。

もう終わってしまったのだから。


こんな事を考えていると、今まで考えないようにしてきた色々な事が心の底から溢れ出してくる。


「死にたくねぇ」


小さく嘆いた。この声に応える者はもう残っていない。 もし、ここに他の人間がまだいたとしたら聞く耳を持たずに真っ先に彼を殺した事だろう。それもそのはず、この世界を滅ぼしたのは他でもない彼だからだ。人類を滅ぼした人間が言っていい言葉ではなかった。酷く自分勝手で浅ましく、そして救いようの無い言葉。これは平和だった頃を思い出してその幸せの中で生きていけたらどれほど良かっただろうかなんていう願望と、それを自分で壊してしまった後悔の中で、それでも何処か諦めきれないのか、もう無いはずの希望や可能性を必死に探して故の足掻きの言葉なのかもしれない。ここには良くも悪くも彼を責める者はいないのだ。


彼は瞳を閉じた。目を開けていても見える物は汚い世界だから目を閉じて物思いにふけっているのか。はたまた永い眠りについたのか、それは誰にもわからないし、どうでもいい事だ。もう全て終わったのだから。


これは一人の少年が、一人の少女を救うために世界を滅ぼすまでの物語だ。

他の華々しい主人公が大活躍する英雄たちの物語とはちがうかもしれないし、汚くてカッコ悪いかもしれない。

それでもボクは彼を称賛しよう。

とてもじゃないけど彼は物語の主人公には向かないし、どちらかと言えば、勇者と『その仲間たち』の様に適当にまとめられてしまうような立ち位置の奴だ。

よくいるだろ?主人公の傍らでクールに決め込んで時々手助けしたりする不器用な奴。

彼はそんな奴だ。

そんな奴だからこそボクは彼が大好きなんだ。

一見、クールに決め込んで我関せずって感じに振舞っているけど何かあるとすぐに陰で助けてしまうような優しい奴だ。


えっ?ボクが誰かって?

ボクは女神のアルティファーナって言うんだ。

みんなはアルって呼んでるよ。

ボクはこの物語の語りべであり、出演者でもあるのさ


始めは何から話そうか…



初投稿です。

悲しいダークファンタジーを書けたらと思います

新参者ですがよろしくです

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