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ハイエンド・ローエンド  作者: 乱丁 海月
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買い物4

こんにちわわ乱丁海月です

気まぐれと心のやる気と現実の忙しさで投稿頻度の変わる乱丁海月でごぜぇます

待っていた人はごめんなさい。お待たせしました。

読み始めて間もない人はこれからもどうぞよろしくです。


では拙い文章をどうぞ

「ハイ……?」

「なんかねー、ピンってきたのよー」

 シャルルは歯をむき出しにしてしたり顔で奴隷の問いに答える。


「どうよー、ロウ」

 今度はこちらに対してしたり顔を向けてくる。

「呼びにくいな」

 どう考えても呼び手のことを考えられていない。シャルルの命名は昔からこうだ。実験動物に毎回名前をつけるも、自分が気に入るか気に入らないかが名前を決める基準になっている。過去に私の実験動物に「イイ」「スラ」「メルラ」と名付けている。

 実は私の名前もシャルルにつけられた。魔法使いは基本的に本名を名乗ることはない。なので私は特に気にはしなかった。


「えー?よくなーい?ねぇ?」

 シャルルは奴隷に笑みを向け、問う。

「え、えっと…………あの…………………あ………」

 奴隷は煮え切らない態度で返答に困っていた。嫌なら嫌と言えばいいのだ。呼ぶときも名乗るときも「ハイ」は言いにくく困るだろ。

「…………」

 シャルルはそんな奴隷の様子を微笑んで見ている。いたずらっ子が新しいいたずらを思い付いた、そんな微笑みで。

「そっかそっかぁー」

 笑みを浮かべるシャルルははしゃぐかのように座っていた椅子から立ち上がり、後ろにある商品棚のなかから小さな木箱を取り出す。木箱は特別な装飾や模様は見られずシャルルの手に丁度収まるようなそんな木箱だった。


 シャルルの開けた木箱の中には綺麗な濃紫の宝石が静かに光っている。この宝石は………

 シャルルはその小さな宝石をつまんで取り出すと、奴隷の額に当てて呪文の詠唱を唱え始めた。詠唱は魔法使いが魔法を行使するときに必要なことで、魔法使いが世界の情報を書き換えるための技術のようなものだ。宝石は情報の書き換えを円滑にするための触媒で、触媒なしだと並みの魔法使いでは簡単な魔法を使うのに一年以上かかってしまう。


「おい、シャルル」

 自分の所有物に魔法をかけようとしているの黙ってみているわけもない。シャルルに事情の説明を求めるために声をかけるが、シャルルは同時に詠唱を完了させて満足気な笑みを作っている。

「ちょっちだまってなよ、ロウ」

 こちらを見向きもせずにそういって、奴隷の頭を軽く撫で始める。

「君はこの名前気に入らないかなぁ?」

 シャルルは先ほどと同じような質問を奴隷に問いかける。

 奴隷は先ほどと同じように答えに窮して口の開閉を繰り返している。しかし………

「………正直に申しますと、呼びづらくセンスのない名前だと思います」

 と、奴隷は流暢に感想を述べた。

 その事実に私は驚き奴隷を見ると、奴隷自身も驚いた表情を浮かべ手で口を覆っている。

「なははははー!」

 シャルルは奇怪な笑い声を店に響き渡らせる。

「シャルル」

「ん?ぁあ、あぁ、ちょっとばかり魔法を使ってハイちゃんを素直にしただけだよ!!」

 などとシャルルは愉快そうに自慢気に説明をする。

 奴隷の様子を窺うと少し青ざめた表情で

「なに………これ………」

 と呟いている。思ったことがそのまま口にでてしまうのだろう。奴隷は変化に動揺を隠しきれずにいる。いや、これの表情も魔法の効力かもしれない。

「まぁまぁまぁ、この程度の石っころじゃあ一時間程度しか効力は持たないしぃ、一生そのままってわけじゃあないから安心していいよ」

 シャルルは片目を瞑り親指を立てて笑顔を向けてくる。イタズラが成功した子供そのものだ。


 宝石のほうを見ると、濃紫だった石は少し黒みを帯びて濁っている。魔法の触媒に使用される物には使うごとに魔力が溜まってゆき、限界を超えた触媒は魔力に耐えきれず壊れる。この宝石も残り2,3回で限界といったところだろう。

「……………さっさと商品をよこせ」

「おぉ?怒った?自分の所有物にちょっかいかけられて怒っちゃったかにゃー?」

「………」


 魔法使いという人種は所有権にこだわるやつが多い。自分の持っていた触媒を勝手に使われたり。使役している動物を実権道具にされたり。そういったいざこざが過去に何度もあったせいで今では他の魔法使いの所有物には手を出さないことが暗黙のルールとなっている。所有権の明確な決まりもないため、ある程度のいざこざは起きているが昔よりは少なくなっている。

 私は奴隷を奴隷として買ったが、一応所有物という認識で扱っているつもりはない。奴隷という性質上自分を主として登録しているにすぎない。逃げられても困るが、生物としての最低限以上の生活は保障するつもりだ。


「ロウは変わり者だよねぇ」

「ローは魔法使いとしては異質なんだよねぇ!」

 などという奴等もいるが、奴隷とは自らその肩書きに堕ちた者も少なくないが拐われた、売られた、天涯孤独なんていうような成れる選択肢が少ない者達もいる。魔法使いと一般人という違いはあれど同じ人類であるもの達に少なからず同情はする。この私に同情なんぞされたくないかもしれないが……。

 魔法使いは基本自己の利益を極限まで求める者が多いため、「変わり者」とはそういう部分のことを言っているのだろう。


「はいよ、これがご注文の品だぜぇ」

「で、本人もセンスのない名前だと言ってるが?」

「え?ハイちゃんはハイちゃんだよ?決定事項」

「………」

「………」

 ならなぜ聞いたのかと問いたいところだが、商品を受け取ったのでここにいる意味もない。そもそも私は奴隷に名前なんて必要ないと思っているからどうでもいい。

「帰るぞ」

「あっ、はい…」

 踵を返し入り口へと向かう。それに奴隷は慌てて後ろをついてくる。

「またのお越しを~」

 俺は当分来ない。

お読みいただきありがとうごぜぇます。

ようやくの魔法登場です。

主人公は使ってねぇけどな!?

誤字脱字があればごめんなさい

ん?なにか変じゃね?と思ったかたは、複線だと思っておけば万事解決(複線だとは言ってない)

後書きってなに書けばいいんですかね?こんな感じ?


いつになるかは不明の行方不明でこざいますが、待ってくれる心があればきっとこの乱丁海月、ご期待にそうようがんばりまっせ!(頑張ってるのよ?)

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