買い物 1
気分屋作者
食事を終えた私と奴隷は食器を片付けて玄関に戻る。
「買い物に行くぞ」
今までは自分で買いに行っていたが、これからは奴隷に行ってもらうことになる。店までの行き方などを覚えてもらわなければならない。
「は、はい!」
奴隷は大きく返事をする。
「買い物は月に一回行ってもらう」
あまり人と関わることを好まない私は月一で町に出掛けて買い物をしていた。魔法は人々に認知されているものだが、使える人間は少ない。なのでわざわざ魔法使いに近づく者は少ない、近づくとしても厄介事を持ち込む者か物好きぐらいだ。
私と奴隷は軽く身支度を済ませる。私は黒のナイトローブを着て奴隷は先ほど着ていた服にフードのついたコートを着せる。
屋敷を出ようとした時、奴隷が咳を何度かした。
そういえば病持ちだったか
私は腰につけている小瓶から小さな薬をとりだし奴隷に渡す。
薬を受け取った奴隷は薬を見つめたあとこれがなにかを問うように私を見る。
「それは私が調合した薬だ。完全には治らないだろうが、咳を一時的には止められるだろう」
奴隷はおろおろとした様子で薬と私を何度も見る。
「そんな貴重な物を………いいん…ですか?」
私が渡したのだから何の問題もないだろうに。いちいち確認するようなところは少々面倒だ。
「飲め」
そう言って命じると奴隷は薬を飲み込んだ。
薬に使った薬草の味のせいだろう、奴隷は苦そうに顔を歪める。
「ありがとう………ございます」
私と奴隷は町に向かう。
短い文章なのに、長い時間
なにがしたいんだこの作者は